■我が家のプランができるまで・・・。 0.設計作業が始まるまで 当初、私達が考えていた(決めていた)ことは、今私の両親が住んでいる家をリフォームして、二世帯住宅にするというものだった。というのも、なくなったおばあちゃん家の敷地と隣り合わせに建っていた両親宅との間に母が増築を行い、それが二つの敷地をまたがっていたため。 それでも、両親の考えとパパの意向(もちろん私も強く希望)により、1階増築部分と、キッチン水周りを両親スペース、1階残りと2階部分を増築して私達スペースにして、完全分離、という方向性が何とか決まり、それを実現してくれる相手を探し始めることになった。 両親の希望は(自分達スペースのリフォームを長年頼んでいる)H工務店、だけれど、私はそれは絶対しないと決めていた。何より、私達の生活スタイルやペースを理解して、私が(建築に対する)素人として単純に希望することを、きちんとした裏づけに基づいて修正・提案してほしかったから。できることなら、設計の専門家で、でも私達の事情(増築・リフォーム・二世帯)を受け入れてくれる、そして両親宅の工法にも合っている、と条件を出して検討し始めたのが2005年の年明けごろだった。 雑誌やネットで見た、いいなと思う家を作っている工務店や設計事務所を洗い出し、このような案件を扱ってくれそうか、電話をして聞いてみたり、問い合わせをしてみたり。実際に(少し前から)見学会に行ってみたりしていた工務店や事務所もあった中で、私達が選んだのは設計事務所AIDAWORKSだった。 母が倒れ、集中治療室通い、入院のつきそい、手術など私達家族を襲った出来事を乗り越え、2月の半ば、初めてAIDAWORKSを訪問する。まずは現在の両親宅の簡単な間取り、そして希望を簡単に羅列したメモを持って。現在二つの敷地にまたがって建っている両親世帯の建物と、改築、増築を含めて私達世帯のスペースと、両方を兼ね備えたそんな住宅ができるんだろうか。心配は尽きなかったけれど、代表のMさんは快く、「まずは希望を出してください。どんな暮らしがしたいのか、何に重きを置いて暮らしていくのか、それを伝えてください。僕たちはそれを実現させるためにどうしたらいいか、どうできないかを明らかにしていきたいと思います」と受け止めてくれた。 今回、私達の家造りのパートナーとして、これ以上の相手は望めなかっただろうと思う。「こんな間取り、何LDKという希望を出してもらうのではなくて、どんな暮らし振りをしていて、これからどうしていきたいのか、そういう事を話してほしい」「その上で、できることとできないことをはっきりさせます。できないならどうすれば近づけるかどう替わりができるか、それを合わせていきましょう」この姿勢は、パパも納得、全幅の信頼を置く大きなポイントとなった。 そして実はこの進めていくやり方、私達夫婦にはとても理解できるものだった。というのも、私達はシステムエンジニアという仕事をしている。この仕事は、対象こそ違うものの、お客さんのどうしたいという要望を、システム化するためにどうしていったらいいのか、どうすれば実現できるか、技術的に実現させる方法を考え、そして実際にシステムとして具体化させていく。それがよく似ていて、そしてその進め方がとても共感できるものだったのだ。という事で、パパ、私ともに、AIDAWORKS以外ではもう絶対建てないというところまで決心を固め、実際のプラン作成を依頼することとなった。 2/17 Mさん、Hさん訪問 現状の建物、敷地を見てもらい木や景色をどう活かすか検討してもらう。 3/12 最初のリフォームプランが出来上がる。現況とリフォームプランの模型を作ってもらう。 模型は屋根が取り外せて、中の間取りが見れるというもの。非常によい。希望もかなり盛り込んでもらう。 3/17 最初のプランに対して、変更依頼箇所と今手持ちの家具の寸法をメールする。 それから工務店の策定について再度話し合う。 Mさんに相談したところ、両親世帯のリフォーム(トイレ、洗面を作る)があるなら、 別々の工務店でやるよりはいいかもしれないとの返答。 設計、施工管理はこのままお願いすることにして、工事のみを依頼することもできるということで、 後日話し合いの場を設けることになった。 4/2 H工務店さんを交えて話し合い。 なかなか上手く合意がとれない・・・。 4/8 工務店との話し合いや法律面での懸念を専門家に相談してみようと公共の税理士無料相談を探してみた。 結果、姉にも助言されていた将来のことを考えて妹を含め私達姉妹の思いを伝えようと、父に時間を取ってもらうことにする。 4/10 話し合いの結果、祖父母宅の建っていた敷地を両親スペース、今実家(つまり両親宅)のある敷地を 私達夫婦スペースとして、お互いに新築をすることになる。 