慈光院@大和郡山市
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外出の途中、慈光院の看板が見え立ち寄りました。
パンフレットによると「慈光院は寛文三年(1663)当地の大吊であった片桐石見守貞昌(石州)が大徳寺百八十五世玉舟宗璠(大徹明應禅師)を開山に迎え、父貞隆(慈光院殿雪庭宗立居士)の菩提寺として自分の領地内に建立した臨済宗大徳寺派の寺院である。・・・《とあります。
重森三玲著の「枯山水《には「慈光院庭園の場合では、この築山が大刈込一式として表現されていることである。《、「慈光院庭園のごとく、全庭枯山水が、ただ刈込一式とされていることは、ほかにこの時代までの例を見ない。《と表現されており、この庭園の見所のひとつは大刈込にあるようです。
慈光院 山門までの延段
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慈光院 山門までの延段
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慈光院山門(茨木城楼門)前で
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この山門は石州の伯父が城主であった摂津茨木の楼門を貰い受け、移築し、茅葺仕立てに直したものであるとのことです。
書院へ続く霰雫しの延段
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慈光院に入るとやや左正面は寺務所で、右に行くと書院へと向かいます。書院への道は中ほどで2つに分かれているが、その間にあるのが臥龍ノ松(がりゅうのまつ)とのことです。あいにく書院への道は結界が置かれており、一般客は寺務所を経由してしか入ることはできません。
寺務所では拝観料として金1000円を払いますが、茶菓子付き抹茶の接待が書院で待っていることを思うと高くはありません。寺務所入り口の横のやや広い部屋には大太鼓を輪切りにした大火鉢が置かれています。火鉢の中では炭火が鉄瓶を暖めており、火鉢の横に座り今入ってきた山門や臥龍ノ松を眺めていると、受付にいたお姉さんが炭入れを下げてやって来ました。
火鉢にかかっている鉄瓶の話から、臥龍ノ松の話、大刈込の話などを火鉢に炭を足しながら話してくれました。
鉄瓶はさびてはいないがサビで腐り落ちたような今まで見た事も無いような姿をしています。姉さんの話で、このサビ落ちたような中に亀がいるといいます。なるほど、中には長さ1㎝ほどの亀がいるすてきな鉄瓶でした。
待合室の大火鉢
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待合室の鉄瓶
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臥龍ノ松(書院への延段途中にあり、龍が伏せているように見えます)
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書院玄関から茨木門を見る
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茶菓子
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手水鉢 「女ノ字《
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茶室(三畳)
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書院で庭の景色を見ながらお茶をたしなんだあと、まずは書院へ来るときに垣間見た本堂前の中庭を見に行きました。この庭についての説明は無く聞き漏らしましたが、本堂が昭和59年に建立とあるので、この庭もその折に整備されたものではないでしょうか。この庭も建物とマッチしてとても素敵でした。
中庭 (本堂側から書院方向を見る)
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中庭 (本堂側から書院方向を見る)
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中庭 (本堂側から書院方向を見る)
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中庭 (渡り廊下から寺務所方向を見る)
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中庭 (寺務所側から書院方向を見る
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土 塀
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しおり戸
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茶室の窓
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茶室(二畳台目)
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茶室
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茶室の中には入れません。部屋の外から覗きました。とても落ち着きそうで、よい感じです。ここでお茶をいただきたかった。
茶室を見た後、書院前の庭へ
手水鉢 「角バラズ《
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手水鉢 「独坐《
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手水鉢 「独坐《
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庭へ降りてみました
飛石 (石目を縦に横に。色違いの石もうまく使っています)
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書院縁側 (左の手水鉢は「角バラズ《です)
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慈光院のメインとなる庭はこの書院から見渡せる大刈込みのある庭です。庭は大刈込みが主人公で、添景として延段、飛石、手水鉢などがあるといった感じです。
書院から見える青垣の山を借景としたパノラマはとても素敵です。この庭は書院式庭園であり、建物から出て見てまわる回遊式ではなく座視観賞式と考えられるので、やはり書院から見る景色が一番です。
築山のように見える大刈り込み
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大刈り込み
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大刈り込みの中
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大刈込みの中は広々としています。刈込みは外からでは鋏が届かないので、中に脚立を立てて刈込むそうです。
慈光院 庭園から書院を見る
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書院から見た庭園の全景は『慈光院』ホームページのサイドメニュー、「境内点描《の「庭園《に掲載されている写真をご覧ください。
『慈光院のホームページ』へ
******************* ◆ おわりに ◆ *******************
書院前庭は奈良平野の田畑と山辺台地の青垣を借景として作られています。今では青垣はその姿をかろうじてとどめているものの、田畑は工場・人家・騒々しい道路に変わって風情が失われている面もあります。現在、書院東側蓮池のまわりに椊樹を行って景観の改善がされているとのことですが、更なる改善はこれらの木々の生長を待たねばならないとのことです。 撮影 2009.03