松尾寺
奈良県大和郡山市山田町

宗派 真言宗醍醐派 別格本山

山号 松尾山または補陀洛山

本尊 十一面千手観音菩薩


天武天皇の皇子舎人親王が、718年(養老2年)に日本書紀編纂の完成を祈願して、さらに、舎人親王自身の42歳の厄除けをも祈願して開基したと伝わります。松尾寺建立から2年後の720年に日本書紀が成立しました。また、松尾寺は「日本最古の役除け霊場」といわれています。



本堂は創建後一旦焼失。現本堂は焼失後の1337年(建武4年)の再建になるもので、国の重要文化財に指定されています。本尊十一面千手観音菩薩立像(鎌倉時代)は奈良県指定文化財。また、七福神堂の大黒天像(鎌倉時代)も国の重要文化財に指定されるなど多くの寺宝を有します。

伽藍から三重塔を経て少し登った松尾山頂近くには、奈良時代の創建になる鎮守社の松尾山神社があります。神仏習合の形を今に残すものでしょう。松尾大明神・清滝権現・福徳龍王・牛頭天王などの神々を祭神とします。



松尾寺は修験道との関係も深く、室町時代以降は修験道当山派(真言宗系修験道)の拠点の一つでした。また、本堂背後には「神霊石」と呼ばれる岩があり、岩坐信仰の聖地を寺院としたのではないかと私的に推測しています。修験道や神仏習合、さらに、古層には古代信仰があるのではないかと興味を持って見ることができます。





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