ルーシィ・モード・モンゴメリ Lucy Maud Montgomery

『  赤毛のアン:Anne of GreenGables  』

ご存知、アニメにもなった赤毛のアンです。始めて読んだのは、小学校低学年の頃。
確か少女文学全集とかで読んで、
「ままー、アンとギルバートって結婚すんの?どうなんの?これ続きあるんやろ?」と聞いていた記憶があります。(「続きを読めるようになったらわかる」と答えられた)
 大学生になって、家の本棚をあさっていると、古いふるい本、新潮文庫の「アンの青春(第二赤毛のアン)」と「アンの友達(第四赤毛のアン)」、「アンの夢の家(第六赤毛のアン)」というやつを見つけました。
奥付を見ると、発行は昭和32年、価格は120円です。
「(母が言っていた)続きだ!」と思い、憑かれるように読んで、全部欲しくなりました。
(アンの青春だけでなく、母にも同じように青春があり、もしかしたら同じような思いで読んだのかもしれない。) で、全部そろえて何度も何度も読んだうちのひとつ。
アンの話し方が一番さいしょから、少しづつ変わっていって、最後には、落ち着いた女性らしいものになるところに、作者と訳者(アンシリーズは全て村岡花子さん)のすごさがうかがえます。
 これ読むと、大抵続きが読みたくなるので、たいてい続きを全シリーズ読んでしまいます。
ついでにアンとギルバートがどうなるかは、もちろんここには書きません。
(きっとみんな知ってると思うけど。私も結果がわかってても、今でもわくわくしながら読んでるんです。)
今は、私が読んだ訳(村岡花子さん)以外のものを読んでみたいと思っています。


『  アンの青春:Anne of Avonlea  』

赤毛のアンの続編。原題は、「Anne of Avonlea(アヴォンリーのアン)」です。
「赤毛のアン」の原題が、グリーンゲイブルズのアン(Anne of GreenGables)なので、
心も年齢も大人になりつつあり、世界が広がっていくという事をあらわしているようです。
ギルバートと仲直りしたアンがアヴォンリーで過ごす青春の日々。
でも16才で学校の先生をするって、その頃の16才は大人やってんなぁと思いました。

 レドモンドに行くまでの2年間が描かれているのですが、ギルバートがこれからの4年間を思うという終わり方で、すでに続きの構想があったんだろうなぁと思わせます。
後半。ミス・ラベンダーの山彦荘での結婚式が庭で行われるというシーンがあります。
「忍冬」とかいて(すいかずらと読むのだけれど)”ホネサクル”というカナがふってありました。
(なんと言っても古い本^^;なのでルビも古い^^;)
「????すいかずらのこと???ホネサクルって??ホネ??ホネー。ハニー。」
これが”HoneySucle(ハニーサックル)”だということに初めて気づいたのです。
 赤毛のアンの世界でハーブを知ったというヒトがいるというのは何かで見てたけど、
そうか、ハニーサックル、それにラベンダー、なるほどハーブに出会った、と思ったのです。

『  アンの愛情:Anne of Island  』

赤毛のアンの続編。原題は、「Anne of Island(島のアン)」です。
アヴォンリーを離れ、念願の大学生。どこにいても、何故か人を惹きつけ、人気のあるアン。
新しく出会った人や古くからの友人など多くの人に囲まれてレドモンドで過ごす4年間が描かれています。
そして、アンが本当の愛情に気づく話です。
で、結局どうなるのか。一応、(もうわかってるかもしれないけど)ここには書きません。
続きを読んだらわかるのだけど^^;
レドモンドに通う間、アン、プリシラ、フィル、ステラが住む「パティの家」。
いいなぁ、そんな家に一時的でもいられるって。学生のころはうらやましく読んだものです。


