歌は世につれ…
〜28年間のマイブーム・ヒストリー〜



第6話

☆大学卒業〜現在

 社会人となり、「暇はあるけど金はない生活」から「金はあるけど暇はない生活」になった。しかしながら最初の2年間(御所市勤務時代)は、夏休み後の9月には「給料日10日前で所持金残り1000円(貯金3ケタ)」といった、これで社会人なんだろうかという生活をしていたため、CDプレーヤーはまたしても買えずじまい。したがって、聴きたいCDは妹か彼女にダビングしてもらい、すぐに聴きたい場合は学校で聴いていた。今年の運動会の組体操で使った曲「J'S THEME」が世に出たのもこの頃だ。(ちょうどJリーグが開幕した年だからね)

 この頃ブレイクしてきたのはミスターチルドレン。卒業式の歌として、1年目2年目とも選ばれた。1年目は「CROSS ROAD」、2年目は「星になれたら」。どちらも名曲だ。特に「星に〜」は、自分の2年間担任した子たちの卒業曲だったので、今でも深く心に残っている。サビの歌詞が、

  さようなら 会えなくなるけど
  さみしくなんかないよ
  そのうちきっと 大きな声で
  笑える日が来るから
  動き出した 僕の夢 高い山越えて
  星になれたらいいな

というもので、式の時は、歌いながらこみあげてくる涙をぐっとこらえていた。また、卒業演奏という卒業生全員での合奏もあったのだが、その曲は同じくミスチルの「Tomorrow never knows」だった。この曲の歌詞も大好きで、サビの所の、

  少しぐらい はみだしたっていいさ 夢を描こう

という部分は、卒業文集の寄せ書きに使ったぐらいだ。

 これをきっかけに私はミスチルにはまり、カラオケでもよく歌うようになった。他にもいい歌はたくさんやね。大好きな他の曲は、「車の中でかくれてキスをしよう」「雨のち晴れ」「everybody goes −秩序のない現代にドロップキック−」、そしてちょっとマイナーだが、「Innocent World」のカップリング曲「my confidence song」。ほんま一度聴いてみてちょうだい。いい曲やから。

 社会人3年目からは下北山に来た。転勤の際もらった餞別がかなりの額だったので、(何か形として残るものを買おう)と心に決め、実に6年ぶりのCD再生用具「CDラジカセ」を購入することとなったのである。その後4年ほどの間に、今までの分を取り戻すかのごとく爆発的にCDが増えていった。現在では100枚を超えている。

 カラオケにもCDの波は押し寄せてきた。ある時、野村君と奈良市内のカラオケ店「ビッグエコー」に行くと、入った部屋にCD録音できる機械があった。これは取っとかなあかん!と2000円で1枚CDを作った。その時、満を持して録音したのが「アメリカンフィーリング」「あずさ2号」「さよなら」「また会う日まで」、そして「ハクション大魔王」である。この後、毎年夏の旅行前にはCDを作って、それを旅行先で聴くという習慣が出来上がるのである。2年目の代表作は「コスモス街道」シャネルズ「街角トワイライト」、3年目は北海道、しかも礼文島へ行くということで、水谷豊「やさしさ紙芝居」

  ビー玉 ベー駒
  風船ガムにニッキと
  めんことおはじきと
  あっ そうそう竹とんぼ
  やったわやった なっつかしいなあ

というような語りから始まる、ドラマ「熱中時代」の主題歌だ。(水谷豊扮する北野広大先生は礼文島出身だった)そして今年度は北海道道東シリーズということで、森進一「襟裳岬」加藤登紀子「知床旅情」がメインの曲となった。

 下北山に来てから気になるバンドが現れた。ウルフルズである。「ガッツだぜ!!」で人気が出てきた彼らは大阪出身。ソウルフルなロックをぶちかますいい奴らだ。同じ大阪出身のきどったシャ乱Qとはえらい違いだ。(シャ乱Qは嫌い。「たいせー」は高校の1つ上の先輩やけど…)何度か聴いてCDを買ううちに、すっかりカラオケのレパートリーに入った。職員旅行の時のカラオケ大会で歌った「バンザイ〜好きでよかった〜」をはじめ、「大阪ストラット」「それが答えだ!」「まかせなさい」など、私が歌っているのを聴いたことある人も多いはずだ。しょっちゅう歌っているせいで、「他の人の歌を歌ってもウルフルズに聞こえる。」と、うちのバンドメンバーに言われたりもした。とりあえず新しいアルバムが出るとCDを買ってチェックしている。

 さらにまた、下北山に来てからよく聴くようになったアーティストがいる。槇原敬之だ。「どんなときも」の頃から知ってはいたのだが、じっくり聴いてはいなかった。なのに、なぜ今頃になって聴くようになったかというと…あることがあったからだ。高校の時はオフコース、そして今回槇原というわけだ。ちょうどベストアルバムが立て続けにリリースされたので、昔懐かしい曲から最近の曲まで聴くことができた。心にしみるいい曲ばかり。泣きそうなほどだ。最近のシングルの中では、「まだ生きてるよ」「どうしようもない僕に天使が降りてきた」「モンタージュ」「足音」といった曲がカラオケレパートリーに入っているが、「もう恋なんてしない」「彼女の恋人」なんかもよく歌う好きな曲だ。とにかく歌詞がいい。

  遠く遠く離れていても 僕のことがわかるように
  力いっぱい輝ける日を この街で迎えたい
  僕の夢をかなえる場所は この街と決めたから

で終わる「遠く遠く」は、大阪から奈良に来た私にとっては共感できる歌で、これまた大好きな曲だ。他にも、歌ったことはないけど「MILK」「ズル休み」もいいなあ。「うん」という曲は結婚式で嫁さんに捧げたいような歌やし、とにかく最高ですわ。

 最後にB'zのことを書いておこう。実は今回のライブで歌ったのはこのB'zの曲。いろいろあるB'zの曲の中で私が歌う曲に選んだのは「BIG」という曲。けっこう自分自身の生活に迫る歌詞なので、1番を全部紹介しておこう。(→マークのついているところ要チェック)

 →勢いだけで何週間も 乗りきりゃ疲れもちょっと溜まる
  毎晩満員の街で唄う この胸の中に何がある

  ジョッキ片手に騒ぐカウンターのおじさん
  何だか知らないけども「百万賭けるぜ。」と息巻いた

 →休みになりゃ暇だし 仕事は暇なし
  ほらまたマスターとママが喧嘩を始めるよ

 →こんなことでこんなとこで 俺は悩んでる場合じゃない
 →もっとビッグにならなきゃ いけない男だから俺は

ほんま、ビッグにならなあきまへんわ。



・・・つづく・・・