Flower Report


{11月の花}蔓を使った秋色のアレンジメント 
(2007年11月16日奈良新聞より転載)

今回は蔓を使ったアレンジメントをご紹介します。軽やかな曲線が特徴の蔓と赤い花を合わせて秋色のアレンジメントを作りましょう。

作品では赤茶色の紅づるを使用しています。葉も実もついていないドライの状態の蔓で、花屋さんで購入することができます。

まずは紅づるを器に合わせて丸いリース状に絡めていきます。器は直径35センチメートルの水盤を用いています。浅く水が張れるものであれば使わなくなった食器や鉢底など身近にあるものでも構いません。紅づるが硬くて曲げにくい場合は一晩水につけておくと曲げやすくなります。数本の紅づるを円になるように絡めていき、何箇所か細いワイヤーか紐で目立たないように留めつけます。今回は空間が見えるように緩やかに絡めています。こうすることで一本一本の紅づるの動きがおもしろい曲線を描き、水面の見える軽やかな印象になります。出来上がったリース状の紅づるを器の上に置きます。

 花留めにはプラスチックの剣山を大、中、小と三つ用いています。この剣山はとても軽いのですが後ろに吸盤がついており、つやのある器にはしっかり固定できます。そのため器を傷着けることがありません。しかも透明なので目立たず今回のような曲線を生かしたアレンジメントには使いやすいと思います。この剣山がない場合は従来の小さめの剣山かオアシスでも構いません。また 軽い花であれば蔓の絡まった部分を花留めとして利用することもできます。

 花は燃えるような紅葉を思わせる赤い色のグロリオーサをメインに淡く黄色いコスモスを取り合わせました。また秋の実りとしてサンキライの赤い実を全体に散らしています。葉物にはグレーの丸い葉がかわいく、実の付いたユーカリポポラスを合わせました。リースに沿うように花たちが踊っているような楽しい雰囲気のアレンジメントに仕上げましょう。

 紅づるとサンキライの実はドライですので花を変えれば長期間楽しむことができます。クリスマスシーズンにも十分楽しめますのでぜひ挑戦してみてください。紅づるの他にはツルウメモドキやキウイの蔓などでも作ることができます。蔓の個性によって作品の雰囲気も変わりますのでいろいろと工夫してみるとおもしろいですね。

(使用花材) 紅づる、グロリオーサ(赤)、コスモス(黄)、サンキライの実、ユーカリポポラス

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