++ パンを作る(レンジで発酵) ++

 学生時代を通じてずっとしていたアルバイトがある。
クリスマスのところで少し書いた、ケーキ&パンやさんの販売。販売と言っても、店頭でケーキやパンを売るだけでなくて店の中でパンを包んだり、かまからパンを出すのを手伝ったりもする。出来上がったケーキにセロファンをまいたりもする。店頭の販売もすごく楽しくて、いまだに私が人と接する仕事に就きたいって思ってたのはそのときからやけど(だからSEを選んだ。プログラマーよりは人と接することが多いし、会話のやり取りってやっぱり楽しい)、中でパンを作ってる様子を見るのもすごくおもしろかった。ケーキはなんとなく自分でも想像がつくけど、発酵中のパンの感触って触ってみたくてたまらなかった。いろんなものを練りこんだり、飾ったり、かみそりで模様をつけたりしてるのって何だか粘土で遊んでる子供みたいで、私たちとしゃべりながら軽くやってる職人さん達がちょっと偉くみえていた。

 結婚して、ダンナさんがやっぱりケーキやで(作る方の)アルバイトをしてたからとちょこちょこケーキやプリンを作ってくれるのはすごくうれしかったし、とってもおいしい。でもパン作りだけはずっと踏み出せない領域だった。捏ねる捏ねる捏ねる。そして寝かせる。また捏ねる?もちろんパンやの職人さんたちは器械で捏ねるんやけど、そんな工程をこなせるやろうか。

 そんな私がやっとパンを作ってみようと思ったのはネット友たちの力強い後押しがあったから。
パンを捏ねるのがストレス解消になるというくらい、捏ねるのにはパワーがいるらしい。ホームベーカリーで捏ねるのもいいらしいけど、買ってしまっては「やっぱり合わへんわー」と笑ってごまかすわけにいかない。みんなのパン作りの様子をちらちらと横目でうかがいながら、どうしようかと模索の毎日。
 そこでまずやってみたのが、レンジで発酵させるという簡単なパン。「村上祥子の電子レンジで楽々パン作り」というのを図書館で借りてきてチャレンジ。ここで買わずに借りてくるってところが微妙にびびってるところ・・。
 そして初めて作ったのが、これ↓。
 案外おいしく簡単に出来た。こんな私でもそれなりに作れたのがうれしいので、ここでどうやって作ったかをご紹介。
 (ちなみに作り方のうち、カッコの中は私のコメント+作り方本に書いてあった注意書き)

 【材料(プチパン6個分)】
強力粉 100g
牛乳 75ml
バターまたはマーガリン 小さじ2(8g)
塩 小さじ1/5(1g)
砂糖 大さじ1(9g)
ドライイースト 小さじ1(4g)

 【道具】
耐熱ボウル(耐熱のちょっと深い器ならいいかも)
クッキングシート(いわゆるオーブンなんかで下に敷くようなやつ)
ペーパータオル(キッチンペーパーでいいです)
長いおはし(ま、普通のおはしでもいいんですが)
まな板(成形するのに使います。作業スペースがあれば別にいいかも)
耐熱皿(私は使わないときもある)

 【作り方】
■混ぜる
1.耐熱ボウル牛乳とバターを入れ、ラップをかけずに電子レンジ強(600W)で30秒(500Wの場合40秒)加熱する。
(これって要するにバターを溶かしやすくするためらしい。そのせいでイーストが活性化しやすくなるんだそう。だから牛乳が人肌以上(37℃)になったら少し冷ますほうがいい。温度が高いとイーストが働かなくなってしまう。牛乳が人肌程度にならない場合はあと10秒程度加熱する。)

2.取り出して泡だて器でバターを溶かす。ドライイーストを加え、泡だて器で混ぜる。塩と砂糖を加え、泡だて器で混ぜる。
強力粉の1/3を加えて、だまにならないよう混ぜる。

3.残りの強力粉を加えて、はしでぐるぐると混ぜる。はしで持ち上げたとき、ひとかたまりになればよい。
(このときに、力いっぱい混ぜないほうが、電子レンジでの発酵はスムーズにいく。
なんとなく粉がまとまって、べちゃっとしたなって程度。こんなんでいいのかしらってくらいでも案外いいみたい)

■一次発酵
4.生地にクッキングシートを軽くかける。
電子レンジ弱(150〜200W)で30秒加熱し、弱い刺激を与える。これで一次発酵終了。
(クッキングシートは、生地に完全にかぶさるように、でもぴったり押し付けないでふんわりとかける。)

5.基本の生地ができあがる。

■成形
6.まな板に打ち粉をして生地を取り出し、上からも強力粉をふりかけ、包丁にも粉を少しつけて、放射状に6等分する。
(ホールのケーキを6個に切り分ける要領です。ま、適当でいいんですが)

7.切り口を中に巻き込むようにして丸く形を整える。
(小餅のそこをまとめる感じで)

8.閉じ目は指先でつまんでしっかり合わせる。
(ほどけてこないように、という程度)

9.まな板の上に間をあけて並べ、クッキングシートと水で濡らしたペーパータオルをかぶせ、2倍の大きさになるまで室温に10分程度おく(ベンチタイム)
室温というのは大体25℃前後を言うのだそうです。だから室温が低いとふくらみが悪い。その場合はもう10分おくといいです。あるいは一時的に部屋を暖かくするのもいいかも。ペーパータオルもきっちり濡らして)

10.まな板のあいているところに打ち粉をして9を置き、3本の指で軽く抑えてガス抜きをする。

11.周囲の生地を内側に寄せながら丸めて、合わせ目は指でつまんで閉じる。
(これこそ、小餅を丸める要領ですね。って事はこれができる人は小餅を丸めるのもうまいのかなあ)

二次発酵
12.耐熱皿にクッキングシートを敷き、皿の縁にそって11を間をあけて並べ、上にクッキングシートをかける。

13.ターンテーブルに乗せ、電子レンジ弱(150〜200W)で30秒加熱し、弱い刺激を与える。

14.皿を取り出し、下に敷いたクッキングシートごと天板に移し、上に水で濡らしたペーパータオルをかぶせ、2倍の大きさになるまで室温に10分程度おく(ベンチタイム)。これで二次発酵終了。
ふくらみが悪いときはさらに10分おく。
(室温は9.と同じく、25℃程度。でこのベンチタイムにオーブンを温めておく。温度は180℃)

焼く
15.上のペーパータオルとクッキングシートを取り、茶漉しで打ち粉をかけて180℃に温めたオーブンで10〜12分焼く。

16.できあがり。

 工程を見ると、16番まであって、「ええ?」って思うけど、ホント簡単。ほとんど流れのままにできる作業もあるし。ボウルや道具をいっぱい使うこともないし、ちょこちょこっと量って、あとは大さじ、小さじでちょっと。で、おはしでぐるぐるっていうのが実に手軽。ベンチタイムの10分の間にちょっとやり方を見直したり、後の10分でオーブンを温めて、焼いてる間にその辺を片付けたらあっという間にできる。

 難点は、この分量やと小さいのが6個できるだけ。おちびの我が家の息子たちも数分でぺろりと食べてしまった。あとはやっぱり焼きたてじゃないと結構味が落ちる。
だから横でパスタなんかをゆでたり、ソースを作ったりしながら、ちょこっと作って食べる分には1時間かからずいいのかも。ちなみにうちではこの分量の倍まではやってみた。寝かせる時間を少し長くしたりしながら。それでも家族4人であっというまに食べてしまったから、本格的に作るには、また別なやり方をって思ってる。