病名がわかるまでの、不安な日々・・・・・PART 2


平成14年5月22日    MRCP検査を受ける

待ちに待ったMRCP.
造影剤なしで受ける事になっていたので、少しだけ安心していた。
MRI検査は、過去に2回受けた事がある。
太もも・・・の時は、50分くらいかかった。
大腿骨の時は、20分くらいだった。
今日はどうだろうか・・・・・??

MRCPは、MRIと同じ機械で受ける。ドームに入ると、ヘッドホーンを付けた。
クラシック音楽がかかっていたと思う。

3回目の経験とはいえ、さまざまな不安を抱えての検査だったし、
息を止めないといけない検査なので、ずいぶん緊張した。
20秒ほどの息止めは、慣れるまでは、難しく感じた。

口腔外科での薬・免疫調整剤を飲まないからか、お腹の調子は良好だった。
食欲はなかったが、下痢気味なのは治まっていた。


5月25日        弟の結婚式

大変めでたい日!遠くの親戚も集まり、本当ならば、ものすごく盛り上がる日!
ところが、食欲不振のため、ご馳走を前にして、食べられない状態。
顔で笑っていても、心の中は、病気への不安でいっぱい。


5月26日       食欲が戻り始める。

お腹の調子が安定したので、免疫調整剤を半分の量にして、飲み始める。
飲まないと、口内炎の状態を良くできないのだそうだ。


5月31日         MRCPの結果

残念な事に、膵管と胆管の合流部分は ピンボケで写っていなかったのだ・・・・・・。
胆管の太さは、3センチほど。(実際は5センチだという事が後でわかった)
やはり、本当に胆管は太かったのだ!ショックだった。
エコー検査での読み取り間違いを期待していただけに、あきらめの気持ちになってしまった。

睡眠不足で、太くなりますか?
ただ、太いだけの事ってありますか?
癌ではないですか?

今回は、聞きたいことは、しっかり聞いた。

Dr.の話では、私の質問のような事はありえない・・・・とのことだった。

あと残された検査は、ERCPだといわれた。
ERCP・・・・・・
知識だけはあった。すでに、本やネットで調べていたから。

MRCPの時と違って、詳しい検査方法の説明がなかったのが不思議だった。
MRCPの時は、MRIを2回も受けているという私に対して、ものすごく詳しい説明だったのに、
どうして、今回は、プリントを読んでおいて・・・だけなんだろうか???
不思議だったけれど、検査の予約を入れて、ひとまずは帰った。

帰宅後・・・・
プリントをよく見て、愕然とした。
こんな恐ろしい検査だったのか!?

普通は、入院して受ける検査を、日帰りで受ける。
偶発症の説明が詳しくて、死亡例まで載せてある。もちろん、承諾書付。
胃カメラも未経験の私が、胃よりも奥まで内視鏡を入れるなんて!!
造影剤も未経験なのに、膵臓と胆のう・胆管に造影剤を注入するなんて!!

はたして、この検査・・・・本当に受ける必要があるのかしら?
まさか、これで、命落としたりしないだろうね〜〜〜〜〜
・・・・・・ものすごく、不安になった。・・・・・・・


6月1日        セカンドオピニオン

個人病院の消化器内科に行ってみる。
ERCP検査を受ける必要性・・・・・・をきいてみた。
受けるべきだと、言われた。熟練医師ならば、危険なことはない・・・といわれた。
偶発症は、点滴でも、採血でも起こりうる・・・とのこと。もっともだけど・・・・。

この日から、眠れなくなってしまった。


6月4日       一睡もできずに朝になった・・・・・

こんなことって、あるんだ!一睡もできないまま朝になったなんて!
苦しかった。
どきどきしていて、眠れない。
途中、ダイニングへ行き、大好きな曲(image,葉加瀬太郎)をかけて、
椅子の上に横になり、目をとじた・・・・
そのまま、しっかり頭が冴えたまま、朝になってしまったのだ。

夫と子供たちを送り出し、私は、病院へ向かった。

睡眠薬を出してもらった。
Dr.は、そんなにいやなら、検査を延期しようか?と言ってくれたけど、
延期したら、眠れない日が延長するだけだから、受けます・・・・と答えた。

先生、癌ってことないでしょうか・・・・
と、また聞いてみる。
ぶるぶるぶる・・・・と、強く首を横に振って、”絶対ありえない!
もし、癌で胆管がこんなに太くなっているんだったら、もう、とっくに倒れていますよ。
ぼくは・・・先天性だと思うな。
膵管と胆管が生まれつき異常なつながりになっているんだと思うよ。
まあ、検査したらわかるから。”
と言われた。

先生、もしも、つながりが正しかったら・・・ほっておいても大丈夫ですか?

