SATIN オーディオ黎明期より、カートリッジ の専業メーカーで、京都・鞍馬口・ 下総町にありました。 一位の木箱に、宝石のごとく入れら れた「魔法の宝石」は、華やぐ・安ら ぎの音楽の世界へ我々を誘いま す。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
サテンのカートリッジについて 創始者が無くなり、もう消滅した会社の製品ですが、日本人にとってこれは一つの宝物だと思っています。 形式的にはプレーバック標準の、ウエストレックスに最も近い構造のムービング・コイル型カートリッジですが、数々の独創的な創意工夫がちりばめられていて、今もってその魅力は衰えることはありません。 その筆頭は、表面がアルマイト絶縁処理された板状のアルミリボン線を、おむすび状に巻き、強磁束密度の磁界内で使用することにより、磁性体を使用する事無くMM並みの高出力を得ていることです。製法は分かりませんが理にかなった素晴らしい発想ではないでしょうか。ダンパーや支点保持も独創的な物で、唯我独尊ですが細部にまで目が行きとどいた綿密な構造で、しかも出てくる音質も素晴らしい物です。 ただ軽針圧と針交換を意識するあまり、性能追求と逆の方向にあったと思うのは、私だけなのでしょうか。 一番最初にM3-45 を試聴した時の感動は忘れることが出来ません。当時の内外のカートリッジとは明らかに次元を超えた広帯域の音質でした。その後M5-45Eを聴き、まこれもありかと思いましたが、最初の感動を超える物ではありませんでした。 その後もこの会社は、必ずトップ機種と普及機種を併売してきましたが、普及機種はトップ機種の引き立て役以外の何物でもないように思えました。この意図だけは最後まで疑問に残り、今もって不明です。 その意味でM7-45E やM-15E ・M-18Eは、それぞれその時点を代表するものであり、素晴らしいと思いますが、それでも最初の M3-45の衝撃が忘れられず、今、他の機種と比較してもM3-45を一番好ましく感じてしまいます。 今となっては叶わぬ事ですが、最新の素材と技術で、針固定型のサテン・カートリッジを発売していただければと思ってしまいます。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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