休日はバイクに乗って・・・
〜普通二輪免許取得奮戦記〜



第7話



【そしてライダーへ】


 免許をとった後、さっそく例の二人に報告した。二人とも、とても喜んでくれていた。がんばったかいがあったなあと自分でも思った。その後、二人がよく行っている桜井のバイク屋で中古のバイクを探してもらうように、たっつんが連絡してくれた。そしてしばらくして池ちゃんが、

「ええのあったで。見ておいでや。」

と教えてくれた。

 10月19日、3人でバイクを見に行った。そのバイクは一目で私が気に入るものだった。ヤマハヴィラーゴ(250cc)。その場で決めた。そしてカルディナのローンは4月まで引き伸ばされた。

 10月25日。受け取りの日。同僚ののり子さんに桜井まで送ってもらい、ヴィラーゴにまたがる。エンジンの音もいい。運転はぎこちなかったが、桜井〜奈良〜天理と走った。天理のファミレスで池ちゃんに連絡すると、バイクでこちらへ来ることになり合流した。

 池ちゃんのバイクはたっつんと一緒(スティード)だが、ハンドルがチョッパー(カマキリの手みたいなやつ)なのでかなりイカツイ。サングラスもしているのでなおさらだ。並んで走っていると、信号待ちでこう言われた。

「たかはし君、アメリカンは足を開いて乗らな。」

ニーグリップ(ひざでタンクをしめる乗り方)を試験場でたたき込まれた私は、すぐにはできなかったが、言いつけを守るべくその後は努力している。

 次の日、下北山に帰る時には、池ちゃんが車でついてきてくれた。やっぱりいい人だ。バイクから見る伯母峰の景色は何ともいえないほどすばらしかった。


 それからしばらくは、バイクにばかり乗っていた。「石や塔」に行ったり、通勤に使ったり。しかし、冬を前にバイクを大阪へ置きに行った。冬休みに乗り回したいからである。そして正月は、バイクで奈良往復もした。そのためにバーゲンでブーツを買ったり、革ジャンを買ったりしていた。とりあえず形から入っている。

 今はまだ大阪に置きっぱなしである。妹に、「週に一度エンジンをかけておくこと」という指令を出して。


*    *    *


 早く春が来ないかなあと思うことなんて、ここ数年なかったように思います。でも、今はそう思っています。今年はバイクでいろんな所に行きたいです。夏のツーリングも楽しみです。どうせなら、後ろにかわいい女の子でも乗せて走ってみたいですね。(でも1年経たないと二人乗りはできないのだ。)

 バイクの免許を取ったことで、たっつんと池ちゃんの言ってくる言葉が変わりました。最近は、

「たかはし君、たばこ吸わな。」

です。うーん、それはごかんべんを。



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