21世紀に間に合いました!
〜オーストラリア“
珍”婚旅行記〜



第5話

27日 〜「晴れのち雨?」ケアンズ2日目〜

 今日は朝からグレートバリアリーフクルーズだ。いよいよ泳ぐぞ!冬休みに泳ぐなんて、なんとも不思議な気分。しかも、きれいな南の海だ。楽しみで仕方なかった。

 ケアンズ港を出て、まずクルーザーが向かったのは、フィッツロイ島。約1時間で到着した。ここが最終目的地ではないのだが、いったん下船してシュノーケリングの簡単な講習を受けた。海岸は砂浜でなく、硬い棒状のサンゴの死骸(といっても気色悪いものではない)だらけで一面真っ白だった。

 島を出て再び1時間ほどで、最終目的地に到着。そこは海のど真ん中。浮島だった。その浮島に舟を停泊させておいて、各々自由に海に入り、シュノーケリングでサンゴ礁の鑑賞をするのだった。

 そりゃもう、最高ですわ。私は個人的にはあまり泳ぎが得意ではないので、海水浴とかに行っても、ちょっとしか泳がないのだが、この日は違った。ただひたすら泳ぎまくった。初めて直接観るサンゴ礁は、あまりにもきれいだった。

 嫁さんはちょっと船酔いしたのか、昼も食べずにぐったりとしていたが、泳ぎ始めてからはみるみる元気になっていた。二人とも大満足のクルーズだった。

 ケアンズ港にもどり、夕食の店へ行く前に、二人でケアンズの町を散策した。もう今夜がケアンズでの最後の夜なのだ。しかも明日の朝はなんと4時過ぎ集合。だから3時半起き。明るいうちに町の様子を眺められるのもこれが最後というわけだ。

 いろいろ店を眺めたり、通りを通ったりしながら、スーパーマーケットに入った。ここで事件が起こった。

 おみやげを買って、そろそろ時間だから夕食の店に行こうと嫁さんに言った直後、ふと見るともう彼女の姿がない。不安になって探してみると、違う売り場に行っていた。

「どっか行くんやったら、一声かけてから行ってや。」

 たいしたことないといえば、たいしたことないのだが、私自身結構こういうことですぐに不安になるし、ましてやここは海外なので余計に神経を使っていた。以前にも同じような事があったので今回で2回目だ。その分言い方もきつくなった。しかし、言われた彼女は平然としている。その態度にどうも納得がいかなかった。

 せっかくの新婚旅行なんだからと自分に言い聞かせてもすっきりせず、結局夕食の席で思いをぶちまけることになった。その結果この日の夕食は、なんとも重苦しいものになった。が、話をしたことで、とりあえずすっきりはしたので後半はまずまずの雰囲気で食べることができた。メニューも「ワニ」「カンガルー」「エミュ」「水牛」の肉や、大きさと厚さが黒板消し半分ぐらいのステーキなど、話題性あふれるものだったので、それにも救われた。

 その日の夜、ベッドに入った後も、この事について話をした。今度は嫁さんが自分の思いを語っていた。なんだかいろいろ考えさせられたし、翌朝めちゃくちゃ早起きしなければならないこともあって、その夜はそのまま眠りについた。



・・・つづく・・・