北海道
〜Lonely Tour '96〜



第5話



第5章 「北へ」


 翌朝7時頃、目が覚めた。体調はあいかわらず。のどが痛い。顔を洗ってボーッとしていると、弘前に着いた。ずいぶん遠くまで来たんやなあ。しみじみと思った。

 8時30分青森到着。ここで機関車を取り替え、進行方向が変わる。そのため17分停車。ホームで「まいたけうどん」を食べ、列車小僧となって写真を撮りまくる。今頃学校は始まってるなあ。とりあえず、下北山の方を見てみる。

 青森を出ると、私の寝ていたブロックの他の人は誰もいない。一人になり、ベッドを座席に直して座った。車窓の風景はすっかり秋深しの様相だった。次第に本州があとわずかになる。北海道はもうすぐだ。

 青函トンネルに入った。9時37分。あたりまえだけど、ずっと真っ暗。写真を撮ろうとするが、フラッシュが光って車外は撮れない。なんとかして、トンネルにいることを証明するために、紙に「青函トンネル通過中」と書いて、それを手に持ってリモコンで写真を撮る。考えてみれば、かなりマヌケである。結局トンネルを出たのは10時16分。なんと39分間入りっぱなしだった。

 ついに北海道上陸。最初の停車駅は「木古内」。下北山を出て、すでに19時間以上が経っていた。本州からさらに季節が進んで、晩秋の雰囲気も漂う景色の中、とうとう終着駅函館に到着。午前11時15分だった。




・・・つづく・・・