PICKERING STANTON EMPIRE ADC | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
アメリカ・メーカーのカートリッジについて シュアーを除くアメリカの会社と
云うと、まず浮かびますのがピッカリング社ではないでしょうか、モノーラルの時代よりその名は有名で、フェアチャイルド等と共にその名はありました。それ
が無くなって別名のスタントンになりましたので、松下がパナソニックに成ったようなものなのでしょうが、一抹の寂しさを覚えます。 PICKERINGではステレオに成って、XSV/3000Sが一番有名でした。 ダスタマティックが付いて、ステレオヒドロン針と云う独特のスタイルで、ヴォーカルが浮かび上がるように艶めかしく、チャーミングな音質でいて、引き締まった音は高級MMの独壇場でした。そしてそれは、XLZ/7500SやXUV/4500Q-S等のより高級機から、普及機のEP200やNP/ATまで品位は変われど共通の特色でした。そしてそれは系列のSTANTONにも当てはまる特徴でもあります。XSV/3000Sは広く普及していましたので、お持ちの方も多いと思いますが、互換針が出ていまして入手しましたので、簡単に感想を書きますと、互換針は楕円針ですので当然音質は変わりますが、傾向はXSV/3000Sの後続機XEV/3001そっくりです。その意味で非常に良くできた物ですが、ステレオヒドロン針をお持ちの方は、大切にしていただきたいと思います。互換針を試しにXUV/4500Q-Sのボディに付けてみますと、XSV/3000Sより良いように思えたのですが、気のせいでしょうか。 次位はEMPIREでしょうか、懐かしい999VE は、特異なケースにコイルが4個、マグネットが3個、ポールピースが4本、ヨークが1つそれぞれ無駄のない役割で入れられ、複雑な回路で構成された、1000番が出るまで長い間IM型のトップモデルでした。当時オルトフォンのSPU GTが$50で、シュアーV-15が$62.5 そして999VE は$74.95でした。ちなみにシュアーM3Dは$15.75と安価な商品で、いかに高く評価されていたか伺えます。音質は今聴きますと、さほど高級なイメージはわきませんが、中庸を得た、アメリカのカートリッジにしては上品な物ですが、抑えた輝きが特徴でしょうか。その伝統は有名な4000D/Ⅰのシリーズを経て、 600LAC のシリーズまで引き継がれています。600LACは現在のトップモデルで、極太のアルミ・カンチレバーにラインコンタクト系のLACと呼ばれる針を付けたもので、いきいきした躍動感や、生きの良い鳴りっぷりに、適当な解像度と切れ味を追加した、エンパイア・高級機の味わいが楽しめます。EDR.9 も同傾向ですが、より軽く抜けの良い音質です。 AudioDynamicsC社は、Point fourや ADC10/E等、高コンプライアンス・軽針圧を売りに登場したわりと後発メーカーでした。この社の考案したインデュースドマグネット型は、MI型の中でも一番広く使われ、振動系の中でも一番重いマグネットを、高導磁性材に置き換え、シンプルな構造にしましたので、内外各社に多大の影響を与えました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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