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「聞いてくれリカくん、ついに時間を止める方法を発見したぞ」 「いきなりですねぇ。博士、忙しい忙しいといって、ついに頭がオーバーヒートしちゃいました?」 「何を。むしろ急激な環境の変化に対応したといって欲しいね」 「試験勉強が、急激な環境の変化、ですか……」 「な、何だその目は!!」 「まぁ、いいですけど、で?時計を止める方法ですか?電池を抜くとか」 「時間だ!!」 「おお、時間。忙しいっていってる割にそうやっていつも脱線するから周りに心配かけるんですよ」 「う……。まぁ放っておいてくれ」 「私は別にいいんですけど……。で、時間を止める方法ってなんです」 「うん。リカくんは無限とは何か解かるかな?」 「飛びますねー。無限、ですか……。限りなく延々続くこととか、ものですか」 「その通り!概念として用いられる場合も数学として用いられる場合も同じようなものだな」 「そりゃそうですよ。小学生でも知っています、それくらい」 「だよな。僕も小学校の時は無限って言葉に胸をときめかせたものだ。電卓で√を何度押したら1になるか、とかな……」 「そ、そんなことしてたんですか。しかもそれ無限と違いますし」 「そう。人工物の儚さを痛感した瞬間でもある」 「そんなことで痛感しないでください!で、無限の話はどこへいったんですか!?」 「まぁまぁ、これも小学校、じゃないな中学校か。中学校の話題なのだが、0.999999……=1っていう証明について見たことはあるかな」 「あ、あります!えと、えと。……何でしたっけ」 「……。まず、両辺を10倍すると9.9999…=10だろ」 「ええ」 「で、その10倍したやつから連立方程式で元の等式を引くんだ」 「ふむふむ、左辺は9.9999...-0.9999...=9で、右辺も10-1=9になりますね。……ってあれ!?」 「な。実は両辺は等しかったのだ!」 「えーっ!!でも、そんな、明らかに表記が違うじゃないですか!文字の形が意味を持つ数学で、文字が違うってことは別物じゃないんですか?!そもそも、0.9999……=1だったら、0.999……8も、0.99999……7も同じってことになって、1=0ってことになっちゃいますよ!?」 「やっぱり知らなかったようだね?数字っていうのは、例えば1も2も100も全部同じ数なんだよ」 「そんな!嘘つき!」 「だってほら、君、0と1のあいだに数字は何個あると思う?」 「えっと。0.1も、0.001も0.0000000000001も、どんな小さな数字でも良いんですか?」 「当然」 「じゃあ、無限個ありますよね。たぶん」 「そうだよね。じゃあさ、君、1と2の間に数字は何個あるか解かる?」 「……無限個、ですよね」 「そう。じゃあ0と2の間に無限は何個あるかな」 「……無限個です」 「0から、無限の間に数字は?」 「無限個」 「ほら!1〜2も1〜100も内包する数は無限で等しいんだ!全ての数字は内包する量で区別されていると定義するなら、全ての数字の内包する数が等しい以上、全ての数字は同じってことなんだよ。解かったかな」 「え〜〜〜〜〜〜〜っ!!!????」 「だからむしろ、さきほどの1と0.9999999……が等しいかどうかなんて、実に些細なことだといえるね」 「…………???」 「同じように、昨日も今日も明日も時間の流れを数字に置き換えるなら全部同じだといえる!!1秒と2秒の間にある時間は無限にある。しかしそれと同時に、1秒と3秒の間にも無限に時間は存在するのだ!!だから例えばテストまでの期日は明日のように思えて今日のように思えて、実は無限の未来にあるのだ!!この考え方は現実逃避に対して非常に有効な手法だといえよう!!」 「…………博士」 「何かなリカくん」 「……虚しいですねぇ」 「いうなっっっ!!!」 |
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