Top一般ログ>04年03月
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Title: 女児の事件とか
Genre: 今日の一言
Date: 2004/03/17
Option:

・ 女児の遺体隠した、と供述 群馬の小1女児殺害で容疑者
・ 女児殺害でまたも暴走するメディア
・ 「おたくだからこそ、女の子をまもります」宣言(3/13)
・ 何故児童偏愛を犯罪と切り離して無実にしたがるのか

 疑わしきは罰せずというのが近代日本の刑法の原理にあります。証拠がなければその人を犯人として刑に処すことはできないというものですね。

 また、日本の文化には全く逆のものがあって、『あやしいものは穢れとして祓い落とす』というものがあります。こちらは解りやすく言えば臭い物には蓋をしろというやつです。


 前者は人道的な理想であり、後者は適応における理想です。
 鳥インフルエンザウイルスが人間に感染する疑いがあるからこそ、鳥インフルエンザに現在過剰な熱が発生しているのであり、BSE感染の疑いがあるからこそ吉野家が牛肉を扱うのを停止したのです。


 ここでのポイントは、躍起になっているのは環境庁や吉野家自体ではなく、『国民』という具体的ではない集団だということ。


 人は結果に対して原因を求めたがりますが、これを社会心理学的にいうと帰属といいます。酒気帯び運転中に人を轢いてしまったという事件があったとすれば、それを聞いた人は『加害者は酒を飲んでいたから事故を起こしたのだ』と帰属してしまうようなことですね。


 これは生き物として、あらゆる危険を最大限に避けるという前提条件と、あらゆる環境に適応するという効率化を求めた結果形成された類の思考システムですので、人からそれを切り離すことはできません。


 あとステレオタイプというものにも簡単に説明しておきましょう。

 これはカテゴリ集団に対する固定化やイメージのことで、中国人はみんな語尾にアルをつけるだとか関西人は喧嘩っ早い、だとか、コジャレ系サイト管理人はみんなモテだとか、黒人はみんな運動が得意、だとか虚実様々なカテゴリに対しての情報です。

 関西人はみんな一家に一台タコ焼き器を持っているというのは事実なので、それについてそんなの常識じゃん?とかいわれても特に気にならないわけですが(むしろネタ)、○○高校の学生はガラが悪いので何らかの犯罪を行うに違いない、などというセリフをその高校の学生が耳にしたらおいマテやコラになるわけです。特にそれが事実じゃない場合は。


 それらを全力で踏まえたうえで


 女児を殺害したのが児童偏愛の性癖を持つオタクであったという情報から、児童偏愛が犯行の理由として帰属されているのが今回の事件の側面です(そう帰属された原因が何であったとしてもあまり関係ない)。


 国民は疑わしきものを祓おうとしているのに対し、オタク側は不愉快なステレオタイプが形成されることに対して全力で反発しているというのがその構図。


 前者は適応や安全を図るという上では理想的な行動であり、後者は人道的な権利を守ろうとするという意味で理想的な行動なのですが、そうであるがゆえに、仮にその可否について議論した場合永久に平行線になることは確実だなと思いました。


 だって、どっちも自分に降りかかる可能性のある火の粉を払おうとしてるだけだし


 某教団の三女を大学に入学させるかどうか賛成する人と反対する人が議論するとしたら、それも多分同じような問題。
 でも事件自体は先に入学許可を出しておいて取り消しちゃったことが問題になっていることに注意。


 というわけで某宗教団体といえば


・ 「麻原死刑」が問う日本人の人道度

 こんなのがあるわけですが、死刑の是非はともかく、何で日本の刑法制度は死刑の次が無期懲役なんだ、ってことですね。無期懲役なら真面目な振りをして何年かお勤めをしていればあっというまに仮釈放です。


 そりゃ終身刑なんてものを用意すれば、刑務所が犯罪者で飽和する恐れがあるのはわかります。でも死刑と無期懲役ではあまりにも差がありすぎでしょ。


 今の日本の刑法制度で、死刑の是非を問うことは、カレー味のうんこを食べるのと、うんこ味のカレーを食べるのとどっちがいいか問われているのと同じくらい究極の選択のような気もします。人を殺す文化 VS 超凶悪な犯罪者の恩赦。


 ところで話は変わりますが、ホラ。海外に地雷が埋まってる地域があるじゃないですか。現地の専門の方が撤去に頑張っておられるようですが、それでも被害者は出てしまうくらい、大量に。撤去の方もちょっとした事故で生命の危機があって心配ですよね。人員も足りないんじゃないかと思います。

 そこで、無期懲役の上が死刑っていうのは変だっていう話をしたじゃないですか。


 さて話は変わって、と。



・ 浅田農産の会長夫婦が自殺 「大変迷惑かけた」のメモ

 うーん。夫妻が何を考えておられたかはともかく、結果的に死者を鞭打つ人はいなくなったというのは事実。そのことによって事態は収束しているわけでもないですし、いろんな意味で釈然としないものが残ります。


・ 「普通に面白い」における「普通に」の使い方について

 若者言葉だったのかΣ(゚ロ゚)というのが最初の感想。

 冗談はさておき、『普通に』というのを風流に訳しますと『我、普通の状態に戻りて曰く、面白い』が正解だと思います。
 この普通に面白いという言葉をたどりますと、『素』という言葉が出てくると思います。


 素で笑った。素で面白い。

 社交的な反応ではなく、心から笑ったり面白がったりするときにいいます。

 素の自分をさらけ出す、という表現ならどういう世代にもわかりやすいのではないでしょうか。



 でも『素で笑った』と『普通に笑った』という表現を見ると、『素』と『普通』の単純な互換はできないですね。あれー?



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