![]() |
長春よりさらに列車で北へ3時間。体の芯まで凍るハルピンで見た景色は…!オンナ2人で一泊二日の小旅行。 朝5時に起床。大連からの寝台で6時半に到着するK嬢を長春駅で待ち、一緒に駅の近くで朝食を取る。ハルピン行きの列車は8:18発だ。 実は列車に乗るのは今回が初めてだ。だからワクワクしながら乗り込む。思ったよりもきれいだ。しかし…、懸念していた通り、わたしの席には誰かが座っている。中国では「指定席はあってなきがごとし」と聞いていた。ひどい時は「そこはわたしの席だ!」と言っても、聞こえない振りをして席に座ったままの人もいるとか…(本当かどうかは?)。だけど、その人は席を立ってくれた(当たり前だっ!)。約3時間北上して、目的地ハルピンに到着した。駅に降り立つと、…やはり寒い。長春とは違う。手袋を外していたら、あっという間に手先がしびれてくる。あぶない、あぶない。 駅での最初の大仕事は、帰りの切符を買うこと。かなりの人が切符売り場に並んでいる。油断していると、あっという間に割り込みされてしまいそうだ。切符売りは、愛想の悪そうな女の人だったので、一発目に「ニイハオ!(わたしは外国人だよ、にっこり!攻撃)」と言ってから、翌日の切符を求める。案外すんなりと買えたので、まずは一安心だ。 駅を出たところで、すんごい数のおっちゃん達が勧誘して来た。「どこに行くんだ?」「どこに行くんだ?」。そんな彼らを振り切り、タクシーで「中大大酒店」というホテルへ向かう。長春のKちゃん達が数日前に泊まったホテルだ。飛び込みだったけど部屋はすんなり取れたし、値段の割りにはまぁまぁきれいだ。しかし、熱湯ではなくぬる〜いお湯が入っていたポット。やはりいただけない部分はある。
ロシア人と思しき人々も食べに来ている。周りで中国語が飛び交わなかったら、本当に異国だ。ロシアってこういう感じなのかしら? メニューを見て、ピロシキ、クリームスープ、ロールキャベツ、そして食後のホットチョコを注文。ところが…。いきなり運ばれてきたのは”ホットチョコ”。あれ?何で?注文の仕方が悪かった? …かな〜りショックだった。だって、ホットチョコはやっぱ食後でしょう? しかし気弱な私達は文句も言えず、そのまま料理を待つ。料理は全体的に薄味だったが、ホンモノの洋食だ〜!って感じでうれしかった。それにしてもピロシキにお米が入ってたのは意外だった。本場はこうなのか???
翌朝ホテルで軽く食事をした後、『731部隊遺跡』を見に行く。タクシーで55元もかかる程、中心地からは離れた場所にあった。日本軍が証拠隠滅のために施設や資料をほどんど破壊してしまったということで、展示されている資料は少なかった。実際に731部隊に何らかの関連を持っていた、今はもう年老いた人々の証言が一番の資料なのだろう。 中国語の説明を読んでいてずっと気になっていた、ちょくちょく目にする”馬路大”という字が”マルタ”のことだと気付いた時は、高校の時に読んだ731部隊に関する本の、今はもう埋もれていた記憶が突然甦ってきた。思いがけないことだったので正直驚いたし、また悲しくもなった。人間扱いをされていなかった中国やロシアの人々。戦争に関して日本の教科書に記述されている事実はあまりに少ない。 帰りはバスを利用したのだが、タクシーとはかけ離れた1.5元というあまりの安さにびっくりした。時間はタクシーの約3倍の1時間少しかかったけど。 バスの中で、体がかなり冷えてしまった。乗り物に乗っていてもあれだけ冷えるのだ。恐るべしハルピン!凍った体を解凍すべく、ハルピン駅の近くで灌灌面なる代物を食べた。アツアツのニュー麺のような食べ物で、思った通り体が温まって生き返る。 さて、体も解凍されたし、これから何をしようか? 列車までの時間とも相談した結果、松花江の辺りに行って時間を潰すことに決めた。タクシーに乗り、行き先を告げたんだけど…。 あれ?今、一体どこに向かっているの?もう松花江には着いてるんだけど、何かおかしくない?
1時間ぐらい巨大氷灯会場を堪能した後、ハルピン駅に戻った。これでハルピンともお別れだ。 短い旅だったけど、初めての列車も体験できたし楽しかった。帰りの列車は、行きの列車よりもきれいだったし、掃除も行き届いていた。中国のサービスも変わりつつある。今は過渡期なのだろう。 |