須佐之男神社

大和郡山市上三橋町

祭 神

須佐之男命

2008年(平成20年)に立て替えられ、非常にきれいな社殿です。かつては牛頭天王社だった名残が境内にあります。もとこの地にあった「超願寺」の鎮守社であったとされ、「ちょんがりの宮」とも呼ばれています。



「超願寺」は字名として残ります。そのお寺との関係として、駒井保夫氏の「郷土の伝説」という本にたいへん面白い話が記載されています。次のようなあらすじとなります。

超願寺の鎮守社でありながら、この神社に祀られているスサノオは、お寺の仏と一緒に祭祀されるのは抹香臭くてかなわないと、大きな蛇に化けて南側の池で水浴びをするなどの嫌がらせをしました。スサノオはそのあげく近くの川のそばに大きな雲古をし、その雲古はタケノコに、そして大きな竹薮に変わりました。しかも酷い臭いです。その臭いがたまらず、仏はお堂ごと現在の奈良市の方に飛んで行ってしまいました。それが現在も奈良市にある超願寺というお寺だとのことです。この説話に関係するのか、神社の南にある池を「蛇南坊池」というそうです。



上記はあくまで伝承で、過去の移転の経緯を説話的に表したものかもしれません。お寺側としては不本意かもしれませんがなかなかにユニークでもあり、明治期の神仏分離とはまた違った移転の様子が想像できます。さらに説話からは、スサノオを祭祀するそれぞれの神社にそれぞれのスサノオがいると読み取れます。スサノオは高天原でも雲古をまき散らす話が伝わり、説話のモチーフにその荒ぶる様が用いられたのも興味深いことです。

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