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「リカくん、確か君、昨日が誕生日だったんだよね」 「えぇ、そうですよ。みんないろいろくれたのに、何故か、奇怪な事に博士だけプレゼントくれなかったんですよねー、何ででしょうねー」 「まだ根に持ってるのかい?あ、そうだそうだ。それのお詫びというか、今日はちょっと趣向をこらそうと思ったんだけど、どうかな」 「何ですか?まさか1日遅れのプレゼントとかいわないでしょうね!?」 「まぁそんなものかな」 「わぁ嬉しいっ!くれるなら何でもOKですよ!わーい!」 「ちょっと、待った。趣向をこらすっていっただろう?ちょっと条件があるんだ」 「条件?何です?条件って」 「あのね、『僕は次の日曜日までのどれかの日の夕方7時にリカくんにプレゼントを渡そうと思うんだけど、君を驚かせるためにどの日に渡すかは秘密にしよう』と思うんだ」 「え?」 「メインはビックリさせることだから、渡す日がリカくんにばれてしまったら絶対に渡さない」 「え、え!?」 「まぁ期待して待っていてくれたまえ」 「ええええ!?」 「うん?何を驚いているんだ?」 「だって、え?それ、この間博士に聞いた死刑宣告を受けた囚人の話じゃないですか?」 「囚人の?・・・ああ。あれか。覚えてるんだ?」 「覚えてますよ!」 「いえる?」 「い・え・ま・す!でもここは、あえて死刑囚の話じゃなくて私のプレゼントの話をしますね!」 「構わないけど」 「(コホン)・・・じゃあ、始めます。確か、今回のこの場合は、プレゼントを渡す事のできる最終日が次の日曜日の7時だから土曜日の7時を過ぎたら、日曜日の7時に渡す事が確定するんですよね?」 「するね」 「これって土曜日の7時を過ぎたら、日曜日に渡す事に私が勘付いてしまうから、土曜日を過ぎた時点で絶対に渡せなくなるってことですよね」 「そうなるね」 「そうなると、博士は絶対に土曜日の7時までに私にプレゼントを渡さないといけなくなります」 「うん」 「でもその場合、ようするに金曜日の7時が過ぎてしまったら、渡せる日は、土曜日しかなくなるってことでしょう?」 「いかにも、そうだ」 「いかにも・・・って。じゃあ、金曜日の7時を過ぎたら土曜日に渡すって、私に勘付かれてしまうじゃないですか!!!」 「よく解かってるじゃないか」 「つまり、金曜日の7時までに私に渡さないといけなくなるわけで!でも木曜日の7時を過ぎたら金曜日の7時に渡す事が確定するから、木曜日の7時までに渡さなくいけなくなって、同じように考えると水曜日も火曜日も月曜日も私にばれることになって、結局今日渡さないと私にばれるってことですよ!?」 「ほほう。よく覚えていたね。感心感心。すると?」 「すると結論はつまり、今日しか渡す日が無いってことですっ!そんなの、私が知ってるんだから、渡せないじゃないですか!メインはいきなり渡してびっくりさせることなんでしょう?」 「まさに正鵠を得ているね」 「博士の馬鹿!そんな、飄々と、私にプレゼントをあげるだなんて、だったら最初からそのつもりが無かったんですね!酷い!!」 「うーん、そこまで見抜いているとは僕もビックリだ。君も成長したねぇ・・・」 「えーん。何をしみじみといってるんですか。もういいです。今日はもう帰ります!」 「あ、だったらそこにある荷物もついでに持って帰ってくれる?プレゼントだ」 「・・・へぇ?」 「もう1回いおうか?プ・レ・ゼ・ン・ト。リカくんは、どうもせっかちだから、安物とはいえ、ラピスラズリのブローチがちょうど良いと思ってね」 「え?」 「知ってるかな。青系統の石を装飾品として身に付けると性格に落ち着きが出るそうだよ。迷信程度のものらしいけど、ドジな君にはピッタリだ」 「え、え。じゃなくて、でも、ほら、さっきいった趣向って、プレゼントはあげないよ、っていう趣向だったんじゃないんですか?」 「僕はそんなこと、一言もいってないよ」 「だって、さっき『そこまで見抜いているとは僕もビックリだ』って・・・」 「まぁ最後のどんでん返しまでは見抜けなかったみたいだけどね」 「え、えーっ!?じゃあ最初からプレゼントをくれるつもりだったんですか!?」 「そうだよ。ほらね。ビックリした。予定通り予想通り。こういう風に趣向が成功すると僕も何だか嬉しいよ」 「そんなぁ・・・」 「ふふ、ほら、最初からいっていただろう?メインはいきなりプレゼントを渡して君を驚かせる事だって。それに良かったじゃないか。リカくんもこれでまた1つ賢くなったことだし。予測系の理論は、完全に予測できても、扱うのが人間であれば意外な結果が出ることもあるってね」 |
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