1.設計(図面作成)
  
上記の記事を参考にして、製作するギターの原寸設計図を書きました。
2.組み立て型の製作
  
合板を用いてギターを組み立てる
  ための型を作ります。
  ギター製作の土台ですから、
  丁寧に精度よく作ります。


3.ネックの製作
  
ネックはヘッド、ネック、ヒールの
   部分からできています。 
   RFtypeではネックが表面板の
   上に乗る形になりますので、
   ヒール部を作り、これにボディを
   組み込んで、ネック部をはりつけ
   ることにしました。
   ヒール部への横板の取り付けは
   楔を使うロマニリョス式です。
   ヒール部についた後、右下画像
   のようにネック部を貼り付けます



4.表面板の製作
  
2枚の板を中心で接いだ後
  サウンドホールを飾る口輪
  を作ります。
  口輪を埋め込む、浅い凹み
  を作ります。

  
薄い板や寄木で模様を
  デザインし埋め込みます。

  
寄木の表面を均し、最終厚さ
  (2mm強)に削り、余分を切り
  取ります。

  

 表面板の製作(内側)
 
ギターの製作で最も重要と言われて
 いる力木・響棒を接着をします。
 作業は、型にほりこんである凹みに
 板を押し当て、凹みを写し取るように
 して パーツを接着します。
  (こ画像では横板との接着が終わっ
  ています。)

5.横板の製作
  
横板材を所定の厚さ(2mm強)
  に削り、胴の厚さに合わせ幅を
  決めます。
  熱を加えてギターの形状に
  曲げます。
  画像は、型に取り付け、ヒールを
  初め、各部の型との整合を見て
  います。

  ヒール部の拡大です。
  楔は仮のものです。

6.横板と表面板の接着
  
右は前に出た画像です。
  型に合わせておいて横板の
  上の端にライニングという細長
  い材を接着します。
  これで横板の形状が固定されます。


  その後、型から横板を外し
  表面板を置き、その上に
  先の横板を置きます。

  ペオネスという木片を使い
  表面板と横板を繫ぎます。 
 
・ Hollow Jigの製作
  
この製作で初めて使用したジグ
  を紹介します。
  画像は半径6000mmの球殻の
  一部を切り取ったものを凹みで
  作っています。サンドペーパーを
  貼ってあります。
  このジグの上で裏板を組み立て
  凹みを裏板に写し取ります。
  裏板ができた後ジグを先の
  画像のものの上に置き、ごりごり
  回転させて横板の端部を削ります。
  そして、裏板をかぶせると端部が
  ピッタリと合うというのが狙いです。
7.裏板と横板の接着
  
上のジグを使って裏板を作って
  おきます。
  6の画像の上にジグをのせて
  横板の端部を削り、接着面の
  カーブ削りだします。
  右の画像のフット部の傾き具合
  は、きれいに削れています。

・共鳴箱(ボディー)ができました。
 
この後周辺を加工して、横板、
 表面板、裏板の接合をより完全な
 ものにするバインディング、パーフ
 リングという細長いパーツを接着
 します。
 その後にネックを取り付けるのです
 が、雰囲気を見るためにネックを
 のせてみました。

 


8.ネック・指板の製作
  
ネックに指板を接着します。
  位置関係が、ギターの音程を
  決めますので、正確な作業が
  できるように位置決めピンを
  使っています。
  ネックをヒール部に取り付ける
  のも同様ですから、位置決め
  ピンを使いました。

 
9.フレット打ち
  
あらかじめ指板に正確な寸法
  で細い溝をきっておきます。
  そこに、フレットの細い部分を
  ハンマーで打ちこみます。
  12フレットから上は、ボディー
  の上になり内に支えがあり
  ません。そこをハンマーで叩
  くのは、精神的によくありません。
  今回は、13フレットから上は
  あらかじめフレットを打っておき、
  ました。

10.塗装
   
サンドペーパーで木地を整え、
   導管をパミスを使って埋めて
   塗装の下地を作ります。
   塗装は、虫の分泌物からとった
   セラックという物を、アルコールに
   とかしたニスを使います。
   タンポにこのニスつけ、ギターに
   塗っていく、フレンチポリッシュ
   という方法です。

11.仕上げ
   
塗装が終わると、指板を清掃し、
   オイルフィニッシュします。
   ヘッドにチューニングマシンを
   とりつけます。
   それから、ナットとサドルを作り
   ます。
   弾きやすさの要素の一つである
   弦高をここで調整します。

   ここで、ラベルを貼りました。

   最後に、弦を張って完成です

 


・最後に
 
スペイン式ネックで、RFタイプの
 製作を考え、試作1号機が完成し
 ました。
 この方式で、製作可能であることが
 実証できました。
 製作途上を省みて、改善すべきこと
 音を聞いてみての反省点など、課題
 がいろいろと出てきます。
 次作への糧としましょう。











RFタイプのその後
1.このギターは初めての製作であり
  製作技術の問題で、ボディー容量
  が、目標よりかなり小さくなってしま
  いました。
  また、表板を弦が斜めに引っ張ると
  いうことを意識しすぎ、表板を強固
  に しすぎたようです。
  音質は硬く、音量も少ないです。
  音の雰囲気は自分の普通のギター
  にはないものがあり、 RFタイプの
  ポテンシャルのようなものが感じら
  れます。
  再度トライする価値は十分ありそう
  です。

2.現代ギター誌(2010年1月号)に
  桜井ギターの記事が出ました。
  力木はフレタのギターによく似た
  ものです。
  同誌をお持ちの方はご参照くださ
  い。
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RF type ギターの製作

標準タイプのギターは、指板が表面板に接着されています。これに対して、RF type のギターは、胴の部分では指板がギターの表面板より高い位置に設置される構造になっています。 RFはRaised Fingerboard ということです。
その特徴は、弦振動のエネルギーがギター胴に効率よく伝達されるので、「良く鳴る」こと、また、12フレットより上のハイポジションが押弦しやすくなるなどの、効果があるとされています。
現代ギター紙の2007年1月号に、桜井正毅氏の作品が紹介されていますので、参照してください。
私は、この記事を参考にしてRF typeの製作にチャレンジしています。