21世紀に間に合いました!
〜オーストラリア“
珍”婚旅行記〜



第2話

まずは、旅行前・・・

新婚旅行を決めたのは、7月の30日。式場であるホテル阪急インターナショナル(梅田)のブライダルフェアの日だった。私たちは今日1日で、今の段階で決められるほとんどすべてのことを決めてしまおうともくろんでいた。めんどくさがりなのだ。実際、普通のカップルが時間に時間をかけて吟味するドレス類も、うちの嫁さんは試着一発で決めてしまった。

「お、おじょうさま、本当にこれでよろしいのですか?」

と、担当の人がうろたえたほどだ。(正直、私も驚いたが・・・。淳子さん恐るべし・・・。)
 そうして、いざ旅行を決めようと、ハネムーンのコーナーへ向かった。

 旅行には、ちょっとこだわりがあった。行きたいところがあったのだ。まだ、海外旅行経験が1回、それも職員旅行で行ったシンガポールのみという、海外ド素人の私であったが、それでも夢はあった。「北欧へオーロラを観にいく」というものだ。だから、本当は新婚旅行も来年の夏休みでよかったと思っていた。淳子さんもそのつもりでいた。しかし、いろいろな人から、
「やっぱり新婚旅行は早めに行っといた方がよくない?」
と諭され、じゃあ冬休みに行くかとなったのだった。

 しかし、旅行が冬休みとなれば、さすがに北欧には行けない。寒すぎる。真冬に北海道の富良野・美瑛の丘へ行くようなものだ。真っ白で何にもないからねぇ。そこで、じゃあどこに行こうと考えた時に、「ハワイ」か「オーストラリア」という、まさにコテコテのハネムーン路線しか思いつかなかったのだ。

 北欧がボツになった今、正直行き先に対する興味はほとんど無くなっていた。(まあ、この2つのうちどちらかと言われれば、南半球かなあ・・・。)と思い、行き先はオーストラリアに決定した。

 国は決まった。しかし、滞在日程及び滞在先を考えなくてはならない。パンフレットを見ながらいろいろ考えた。
(あ、エアーズロックはよさそうだ。これはまさに大自然や。)
と思ったものの、そこへ行くには日程が足りない。冬休み入ってすぐから行って、年末30日までに帰ってくるつもりだったが、
嫁さんの友人の結婚式2次会が24日夜に入っており、出発25日で30日帰国の日程しか取れなかったからだ。

 北欧もダメ、エアーズロックもダメ。となれば・・・。

「・・・じゃあ、シドニーとケアンズいいです。」

と、消極的な決定になったのは言うまでもない。その後、旅行までにオーストラリア情報を集めて、行くところを考えたかったのだが、成績付けの忙しさに加え、ウイルス対策にてんてこ舞いで、それどころではなかった―――。



・・・つづく・・・