++ 校則の「なんで?」  ++

 私が通っていた高校は、その当時開校3年目の新設校だった。私達が1年生として入学して初めて3学年が揃ったという。その頃でも(きっと今でも)、奈良では成績のいい学校ほど校則がゆるく、成績の良くない学校ほど厳しいと言われてた。私のいた学校は、それなりに厳しい方。というか、今考えても「変なの!」と思う事がいくつもあった。

 ・パーマは不可:まっすぐの子がくるくると巻くのはダメだったけど、くせ毛の子がストレートにするのは見逃されてた。友達はソバージュにして(うわー懐かしい。はやったはやった)みつあみして学校に行ったけど、ばれて元に戻してた。それもバカらしい。
 ・靴下は白。柄はワンポイントのみ:なんでなんやろう。靴下の色が薄いピンクしかなくて(ちょうど洗濯がうまく乾かなくて)仕方なく履いていった日、私は教室で脱がされてはだしで授業をうけた。寒かった。
 ・靴の色は白のズック靴のみ:これ要するに運動靴って意味。だからスニーカーとかいわゆるバスケットシューズはOK。
 これが2年後に
 ・靴の色は黒、白のみ可。ズック靴のみ:やっぱ、ズック靴っていうの?私は皮のローファー履いていって、体育教官室に取り上げられた事もあったなあ(^^;)。だって、ローファー、可愛いよね♪
 それでも
 ・靴下の色は白。柄はワンポイントのみ:もう笑っちゃうしかなかったけど、ワンポイントとそうじゃないのとで何が違うんやろう。
 ・前髪は目にかかる程度まで:本当に笑ってしまう。
 ・ストッキングの色は肌色かベージュのみ:黒のタイツに皮のローファーとか、紺のハイソックスに黒のローファーとかってほんとに可愛いと思うんやけどなあ。

 今なら「ズボンから下着を見せない」とか「スカートの丈は膝の位置」とかあるんやろうか。
 「見た目が堕落していくと中身まで堕落していく」 なんて事を言う先生もいたけど、何てこと言うんだろうと思って聞いていた。
 大学生になって教育実習でその学校に戻ったとき、実は校則についての意見を聞かれたことがある。きっと数年前に卒業したばっかりのちゃらちゃら遊んでる大学生の意見を積極的に取り入れてくれるわけじゃなくて意見としてただ聞いてみただけって感じだったけど、私はそういうことを全部言った。
 「カッコよく生きる」という私のポリシーにも書いたけど、見た目を気にすることは決して悪いことじゃない。むしろ全く構わないほうが、自分を知らないことなんじゃないかって思ってる。

 もちろん、こんな見た目の事意外にも生活について書かれてる校則はあったけど、みんなそんなものがあるという事すら知らなかったんじゃないかってくらい、私達には馴染みのないものだった。
 そんなどうでもいい、服装とか見た目のことよりも、例えばどれだけの単位を取らなければ卒業できなくて、自分が今受けている授業は何単位あって、どれだけ足りなければもう一度同じ授業を受けないといけないか、そういうことを生徒にきちんと周知させることの方がよっぽど大事だったんじゃないかな。(少なくとも私は全く知らずに卒業した)
 成績に赤点がついて、夏休みと冬休みに一度ずつ補習を受けたこともある。でも3年で卒業したし、それが普通だった。大学生になって初めて、学ぶことを自分で管理するようになったといってもおかしくない。
 高校は義務教育じゃないからって言うけれど、結局はレールの上をそのまま進んでるだけで自分で決めてることなんて実はほとんどなかったんじゃないかなって思う。

 靴下が白じゃないからって校門で目を光らせるくらいなら、例えばジーンズは元々作業着だったんだって事とか、挨拶がきちんとできるかどうかとか、自分で学ぶことを選択して最後まで責任を持ってやり遂げることの大事さとかっていうことを身をもって教えてもらいたいなと思う。