”まず、つながりは異常だと思うけど”

そんな話だけして、私は帰宅した。

一睡もしてない私は、ふらふらと 倒れそうな状態だったので、
消化器内科の受付で働いている知り合いの人が、心配してくれた。


6月7日        ERCP検査を受ける

9時に検査室に入る・・・・。
もう、どきどきの状態。

検査着を着て、ベッドに横たわる。
検査室は大きくて、壁の一面はガラス張り。
向こうに、緑色の服を着たDr.が2人いたように思う。
優しそうな看護士さんが検査室にいて、注射も打ったと思うし、
麻酔の飲み薬を飲ませてくれた。
のどの麻酔だ。
胃カメラの時と同じだと思う。
ただ、よりしっかりと麻酔をかけないとならないのか、ベッドで上を向いたまま、
本当に長い事、麻酔薬をのどに入れていた。

白い服の男性が途中入ってきて、また、出て行った。

しばらくして、その男性が、右手の甲に麻酔用の点滴針を刺した。
この人が検査をするDr.だとわかった。

そして、検査が始まった。
麻酔は、軽いもので、意識はある

最初にDr.に聞いた。”カメラを飲むこつを教えてください”と。
ただ、口をあけていたら入るよ・・・と言われ、不思議だった。

確かに、すっと入っていった。
胃カメラの苦しさを聞くことは多いが、私は全く平気だった。

看護士さんが、もう、胃まで入りましたよ・・・とか、今から造影剤が入ります・・・と教えてくれた。
造影剤が入ってから、指示通り、体の向きを変えた。
心配していたが、きちんと動かす事ができた。

カメラは口から出て行った。(ほっ)
その後も、しばらく、体の向きを変えてレントゲンを写していたと思う。

・・・・・・終わった・・・・・・大丈夫だった・・・・・よかった・・・・・

検査後は、点滴をしたままで、別室のベッドに寝かされた。
お腹の痛みがあった。
痛むのが普通らしいが、痛みがきつい場合は、膵炎の可能性が出てくるらしい。
そうか・・・まだ、完全に終わってないんだ・・・・
心配になってきたが、ここは病院だもの、何かあっても大丈夫だよ・・・
と自分に言い聞かせていた。

私がカメラを飲んでいたのは30分くらいだったと思う。
検査としては、早い方だと看護婦さんが言っていた。

夕方、まだ、腹痛はあったが、膵炎の心配がないということで、帰宅できた。

ただ、その日は、水分しか取れないので、義母が作ってくれたおもゆを食べた。

造影剤を入れたからか、胆のうの場所がちくちくと痛くて、どこに胆のうがあるのかわかった。
ただ、この日から・・・・また、下痢気味。


6月8日       長男の保護者会でした

検査翌日だったので、夫に送ってもらい参加した。
(朝、4時に腹痛で目が覚めた。下痢気味で、薬を飲んで出かけた。)


6月9日 以降

毎朝、4時になると、お腹が痛くなって目が覚める。
不思議なことに、必ず、午前4時なのだ。
これは、しばらく続いた。

さらに、麻酔の点滴をした部分が、とても、痛む。
かるく、トントンと触っただけで、ズキーンと痛い。

検査後から、胃がずっと痛い。常に、痛いのだった。

ただ、怖い検査が終わった安堵感から、夜は良く眠れるようになった。


6月14日      病名の確定

結果のわかるこの日を心待ちにしていた。
覚悟はできていたが、もしも、また、肝心な部分がピンボケだったら、
再検査なんてことになるのかしら・・・そうだったら、いやだな、と思っていた。
診察室に入ると、私のレントゲン写真が出ていた。

Dr.は、丁寧に教えてくれた。
私の胆管は、胆のうと同じほどの大きさになっていた!!
直径5センチのボール状だった。
5ミリが平均値だから、50ミリだなんて、大丈夫なのか?????

”手術になります”

もう、覚悟はしていたから、少しでも早い方がよかった。

膵管胆管合流異常を伴う先天性胆道拡張症
これが、病名。

    東洋の女性に多い。
    放置しておくと、若いうちに胆管、胆のう癌となり、命を落とす。
    かなりの高率で、癌になる。

 という病気らしい。

生まれた時から、胆管は膨らんでいたはず。
今まで、何も症状がなかったのだから、急にどうこうなる事はない
50,60才になると、癌化していく可能性が高い。
胆のう癌になって死ぬのは、この病気の10人のうち8人くら

・・・と言われたように思う・・・。

人間ドック以降、腹部や背中の痛みが続いており、進行し始めているのかもしれない・・・
と私自身は考えていて、
子供たちが夏休みに入ったら、入院したいと、希望を述べた。

とても、人気の高い病院なので、消化器内科の入院はいっぱいだった。
3ヶ月待つ人もいると聞いた。
とりあえず、希望を出して、申し込みを済ませた。


7月に入ってから・・・・

あいかわらず、不調だった。

検査後の、点滴針の後の痛みも、腹痛も、継続した胃痛も・・・ずっと続いていた。

手遅れになったら困る・・・という思いから、すぐにでも入院したかった。
一度、心配になって、病院に行った。

胆管が破裂する可能性を質問してみた。
Dr.は、まじめな顔で、首を横にしっかり振り続けて・・・・絶対無い!!胆管の破裂なんて、
聞いたことないから大丈夫!胆管は、硬いんです。破裂しません。
これは、生まれた時から膨らんでいたんだから。
最近になって、急に腫れたんではないですからね。


ほんとうに、まじめな先生だ。真剣に、答えてくれる。

40年間もなんともなかったのが、数ヶ月ほっといたからって、おかしくなる事はないよ。
癌にはなってないから大丈夫。

そういわれても、心配で、ただ、祈るだけの状態だった。

口腔外科には相変わらず通い、免疫調整剤の量を少し減らして飲み続けていた。
食欲不振から、体重は5キロほど減った。


7月24日        夫とCATS(劇団四季)を観に行く

不調ではあったが、胃の痛みは治まりつつあった。
ひょっとしたら、内視鏡で胃壁をこすった事で痛んだのではないかな?と、
素人ながら、考えたりもした。
ミュージカルのチケットは、ずいぶん前に購入してあったが、
入院前に観に行ける事になって、よかった。
子供たちは夏休みに入った。入院の連絡を待つ日々だった。


前のページ    次のページ