両親については、数年前増築をした部分がまだ新しいのでそこを活かして、でも敷地にかかっている部分は 取り壊してでも、きれいな状態(つまり敷地をまたがった部分は取り除く)にしてくれるとの事。 私達は、時期は遅くなるけれど両親世帯のスペースが出来上がってから、現在の建物を取り壊し、新築する。 工務店は設計を担当する設計事務所に紹介してもらう。ということにまとまった。 1.4月の敷地決定メール 4/27 最終決定案をメールにて連絡する。 親世帯の工事、引越し、取り壊しが8月中ということで、我が家はそれ以降着工が決まる。 また親世帯の建物プランについても完成し次第、お知らせするということで簡単な希望だけを述べる。 4/始めの打ち合わせにて懸念事項を話す ◇セキュリティ 最近、市内で空き巣、盗み(?)、被害が多く発生していると聞き、日中家を空けることの多いのが我が家の心配点。 また、公園横の東側は人通りも少ないため、夜は不安であるということから、とにかく安全に安心に暮らしたい。 ◇暑さ寒さ対策 西側に道路があることから開口部を設けると夏の暑さがつらいんではないか また、一戸建ては寒いと散々聞かされていることが心配 これらについては、どれも技術面でカバーできる、との事。もちろん全て完全にというワケにはいかないけれど、 面格子や開口部の設け方で変わってくること 。 寒さや暑さについては現在の住宅では断熱材や風通しの方向、などでそれなりに対応できるとの事を説明いただいた。 いつも私が率直に感じた、思ったことについて、その場合はこういうやり方で、これならこうやってみては?とプロならではの助言をくれる。 本当に感謝感謝。 2.プラン作成から決定まで 5/29 新築工事となって最初の打ち合わせ。 プランを2案提出いただく。 同じ広さ(32坪)、同じ敷地、両親宅の既存建物が残る(と考えていたそうで)という条件は同じ 以前提出した私達の希望案を元にプラン作成 ◇第一案 若いEさんが私達の希望をかなり正確にかなえてくれた夢のあるプラン。 吹き抜けを多く取ったかなり開放的な間取り。 キッチンからリビング、玄関までが見渡せ、全てがそこを中心に生活できるようなイメージ。 二階部分に上がる階段スペースも吹き抜け。 ウォークインクローゼット、読書スペースも設けてくれたが、個室の部屋数は少なめ。 ◇第二案 以前の提案に似たイメージ。変型のリビング。 キッチン前にパソコンスペース。 作業スペースとくつろぎスペースを大きく分けたプラン。 二階子供スペースにもロフト&のぼり棒 吹き抜けからフリールームへと繋がり、小さいながらも個室を一つ設けることができる。 いずれの案もそれぞれとても気に入り、家造りへの夢の第一歩が進んだようでとてもうれしかった。 今回の家造りで初めて率直に「うれしいです」と言葉にできた日だったと思う。 6/7 第一回目のプランに対して、様々な要望、希望点をメール。 キッチンプラン、キッチン横スペースについて電話で会話。 キッチン近くにあると便利な掃除機、雑巾やパントリーのイメージで保存食品の収納や、レシピ本などの収納。 それに棚机があって、ミシンをかけたりちょっと作業をしたりできるようなスペースにしてほしい。との要望を伝える。 6/26 メールやFAXで伝えた希望を元に第三案が出来上がる。 今回、改めて予算について話し合い。 総予算のうち、今回の私たちのパターンは、実際に家本体以外に外すことのできない、いくつかの障害がある。 現在の家の取り壊し、耐久性の問題がある浄化槽の取替え、そして道路との高低差を考慮した擁壁。 これらにかかる費用を引いた残りが私たちの家にかけられるお金。正直言って、この予算では今考えている広さの家は建てられない。 という事で予算を増やすか、広さを断念するか。とても難しい。その中で、恐らく全体に床面積が減るであろうけれど、 どうしても譲れない部分、なくても何とかなるだろうという部分を図面を見ながら話し合った。 女性のEさんは私の言う事に「そうですよね」と相槌を打ちながら聞いてくれる。 パパは「デッキさえあれば・・」。私の「でもデッキはいずれ、っていうのでもいいんじゃないの?」との意見にMさんは 「いや、でもご主人の思いからすると、やっぱりココだけはって言うところじゃないでしょうかねえ」とパパに賛成の意見。 男性は男性の立場として話してくれる。それも感謝。 7/18 第四案、第五案出来上がる。 ◇第四案 ほぼ正方形のイメージのプラン。 今までの希望(畳みスペース、吹き抜けリビング、ベンチ収納、広い水周り、アイランドキッチン、 子供スペースの設け方、ロフト、・・・・)あれこれをすべて盛り込んでくれた。 