Flower Report


{8月の花} 南国風のテーブルフラワー

(2007年8月17日奈良新聞より転載)

 八月の半ばを過ぎてもまだまだ暑いこの時期はお花が長持ちしにくいですよね。少しでも長く花を楽しみたいときは南国原産の花を選ぶことをお勧めします。そこで今回はラン科のデンファレとオンシジウムを使って部屋を華やかに彩るテーブルフラワーをご紹介します。パーティーなどがある時には食卓の中央に飾るととっても素敵なテーブルデコレーションになりますよ。

 器はワイングラスと小さなグラスです。プリンやゼリーの器を洗って再利用してもいいでしょう。お気に入りのもので汚したくないときはプラスチックの使い捨てのコップをサイズに合わせて小さくカットし、それぞれのグラスに入れて下さい。また生花用のスポンジをセロファンで包んで入れてもいいでしょう。ここでは清涼感を出すために水だけを入れています。

 デンファレは南太平洋のモチール諸島原産で今ではタイやシンガポールから大量に輸入されており、ラン科の中では価格も手頃できわめてポピュラーな花です。5〜6cmの花が茎一本につき10数輪ついているので2〜3輪ずつ分けて使います。短く使うので器に花留めがなくても自然に留まります。
 オンシジウムは熱帯〜亜熱帯アメリカ原産でこれも一本に小さな黄色い花が多数ついています。デンファレよりもラインが細く軽やかな印象なので少し長めに使って線的な要素を強調し動きを出しましょう。
 写真のように高低差のある器を2個置いたときは、オンシジウムのラインが高い器から低い器へ流れ出るような印象にするとまとまりのあるアレンジになります。
 この2種のランの空間にオレンジ色のスプレーカーネーションを数輪入れてさらに立体感を出しましょう。

 器の下に敷いている葉はモンステラとポトスです。モンステラは熱帯アメリカ原産でサトイモ科の植物です。肉厚で水分を多く含み丈夫なので2〜3日はそのままでも大丈夫です。葉を下に敷くことで南国のイメージが一層増します。他の葉ではタニワタリやハラン、観葉植物の大きな葉などを使ってもいいでしょう。
 そのような葉がない場合でもランチョンマットやコースターなどを取り合わせてみてください。使用した花と同じ色が入ったものを選ぶことがポイントです。またこの季節でしたら蔓等で編んだ自然素材のものも合うでしょう。
 最後にワイングラスの足元に貝殻を置き、楽しかった夏の思い出の象徴としています。


{使用花材} デンファレ(白)、オンシジウム(黄)、スプレーカーネーション(オレンジ色)、モンステラ、ポトス


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