「元祖大師二十五霊場」は、浄土宗祖法然上人のご誕生からご入滅に至るまでの主な 遺跡25ケ所で、法然上人の遺徳を偲んで多く檀信徒が巡拝している。 二十五霊場の成立は、宝暦年中(1751〜63)のころで、大阪の順阿、京都の廊誉という 二人の僧侶の発起によって、法然上人と御縁の深い霊場25ヶ所を巡拝したことに始まる といわれている。 |
番号 | 寺院名 | ところ | ご 詠 歌 |
第 1 番 | 誕生寺 | 岡山県 久米郡 |
両幡の 天降ります 椋の木は 世世に朽ちせぬ 法の師のあと |
第 2 番 | 法然寺 | 香川県 高松市 |
おぼつかな 誰か言ひけん 小松とは 雲をささふる 高松の枝 |
第 3 番 | 十輪寺 | 兵庫県 高砂市 |
生まれては まづおもひでん 古里に ちぎりし友の 深き誠を |
第 4 番 | 如来院 | 兵庫県 尼崎市 |
身と口と 心のほかの 弥陀なれば われをはなれて 唱えこそすれ |
第 5 番 | 勝尾寺 二階堂 |
大阪府 箕面市 |
柴の戸に あけくれかかる 白雲を いつ紫の 色に見なさん |
第 6 番 | 四天王寺 念仏堂 |
大阪市 天王寺区 |
阿弥陀仏と 心は西に 空蝉の もぬけ果てたる 声ぞ涼しき |
第 7 番 | 一心寺 | 大阪市 天王寺区 |
阿弥陀仏と いふよりほかは 津のくにの なにはのことも あしかりぬべし |
第 8 番 | 報恩講寺 | 和歌山県 和歌山市 |
かくやあるらん あらたのし はや参らばや 南無阿弥陀仏 |
第 9 番 | 當麻寺 奥院 |
奈良県 當麻町 |
阿弥陀仏と 申すばかりを つとめにて 浄土の荘厳 見るぞうれしき |
第10番 | 法然寺 | 奈良県 橿原市 |
極楽へ つとめて早く 出で立たば 身の終りには 参りつきなん |
第11番 | 東大寺 指図堂 |
奈良県 奈良市 |
さへられぬ 光もあるを おしなべて 隔て顔なる 朝霞かな |
第12番 | 欣浄寺 | 三重県 伊勢市 |
和らぐる 神の光の 影みちて 秋にかはらぬ 短か夜の月 |
第13番 | 清水寺 阿弥陀堂 |
京都市 東山区 |
阿弥陀仏と 十声唱えて まどろまん 長き眠と なりもこそすれ |
第14番 | 正林寺 | 京都市 東山区 |
千年経る 小松のもとを すみかにて 無量寿仏の 迎えをぞまつ |
第15番 | 源空寺 | 京都市 伏見区 |
一声も 南無阿弥陀仏と 言う人の はちすの上に 上らぬはなし |
第16番 | 光明寺 | 京都府 長岡京市 |
露の身は ここかしこにて 消えぬとも 心は同じ 花のうてなぞ |
第17番 | 二尊院 | 京都市 右京区 |
足引の 山鳥の尾の しだり尾の 永々し世を いのるこの寺 |
第18番 | 月輪寺 | 京都市 右京区 |
月かげの いたらぬ里は なけれども ながむる人の 心にぞすむ |
第19番 | 法然寺 | 京都市 右京区 |
ただ頼め よろづの罪は 深くとも わが本願の あらん限りは |
第20番 | 誓願寺 | 京都市 中京区 |
極楽は はるけきほどと 聞きしかど つとめて至る 所なりけり |
第21番 | 勝林院 | 京都市 左京区 |
阿弥陀仏に 染むる心の 色に出では 秋の梢の たぐいならまし |
第22番 | 知恩寺 | 京都市 左京区 |
われはただ 仏にいつか 葵草 心のつまに 掛けぬ日ぞなき |
第23番 | 清浄華院 | 京都市 上京区 |
雪のうちに 仏のみ名を 唱ふれば つもれる罪ぞ やがて消えぬる |
第24番 | 金戒 光明寺 |
京都市 左京区 |
池の水 人の心に 似たりけり 濁り澄むこと 定めなければ |
第25番 | 総本山 知恩院 |
京都市 東山区 |
草も木も 枯れたる野辺に ただひとり 松のみ残る 弥陀の本願 |