『 風 』 生まれる
“ 風は生きるほど大きくなる
君が生まれ変わるたび 強くなるように ――― ・・・ ”
泣きながら生まれ堕ちたこの世界で
ずっと顔を隠し 生きてた
私はもう 私じゃない
私は何? 君は誰?
ふと 君は手を伸ばした
私の頬に 何かが触れた
私は 知らなかった
“ 温かい ” と感じることを
ふと 君は儚く微笑んだ
私の頬を 何かが伝った
私は 知っていた
動き始めた時の雫
―――― 「 やっと泣けたね 」 ――――
泣きながら生まれて
泣きながら生きて
朽ちる時もまた 泣きながら果ててゆくの?
―――― 「 私は ・・・・・・ 」 ――――
またひとつ霞んだ 君の姿
君は 死を恐れてはいない
だってこんなに 儚く微笑んで ・・・
・・・ 泣かなきゃいけないのは 君のほうだったよ
―――― 「 貴方に逢えて良かった 」 ――――
謝ることはしないね
何ひとつ 守ってあげられなかった私だけど
今はただ笑うよ
―――― 「 私は ・・・ 幸せだった 」 ――――
今はただ 笑っているよ
いつかまた めぐり逢える 『 明日 』 信じて
君と私が笑い合った日々に 意味がないのなら
私達は 最初から出逢いはしなかった
―――― 「 また、“ 明日 ” ・・・・・・ 」 ――――
そう言って瞳閉じた君
風は 静かだった
いつか必ず来るはずだった未来
人は皆平等に 永遠ではいられない
“ 明日が待ってる
だからもう振り向かないよ
でも決して忘れない
信じていよう また次の時代でも
貴方と私だけの
『 風 』 生まれる