大峰山・弥山

山頂
弥山
分類
積雪期ハイキング
日程
2006年2月19日
概要
大川口〜行者還トンネル西口〜弥山(往復)
コースタイム
自宅5:10発−大川口7:20−行者還トンネル西口8:40−主稜線10:05−聖宝の宿跡11:05−弥山小屋12:00−聖宝の宿跡12:35−西口分岐13:25−トンネル西口14:20−大川口15:25−15:35発―自宅18:10

はじめての雪の弥山

なかなか他の皆さんの都合がつかずに、久しぶりの単独行になった。行者還西口からの弥山は2度ほど登ったことがあるが、どちらも無雪期で冬の弥山は初めてである。 自宅を、5時過ぎに出発した。天川河合から洞川への道を左にみて御手洗渓谷への道(国道309号)を上流に進む。車一台がやっとの道を大川口を目指す。国道にまったく雪はない。川迫ダムを過ぎ、しばらく進むと右手に立派な橋がかかり、その先にゲートがあった。ここが大川口である。自宅からおよそ2時間で到着した。行者還トンネルまで12月から4月中旬まで通行止めとなる。

行者還トンネルまで歩く

林道の様子から、持参したスノーシューは必要ないと判断し、車に置いておくことにする。7時20分に出発。ゲートの横をすり抜け、これから1時間30分あまりの林道歩きだ。林道脇の崖は崩壊が多く、落石に注意してなるべく谷側を歩く。しばらく歩くと林道に雪も見られるようになり、したたる水がつららとなっている。遙か雪をかぶった弥山も望め、登攀意欲が湧いてきた。

行者還トンネルには、8時40分に到着。雪も道にうっすらついているくらいなので、そのまま歩く。この登山口付近は絶好のキャンプサイトになっていて、無雪期に一度TENSIONで、宴会山行をしてみたいところだ。

しまった雪道

谷沿いの道を300mほど行くと橋がありそれを渡って尾根に取り付くようになる。少し雪がついているが、アイゼンをつけるほどではない。 しばらく登ると結構雪が出てきて、その雪も締まっているので、靴でけり込んでもなかなかステップが切れない。そこで、アイゼンを着けることにした。 途中で道がわからなくなり、そのまま雪原を登って主稜に着いたと思ったら、まだ主稜に向かう支稜だった。そこから20分あまりも登ってやっと主稜に着いた。10時5分。夏のコースタイムなら50分のコースなので、かなり時間を食ってしまったことになる。 主稜線に出たところは雪は少なかったが、登るにつれ快適に締まった雪原になった。 アイゼン、ピッケルが小気味よく音をたてる。

やがて、1時間ほどで、聖宝宿の跡に着いた。 聖宝宿跡には、雪に半分埋もれた銅像(役行者か?)が立っていた。ここからが、地図で見るとなかなか急な登りになり、夏道はぐっと右に巻きながら登るようになっている。冬は直登ではないかと思っていたら案の定、稜線をまっすぐ登るようにトレースがついていた。雪が締まっているので、それほどの困難はないが、ところどころ木の根元に穴が空いているので注意して登った。

途中から、弥山小屋の三角屋根が見えてきたので、その方向に向かって登っていったが、登りやすい雪原の誘惑に負け、尾根をはずれトラバース気味に斜上した。GPSで確認したら、近くに弥山小屋があるはずなのに見えない。おかしいなっと思って、上を見ると弥山小屋が見えた。小屋の北の斜面を登っていたことがわかった。結局、小屋の裏手から登ったことになる。

こける

弥山小屋には12時に着いた。夏道とそれほどかわらないタイムだった。そのころから、ガスが出て雪も降り出したので、休憩もそこそこに下山することにした。本来の登山道はトレースがはっきりしなくてわかりにくいので、自分が登ってきた道を引き返した。

雪が締まっているせいで、自分がつけたトレースもよくわからず、途中でルートからそれてしまったこともあったが、GPSの助けを借りてもとのルートにもどることができた。広い尾根の場合は、方向を見失いがちなので、GPSが大いに役立った。

このころになると、気温も上がってきて雪が腐りだした。アイゼンに雪がダンゴになって付く。そのたびに、ピッケルでたたいて落とすのだが、1,2歩で10cmくらいもくっつくのであぶなくてしかたがない。ほうっておくとねんざにもつながりかねない。今は、アイゼンの裏にプレートを張って、そういう事にならないようにしているが、私の古いアイゼンにあうプレートは売っていない。透明のビニール製テープを貼るといいということを聞いたことがあるので、今度試してみようと思う。

そうこうするうちに急斜面に出くわした。雪が腐っているのでアイゼンも十分に効かない。おそるおそる左足を出したら、雪を踏み抜いてしまった。バランスをくずし、そのまま前のめりに転倒。やばい!すべって前方の木に頭から激突した。左腕を肩からすこしひねった。左足のふくらはぎも少し痛めたようだ。頭は打ったがそれほど痛くない。態勢を立て直し、体の他の部分に異常がないか、失った荷物がないか確認した。3分ほど気を落ち着かせるために座っていた。単独ゆえにちょっとした失敗が命取りになる場合がある。幸いにも、たいしたことはなかったので、気を取り直して歩き出した。

心地よい疲れ

帰りのペースは順調で、大川口に15時25分に着けた。途中出会った人は、登りの時に聖宝宿跡で、弥山小屋から降りてきた男の人だけだった。 久しぶりの雪山単独行は、どきっとするハプニングはあったものの、なんとか無事に下山でき、心地よい疲労感を残した。

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