Flower Report



{3月の花}花の絵皿
(2009年3月19日 奈良新聞より転載)

 春到来。花屋さんには色とりどりの花が出回っています。今回は春のカラフルな花を取り合わせて真っ白な器に飾り生け、絵皿のように仕上げてみました。少し低いところに飾って上から眺めると楽しいアレンジメントです。また器の大きさ、形などを変えれば特別な日に食卓を彩る演出にもなります。

 器は浅い陶器の水盤を使っています。身近にある無地の食器を利用してもいいでしょう。花留めにはプラスチック製で透明の小さな剣山を三つ用いています。この剣山には裏に吸盤がついており器に固定することができます。花を生けても目立たないのでとても便利です。

 花を生けていきましょう。構成としては花のリース(輪)を作るように低く生けていきます。まずコデマリを器の周囲に沿うように丸く動きを出しながら入れます。コデマリは白い小花がかわいい枝物です。自然なカーブを生かして入れていきますが花の向きに注意しましょう。一定の方向を決めて生けていくと花の動きが生き生きと見えます。今回は時計回りに花を生けていきましたがコデマリの向きによっては逆にしてもいいでしょう。

 次に今回のメーンの花材であるガーベラを入れます。パステル調のかわいらしいピンク色のものを選びました。三輪を不等辺三角形になるように配置しリズム感を出します。そして濃淡の美しい紫色のスイートピーをガーベラの周囲からコデマリのラインに沿って入れます。スイートピーの茎は中が空洞になっていますのでカーブを付けるために茎の中に24番のワイヤーを入れて矯めています。ピンク色と紫色のコントラストを楽しみましょう。最後に赤いイチゴ草をアクセントに入れて完成です。

 白い器をキャンバスに見立てて花を生けるので花色は華やかなものを選ぶといいでしょう。まず一番好きな色を選び、同系色でまとめ、コントラストを高める配色を少し取り入れるのがポイントです。メーンの花はガーベラを用いましたがカーネーションでもバラでも合います。それに流れる線的な要素の花材を合わせてみましょう。花の量は少なくてすみますので気軽に楽しめるアレンジメントです。
 ぜひ好きな花を取り合わせて自分だけの花の絵皿を作ってみましょう。

(使用花材)ガーベラ(ピンク)、コデマリ、スイートピー(紫)、イチゴ草(赤)

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