硝子 −anywhere−
居場所がなかった
何処にもなかった
学校に行けば
トモダチが居た
それなりに楽しそうに
笑っていられた
家に帰れば
カゾクが居た
馬鹿みたいに明るく
振舞ったりしていた
街に出れば
ニンゲンが居た
当たり前のことだけど
みんな他人だった
トモダチだって
どうせみんな他人で
10年 20年後には
もうみんな立派な他人で
昔 どんなに笑い合った相手でも
道ですれ違ったって分からない
そんな日がきっと来る
カゾクだって
同じ血が流れているかもしれないけど
ただそれだけで
結局は他人と一緒で
お互いの心の奥底なんて
見えるはずがない
見せられるはずもない
「人類みな兄弟」
もしそれでも
私はひとり
見つからないよ
本当の私
心の居場所