Top読んだ本>[映]アムリタ/野崎まど
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Title: [映]アムリタ/野崎 まど
Genre: 読んだ本->ラノベ・ファンタジー
Date: 2010/05/16
Option: ★★★☆☆ 誰でもオススメ度
★★★★☆ こういうの好きな人へのオススメ度

[映]アムリタ/野崎 まど
内容(「BOOK」データベースより)
自主制作映画に参加することになった芸大生の二見遭一。その映画は天才と噂されるつかみどころのない性格の女性、最原最早の監督作品だった。最初はその天才という呼び名に半信半疑だったものの、二見は彼女のコンテを読み始めた直後にその魅力にとりつかれ、なんと二日以上もの間読み続けてしまう。彼女が撮る映画、そして彼女自身への興味が二見を撮影へのめりこませていく。そしてついに映画は完成するのだが―。第16回電撃小説大賞“メディアワークス文庫賞”受賞作。

 ヒロインの、人を食った性格は大好きです。

 朝、裸エプロンで包丁の音を鳴らしてたあたりとか特に。
 出てきたのがトーストで、包丁の音はまな板を叩いてただけっていう。

 主人公のツッコミ体質は作中では褒められてますが、
 あまり良いものには思えませんでした。

 天才を描いた小説、とおもわれがちですが、それは嘘。
 天才っぽい変人を描いた小説、が正しいと思います。
 ホラーだと思われてますがそれも嘘。
 主人公がホラーな落ちだと思ってるだけ
 これは読んでる人の解釈にもよりますけどね(※)。

※ネタバレ感想(反転)
主人公は自分の人格が殺された、と誤解しているが、

殺した人はベースとなった人格を収集するための
時間的余裕が絶対的に足りなかった。

10%の情報で上書きできるのは当然10%。
つまり主人公は実は強制的に少し性格を変えられただけ。

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人格を収集するための時間的余裕がなかった、と書いたが、
もし仮に収集出来ていたと仮定した場合。
仮に短い時間で100%人格を把握できるほどの天才なら、
人格を上書きするまでもなく、主人公がどういうリアクションを
するかも把握できてしまうので、上書きしようとする行為自体が
発生していない。つまり殺されていたという言葉自体が嘘になる。

その場合、主人公の人格は何一つ変えられていない。


 全体を見れば、文章、ストーリーテリング共に優れていて
 読みやすい小説でした。天才的な変人を描いた小説、
 だと思って読める人へのお勧め度は高いです。


 個人的な愚痴なんですが最後の落ちは、
 作品の品質を下げない蛇足だと思いました。

 まぁ賞を取るためにはあったほうがいいんだと思いますが、
 個人的にはないほうが好みですね。すみません、好みの問題ですね。



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