AKG B&O DECCA ELAC Goldring PHILIPS THORENS | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
その他ヨーロッパの各社のカートリッジ さすが永い伝統を誇る各社、個性的な商品で国産には無い、音質が味わえます。 まずはヨーロッパ最大の総合家電メーカーですが、音楽ソフトでも有名なオランダのPHILIPSです。なかでも有名なGP-922ZMC はMC型で、どちらかと云うとMCらしくない、穏やかな表現をするカートリッジです。豊富な経験の持つ会社の製品ですので、その表現はハードでもソフトでも同じ印象で統一できるというのは、簡単に真似のできる物ではありません。 蓄音機時代の昔、サウンドボックスのメーカーとしてイギリスのGoldring社はあったそうですので、その歴史は並みの努力で出来る物ではないでしょう。EROICA GXはトップ機種ではないようですが、長い経験から作られた堅実な商品です。音質はさほど際立つ物ではありませんが、MCらしい力強さと鮮度を併せ持った商品です。 同じイギリスのDECCA社も長い歴史の会社で、もうカートリッジから撤退しましたので、Mark7が事実上最後の機種になりました。以降は形式を引き継いだ別メーカーから発売されていますが、中でもこの機種MarkⅤEE がDECCA全盛期を代表する製品でした。ネーミングからも分かるとおりMarkⅠから始まるDECCAは一貫して、VL方式と云う3つのコイルを使う、ムービング・アイアンのバリレラ型でマトリックス接続により、45/45ス テレオにも、接続を変えればモノーラルにもなるという独特の物で、針先がアーマチュアにより垂直に取り付けられていて、縦方向は針圧その物になりますの で、トレースに問題がある盤もあるようです。その音質も強烈に個性的な独特の物で、広帯域ではありませんが繊細にして大胆という、不思議な魅力は初代の物 から引き継がれた伝統です。ffrr盤にはこれでなきゃと云うご仁もいらっしゃいます。 THORENS社はスイスのオルゴール・メーカーより発祥の、プレーヤメーカーで、今もってその人気の衰えない会社です。MCH ⅡはEMT社のTSD-15とは兄弟関係にあり、
MCH Ⅰとは、EMTアーム専用に対して、MCH ⅡはSME等ユニバーサル・アームに対応したものです。 オーストリアのAKGも歴史のある会社で、マイクロフォンでも有名な会社です。この会社は一貫してムービング・アイアン一筋で各種開発し、マイク同様熱烈な支持者を持っています。頑固なまで同一方式で独特の色彩を持っていますので、日本では成功したとは言えませんが、MCとMMの中間に位置するMI型の特性を生かし、フラットでガツガツしない上品な持ち味は、魅力十分です。構造からスタイルまで一貫した独自性は、B&Oとも共通の欧州気質かも知れません。P-10EDと P-6Rは、シリーズの末端の商品ですが、大本は上級機と共通の音質で、P-8E も中級にあるものですが、最上位のP-100Limitedまで鮮やかに貫く、量感と質感の調和は印象的で、脅威ですらあります。 ドイツのELAC社はシュアー社と共に、MM型のライセンスメーカーで、当然その歴史も長いのですが、知名度はかなり差のあるところです。 技術力は昔から定評があり、先端 材料の使用にも積極的で、優秀な音質も確保するのですが、いまいち人気がないのはなぜなのでしょうか?それは音楽風土に根ざすものではないでしょうか。こ の会社の製品はトップではなく、次位が良いなどと評する方があり、この会社はトップに自信を持っていると云う、このボタンの掛け違えは簡単に修正できる物 ではないと思います。STS-555Eは当時のトップ機種で、日本では圧倒的にSTS-455E が支持されました。濁りのない落ち着いた音色は、どちらも同じなのですが。 創業者二人の名前を冠するBang&Olufsen社は、デンマークの会社です。インテリア感溢れるユニークなデザインは、上昇志向の方のこころを捉えるのは無理からぬところです。しかしそれだけでないのが、この会社の真骨頂です。その雰囲気を音にすればこうなるとする、技術力があるのです。MMC-1はMI型ですが、4ポール4コ イルにムービング・マイクロ・クロスと云う特殊アマーチュアを有する方式に、ローマスの特色を生かすサファイア・チューブにライン・コンタクト針と云う一 貫した設計ポリシーで、針交換さえ拒否したまさにユニークな製品です。それがききづかれのしない、新鮮で落ち着いた響きとなるのでしょうか。同じデンマー ク・オルトフォンのSPUとは対極にある音色なのが、なんとも不思議です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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