『  アンの幸福:Anne of WindyWillows  』

第5赤毛のアン。原題は、「Anne of WindyWillows(柳風荘のアン)」です。
(第4は「アンの友達」でストーリーとしては、ちょっと別編ってところがある。なので続けて読むときはとばすことが多いのです。)
 アンがギルバートに書く書簡でつづられた婚約時代の話。あーついにばらしちゃいました。
「あしながおじさん」もそうだけど、手紙で話がつづられるというのは、おもしろいと思います。
 私も手紙を書くとすごく長くなるのです。アンも一度の手紙で何ページにもわたる手紙を書きます。
(あしながおじさんのジルーシャもそう)
しかも、きちんと会話を覚えていて、誰々がこんな風に言った、誰々がこんなふうに答えたとか、とっても詳しい。おもしろいけど。 わたしは手紙でも自分がしゃべっている、そのままの口調で書くので(最近はメールが多いけどなぁ、やっぱり)、長くだらだらとなってしまいます。  
婚約時代の3年間、ギルバートがお医者さんになるための勉強中なので、2人は離れて暮らしています。
で、手紙でのやりとり、になり、3年間が終わって、これからいっしょにいられるね。というところで話は終わります。
いつも引き続き、「アンの夢の家(Anne's House of Dreams)」を読みます。

『  アンの夢の家:Anne's House Of Dreams  』

第6赤毛のアン。原題は、「Anne's House Of Dreams」です。
厳かで和やかな結婚式の後、フォア・ウィンズの岬の家での新婚生活を描いたものです。
灯台もりのジム船長やミス・コーネリア、レスリーなど、相変わらず魅力的な人物描写です。
 ここでは、宗教(長老会派とメソジスト派)や政治(自由党と保守党)に関するやり取りなどが多く出てきます。当時、宗教や政治は人々の関心の多くを占めていたんでしょうね。
いや、カナダ(他の国も)では、今でもそうなのかなぁ。
ご存知のように、日本にはあまりこういう習慣はありません。わたしにも。
 アンの最初の赤ちゃんが産まれてすぐに死んでしまうというところ。
深い悲しみにこころもからだも立ち直るまでに沢山の時間がかかってしまいます。
そうやろうなぁ。わたしだって、もし。もし、そうなったら。
考えるだけでも胸が締め付けられそうな思いでいっぱいになるもん。
 普通に生きていることの幸せをかみしめる1冊です。

『  炉辺荘のアン:Anne of IngleSide  』

『  虹の谷のアン:Rainbow Valley  』

『  アンの娘リラ:Rilla of IngleSide  』

このうち、「虹の谷のアン」と「アンの娘リラ」は原題を見たらわかるとおり、実は「アンブックス」には含まれていなかったそうです。(Anneという言葉が入ってません)
 でも、訳者の村岡花子さんがシリーズに加える形で訳したそうです。
 「炉辺荘のアン」は確かにアンを中心に、子供たちの生活を描いています。ナント6人の子持ちになったアン。すごいですねー。ま、時代もあるけどね。
 「虹の谷のアン」はアンから離れて子供たちの日常が描かれています。これが、後に続くモチーフとなる「笛吹き」がでてくる最初です。
 「アンの娘リラ」は第一次世界大戦がもたらした悲しみや喜び、人生がアンの末娘リラの目を通して描かれています。高校生の頃から世界史に弱かった私は「なんでイギリスが戦争をしてて、カナダが関係あるの?」と思ってしまったほど。この本で少しは知ったかなと思います。
この最後のシリーズでのドッグマンディの忠誠には、さすがの私もやられてしまいました。電車の中でも家でも、読むと涙がとまらない。動物モノはあまり好きではない私でさえこうですから、いぬの好きなヒトはたまらないでしょうね。
 それから、アンシリーズ全てを通してかかれている、牧師館やキリスト教の教えについては敬虔な思いがします (牧師と結婚したモンゴメリならではの考え方なのでしょうか。それとも時代?国?)。もちろん私はキリスト教徒ではないし、関係はないけれど、人生を通じて信じるべき教えや信仰というのは、人間にとってやっぱり大切なものなのだろうなぁと思います。