Top一般ログ>02年06月
∧  ∧ .
ヾ(=w=;)
Counter:
URL:http://web1.kcn.jp/hal/
更新リスト
2002/06/13 模倣
2002/06/29 ある夏の日の出来事(SS)
Title: 模倣
Genre: 今日の一言
Date: 2002/06/13
Option:

 というわけでこんばんは、咲村です!
 早速、今日の本題に入りましょう!(テンション高っ

 えー、みなさん、模倣という技術をご存知でしょうか。
 模倣。
 ……愚問でしたね。

 当然知っておられる事だと思われます。
 なぜなら、人は大抵、他人の持つ技能を学習するとき、とりあえず、模倣をすることによって吸収してゆきますから。

 それは例えば具体的な行動を伴って。
 あるいは、思考の中で、トレースすることによって。

 それは、サイトデザインの際にも行われますし、サイトのロジック、信念、性質その他にも影響を及ぼします。
 日常でも、アルバイトでの技術習得は模倣から入りますし、本を媒介とした練習もまた、極論すれば模倣なわけです。

 では。
 模倣から何が得られるのでしょう。
 模倣という行為の意味とは。



 具体的に言葉として現すなら、それは、つまり模倣という行為によって技術に潜む本質をつかむ事なんだと思います。

 模倣という行動を通して、対象の持つ、洗練された有用性を理解する。
 それが、模倣の使い方としては一番整った形ではないでしょうか。

 模倣、模倣と連発したおかげで口の中がモホモホしてますが、つまり、僕としては、真似をすることは、そういうことなんだと思っているわけですね。

 かつて、侍魂に端を発するフォント弄りという技術がからくも一世を風靡した後、それに拒絶反応を示す人もまた大量発生しました。
 これの原因は恐らく、模倣によって技術の本質理解を一足飛びにし、効果だけを得ようと焦った人が多く出たが故ではないでしょうか。

 形だけの真似は、ただの劣化。パクリなわけですから。
 ファッション雑誌の恰好をただそのまま流用して着ている人に拒絶反応を示す人が少なからずおられることも、それが原因だと思われます。

 さて。

 そんな模倣ですが、一線を超えると、今度は人と同じは嫌と思うようになってきます。
 一般に、人の先を行こうとする。
 それは、一歩前でも、二歩前でも、斜め前でも構わないのですが、これは良い兆候だといえるでしょう。



 人の先をリードするものがいてこそ、文化にしろ流行にしろ洗練されて行くのですから。ゲームは、先を走るものが、追いつかれまいとし、追いかけるものが、追い越そうとする状態が一番面白いんです。
 皆さんも、目指すものがあれば、一歩先へいけるように頑張ってください。



もちろん僕も頑張りますよ。



 実はサイト巡回するうちに気が付いた事なのですが、カウンタをつけないサイトが最近増えてきたようなんです。
 そこでHALは一足先にアクセス解析も無くしました

 イエーイ。



 ……。



 ちょっと違ったような気がします。



▲IndexListに戻る
Title: ある夏の日の出来事(SS)
Genre: 今日の一言
Date: 2002/06/29
Option:

「がーっ、忙しい忙しいぃぃぃ!!」


 デスクの上で頭を掻き毟りながら編集長が大声で叫んだ。束になったファイルが宙に舞う。
 この時期ともなれば毎度の事なので、他の事務員は我関せずとでも言うように淡々と仕事をこなして行く。私も投稿されたハガキの中から適当な物を選び出し、コメントをつけていく作業に没頭していた。


 弱小出版社とはいえ、締め切りの時期が迫ると殺人的な忙しさが訪れるのは、春の後に夏が来るのと同じくらい当たり前の事だった。連絡の取れないフリーライタ、原稿を落とすコラムニスト。今回はトラブルだけでも相当のものだと思う。一通りコメントを付け終えた私は今日の正午までに持ってくると約束したコラムニストに電話をかけながら、幾つか開いた穴を埋めるためのレイアウト変更を指示しつつ、ギリギリに提出された原稿の校正をすることにした。編集部を正常に機能させたいのならば、現在の人員不足は絶対に致命的である。しわ寄せが新入社員に行くのはいつものことで、そのおかげで新入社員は退職し、ますます首が絞められてゆくのも毎度のことだった。


 電話が鳴る。


 時計を見る。短い針は、十一時と十二時の中間を指していた。この時間帯だと、印刷会社からだろうか。手の空いているものがいないことを見て取った編集長が電話を取った。叫び声が聞こえてくる。


「……何ぃ!?……はい。え?……はい。三人前?」


 三人前?私は首を傾げた。何だ三人前って。
 編集長はそのまま応対を続けていた。


「はい。はい。春咲町の真田さまですね、毎度ありがとう御座います!!」


 ガシャンと電話を力一杯叩きつけた編集長に、一番近い席にいた私が声をかけた。


「一体どうしたんです?三人前って?」
「畜生!!この忙しいのに!!」
「だからどうしたんです?」
「間違い電話だよ!どこの誰だか知らないが隣の麺来軒と間違えやがった、何でこう忙しいときに限って」
 再び頭を掻き毟る編集長を見、納得して私は笑った。
「あはは、マーフィーの法則って奴ですよ。運が悪いときに限って運の悪い事は起こるもんなんですよ。そういうときもありますって」
「……ったく。ほんとしょうがないよな。じゃあ俺はちょっと出かけてくるから、後はよろしく頼む」
「解かりました。印刷所ですか?」


 私は、立ち上がって入り口の扉に手をかける編集長にそう聞いた。


「何を聞いていたんだお前は。ラーメンだよ。ラーメンを作って持っていかなきゃならんだろうが。一時間もあれば帰ってくる、じゃな」
「……え?」


 バタンと閉じる扉。
 硬直する私。


「……え?」



▲IndexListに戻る
← 新しいの ┃ 過去の →