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偉い学者さんが観測した結果、宇宙というものはループしてたりドーナツ型だったりするのではなくて、無限っぽいらしいです。 日経サイエンスの『並行宇宙は存在する』を読んでました、咲村ですこんばんは。 今月号は興味深い内容が多くてチェックチェック。赤ん坊はどうして言葉を覚えるのか、数字に色を見る人たち、心を持つロボットは作れるか――などなどあってこっそり喜び中。さて。その中のトピックで並行宇宙の話をご紹介しましょう。 先の観測の結果ですが、宇宙が無限だと解かったという事は、あらゆる可能性のある存在は存在する、ということになるそうです。…わけ解かりませんね。説明しましょう。 これはようするに、どんな宝くじでも、好きなだけ好きな枚数買えて、何度でも挑戦できるなら、いずれは必ず当るだろう――ということなんです。 宇宙は無限なのですから、どんなに確率低くても起こり得る可能性があるなら、それは無限に試行すればぶっちゃけ何でも起こり得るということでしょうか。例えば僕の人生とかは、僕の存在自体がその可能性があることを証明してますしね。 さて、哲学じみてますが気にせずに続けましょう。どうせこれ以降ますます哲学じみてきますし。その文章では並行宇宙への そう。そこで語られるのは、先ほどの並行宇宙をレベル1マルチバースと呼ぶならば、そのレベル1マルチバースを包み込むとされるレベル2マルチバースの存在です(意味はフィーリングで理解すること)。 レベル2マルチバース。それを考えるには、世界の偶然性に目を向ける必要があります。わけがわかりませんね。説明します。 『頭蓋骨の中の楽園』という小説で、ラスボスがいっていたセリフをそのまま引用するのが解かりやすいでしょうか。 「いいか。君らもしかしてこの地球が、宇宙のチリが何となく自然に集まって大地と大気が出来、そこに自然に生命が発生したと思っていたのか?冗談じゃない。そんな可能性など無に等しい。陽子と中性子の重さのバランス、誕生後の宇宙の膨張率、原子核のエネルギーの大きさ。それらが千分の一でも異なっていたら、決して生命など誕生しなかったんだ。宇宙に生命が誕生するなんてことは、絶対に起こりえない事態だったんだよ!――だがそれは起った」 えぇい、情けないラスボスですね。まぁいいや。 これは宝くじに当たった人が「絶対に起こりえない事態だったんだ。何か作為的なものを感じる」と頭を抱える姿に似ていますが、それはさておきます。ここで重要なことは『当事者から見ればどんなものであれ現在の環境は物凄い偶然の中にいる』ということなんです。 逆にいえば、当然や常識だと思っている物事も偶然の一つでしかない、ということ。ようするに、もし陽子が0.2%でも重かったら、それは中性子へ簡単に崩壊してしまって安定な原子はできず、今の宇宙はできなかった。――ならばその出来ていなかった宇宙もまた観測は出来ないが存在するのではないか?いや存在するはずだ。それがレベル2マルチバースのことらしいのです。 最適環境という宝くじにあたった世界が僕らの世界だとするならば、あたらなかった世界もあるに違いない、そういう世界がレベル2マルチバースのことらしいのです。 妄想は膨らみます。 それはレベル3マルチバースの存在。 オイオイとお思いの向きも多いと思いますがまぁご静聴ください。これは量子力学でも取り沙汰される、シュレーディンガーの猫の問題なのです。 簡単に説明しますと、死んでいる状態を0、生きている状態を1とするならば、現実的には0と1しかこの世に存在しないはずですよね。ところが、量子力学の世界では、0とか1という概念ではなく、0〜1という概念を用いるのです。つまり0.5がある。猫は生きながら死んでいるのです。 量子力学では、観測行為が状態を決定する。 生きているか死んでいるかは見なければ解らない。それが量子力学の基本です。――ホントは素粒子が分裂するかどうかが曖昧(ファジィ)(=どちらの状態でもある状態)なのであり、分裂したらそれを検知して毒ガスを出す箱の中に猫がいるとして、一つの曖昧な素粒子を射出した場合中の猫は死んでいるのか生きているのか、という問題です―― さて、従来は観測行為が状態を決定するということが通説でしたが、レベル3マルチバースの概念ではその決定以外の世界が同じ場所に存在する、というものになります。簡単にいえば、猫が死んでいると確認したと同時に死んでいない猫の世界も同じ場所に存在するのではないか?いや存在するだろう。 それがレベル3マルチバースだというのです。 レベル4マルチバースはもっと凄い。 …いいたいことは解かりますが、まぁ聞いてください。 レベル4ではレベル2の考え方をそのまま流用します。この世界の物理法則や数学法則はあまりに綺麗過ぎる。綺麗じゃない世界もあるのではないか。違う物理法則に従う世界があるのではないか――それこそがレベル4マルチバースらしいのです! それってただのSFじゃん。 スレイヤーズじゃん。 そうツッコミいれつつ読んでみたのに、並行宇宙ってのはやっぱりそういうものらしいです。 ------------------------------- Memo ------------------------------- 参考資料 『並行宇宙は存在する』(日経サイエンスホームページ) |
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