北海道
〜Lonely Tour '96〜



第2話



第2章 「紆余曲折」


 そうと決まれば早速切符の手配。あまり日が残されていない。明日にも予約だ!と思っているところに、1本の電話が鳴った。高校時代の同級生の女の子からだ。

 「9月の連休に、うちの会社の女の子らと遊びに行かへん?はっさん(=私のこと)は男の子を集めてよ。」

 要するに合コンである。せっかく盛り上がっていた旅の計画ではあったが、「遠くのきれいな女性より、目先の合コン」というわけで、9月の連休はアウトドア企画に替わってしまった。

 こうして楽しい連休を過ごしたものの、どうしても旅へのあこがれは捨てきれず、なんとかして計画しようと、カレンダーを見る日が続いた。そして・・・

 《11月2日は土曜日か。この日が休みなら3連休になって9月と同じスケジュール組めるなあ。
  うん、それしかないな。》

 というわけで、申し訳ないと思いつつ、年休作戦をとることにした。

 ここまで来れば、後は時刻表とにらめっこしながら、プランを立てていけばいい。宿は着いてから行き当たりばったりでもいいとして、往復の切符だけは手配する必要があった。あれこれ考えて、行きは「日本海」帰りは「JAL」を使うことにした。しかし・・・

 《日本海1号は函館行きで、3号は青森までか。北海道でゆっくりしようと思ったら1号やな。
  あっ、でも京都駅18時20分発か。これじゃあ子どもたちを帰してから行ったら間に合わんぞ。うーん。》

 結局あきらめて、3号でのスケジュールを考えようと時刻表を見ていて、ふと、あることに気がついた。

 《スーパー雷鳥41号は、京都19時9分発。でも、金沢には日本海1号よりも7分先に着いてる!
  ということは、これで追いかければ日本海1号に乗れるぞ!》

 まさに西村京太郎の時刻表トリック!よく調べてみると、加賀温泉駅でつかまえられることが分かった。(2分の連絡)そこでプランは決まった。

 【行き】11月1日(金)
   京都19時9分発・・・(スーパー雷鳥41号)・・・加賀温泉20時58分着
   加賀温泉21時発・・・(日本海1号)・・・函館翌日11時15分着

 【帰り】11月4日(月:振替休日)
   新千歳空港16時55分発・・・(JAL876便)・・・関西空港19時着



 運動会も終わった9月の末、いよいよ手配にかかる。職員旅行でおなじみの全国観光社に電話して、後は切符が取れるのを待つだけ…が、なんと、返ってきた返事は、

 「日本海1号とJAL876便はキャンセル待ちです。」

という、ショックなものだった。

 《ああ、やっぱりダメなのか・・・。》

 あきらめきれない日々を過ごし、年休届も出そうかどうしようか迷っていた10月の20日過ぎ、全ての切符が取れたとの連絡が入った。

 「よっしゃあ、これで完璧やー。」

 その後10日ほどを、ニタニタしながら過ごしたのは言うまでもない。(でも、仕事もちゃんとしましたよ。遠足もあったし、文化展の作品搬入もあったし。)




・・・つづく・・・