道
「 君の幸せが 僕の幸せ 」
そんな残酷なコト 僕は言えない
「 君はただ 僕について来ればいい 」
そんな間の抜けたコト 僕は言わない
幸せにしてもらおうなんて
そんな無気力なコト 思わないで
君は君の力で 幸せになれる
僕は僕の力で 幸せになる
君にとって 僕とはつまり
さびれた交差点の信号機
そんなちっぽけなモノであればいい
錆び付きながらもチカチカと
君の行く先で赤青黄
君はきっと良いコだから
横断歩道 手を上げ渡る
僕にとって 君とはつまり
その指先に 舞い降りた蝶
そんなささやかなモノであればいい
ひらりひらりと不安定な
君だからこそ 抱きしめたい
「 僕に空は飛べなくても 君は道を歩くんだろう 」
そんなぼやけたセリフをそっと
ポケットから取り出してみて
しばらくながめて やっぱり僕は
「 僕は そんな君が好きだな 」
笑うんだろう 底抜けに