そして、通常の住宅では考えにくいという、南と東を閉じて、北と西を開放的にして欲しいという私の無理難題(^^;)を 聞いてくれた。 ◇第五案 第四案と基本的には大体似た間取りプラン。 ただし、変形リビング。畳スペースはやや狭い。キッチン横作業スペースが広い。洗面は第四案より狭い。 が、吹き抜けの設け方、西側の陽射しや暑さへの考慮や玄関の角度については、経験とセンスに裏付けられた プランとなっている。 8/1 第四案、第五案について、模型を作成してもらい、家に送ってもらう。とてもいい感じ♪ 模型を見て、平面図を見ていろいろ考えた結果。両方のいいとこ取りを何とかお願いする。 (畳スペースの広さ(と言っても三畳だけど)、洗面の広さ、変形リビング、吹き抜けと玄関の角度) 8/21 第六案、プランほぼ完成。 細かいところを合わせて、OKなら工程を進めていくということに合意。 8/22 概算見積を提示いただき、これに了承の旨、伝える。 8/28 設計契約完了。 これで本当に家を建てるために、私達は動き始めることになる。 今まで作ってもらった全部で6案。どれもとても気に入っていたけど、全てを兼ね備えた家はやっぱり無理。 それでも、私達が納得して要るモノ、要らないモノを篩いにかけていけるよう、付き合っていただいたMさん、Eさん、本当に感謝感謝。 そして、これからもどうぞお付き合いよろしく。 9/19 展開図、立面図打ち合わせ 設計契約時に横の食事スペースでお食事をご馳走していただけることになっていたとこの事。 で、今回いただいて帰る。こんな家もいいよなあと思いながらおいしいお食事をいただく。うれしい。 10/2 再び展開図、立面図打ち合わせ。 キッチンはフランスロジェール社のものをお願いする。 ガラスのトップカバー付きで使わないときにはふたをすることができる。 故障が多いとか魚焼きグリルがないとか中華なべが使えないとかあるけれど、やっぱり夢見てたものを採用したくて、思い切ってしまう。 といいつつ、オーダーキッチンは収納が少ないんじゃないかとか本当に使いこなせるだろうかとか不安がいっぱい。 でも。これからこんな機会にどれだけ巡り会えるか、使い勝手は使ううちによくしていけばいいし、私が設備に添っていけばいいのだ、と思う。 そういう、割り切りも思い切りも、こんな機会には必要なのかもしれない、なんてね。 10/16 外構打ち合わせ。 パパの希望、デッキとカーポート代わりの屋根について打ち合わせを行う。 パパ(というより言い出しっぺは私^^;)の希望のカーポート代わりの屋根。 正直言って私は屋根は特に必要ないと思っているくらいだったけど、もしつけるなら、いわゆるポリカーボネイトの透明とかトタンの屋根は 避けたいねと話している。これについてはパパも同感。でも。難しい・・・・・。 私たちが当初希望していた、デッキを兼ねたカーポートの屋根。を実現させようとすると、デッキの柱として30cmの厚みの鉄骨を使わないと いけないんだそう。それが、駐車スペースから玄関、門にかけてまで大々的に並んでしまう。あまりにも重厚感がありすぎる。 というより、家のアプローチとしてそれはあまりにも・・という位に圧迫感があるらしい。 どうしようか・・・。で、結局その案は取りやめ。でもやっぱり屋根は欲しいので、外構詳細決定時までにこちらでも探してみることにする。 うーん。難しい。私はホントに別に要らないと思ってるけど、パパの希望やもんね。せめてそれくらい叶えてあげなくては。 11/6 詳細設計の最終打ち合わせ。 工務店請負工事の見積を受け取る。建物本体に対して、思っていたよりも抑えることができたけれど、 解体と外構含めた設備費がかなりオーバー。とはいうものの、正直言ってここはどうしても外せない部分。仕方ない。 その旨了承の後、工事請負契約へと進むことになる。もうすぐだ。 11/13 工事請負契約完了。 紹介いただいたF工務店との工事請負契約が完了する。6日の打ち合わせで、もうそろそろだなあと思っていたら、急展開。 9日に請負契約の日程が決まり、13日に契約を済ませたら、16日にはもう着工ということになった。 着工(まずは解体工事の方)までには、銀行への申し込み(やその為の書類用意)やご近所の挨拶周り、 そして12/4に地鎮祭が決まり近日中にはお祓いに行かなくては。ばたばたと急な作業に追われることになってしまった。 おかげで仕事は迷惑をかけっぱなし。本当に申し訳ない。新居ができたら、お食事に呼ぶからね。 11/16 解体工事着工のための顔合わせ。 朝から工務店、解体業者、設計事務所の担当者、私で解体に関する細かい点を打ち合わせし、 お酒、お米でお清め。それから業者さんたちは作業に入る。 私はご近所へのご挨拶に再度周り、仕事に出かける。さあいよいよ着工だ。どうぞよろしくお願いします。 |