遙かなり北鎌尾根(敗退記)

山頂
槍ヶ岳
分類
無雪期アルパイン
日程
2006年8月13日〜8月16日
概要
上高地〜大曲〜水俣乗越〜殺生ヒュッテ〜北穂高岳〜涸沢〜上高地
コースタイム
8/14(月)上高地6:10〜槍沢ロッジ9:25〜水俣乗越12:00〜殺生ヒュッテ14:30
8/15(火)殺生ヒュッテ5:30発〜南岳7:40〜北穂山荘10:05〜横尾山荘
8/16(水)横尾山荘?〜上高地?

30kmの渋滞

8/13(日)お盆の最中である。自家用車で奈良を出発。高山を経て、平湯温泉に向かう予定である。午後5時頃自宅を出発。ところが、名神高速道路で事故渋滞+自然渋滞。 東海北陸自動車道の一宮ジャンクションから関ヶ原付近まで30kmの渋滞だという。多賀サービスエリアで様子を見ることにするが一向に渋滞が収まる気配はない。そこで、米原出口で高速を降りて、国道21号線で尾張各務原ICに向かうことにする。ところが、関ヶ原ICの出口を過ぎたあたりから、国道も大渋滞。全然すすむ気配がない。きっと大垣ICから降りてくる車で渋滞しているに違いない、もしそうなら20kmの渋滞だ。そこで急遽、国道をUターンして県道53号を行くことにする。二人で検討した結果、東海北陸道の関ICに抜けるルートを見いだした。一般道路約60kmである。しかし、高速道路の渋滞で一宮ジャンクションまで4時間という情報に比べれば、まだ、2時間程度で関ICまで抜けられる可能性がある。そこで、ところどころ迷いながらなんとか関ICまで約2時間で到着することができた。  平湯温泉のあかんだな駐車場についたのが午前1時前。朝の4時30分ころまで寝られると思ったのが大間違いで、なんと!駐車場は午前3時〜午後6時が営業時間帯で、ゲートが閉まっており、その前に十台くらいの車が待っているではないか!ゲート前で延々並ぶのはいやなので最後尾の車の後に並んでゲートが開くのを待つことにする。午前3時に合わせたヒッキーさんのケータイが鳴り、あわてて起きて車を駐車場に移動した。始発の上高地行きバスは午前4時50分発。4時10分に目覚ましをセットしてもらう。  小刻みに睡眠が途切れ、私は2時間程度。ヒッキーさんは、ほとんど眠れなかったそうだ。  そういう状態で、槍ヶ岳・北鎌尾根に向かった。

寝不足が敗因か

上高地で朝食をとり、6時10分に出発。なんども通った明神〜徳沢〜横尾を経て、槍沢を登っていく。槍沢ロッジには9時25分に到着(ヒロティ)。エリアマップによるコースタイムは4時間50分である。かなりなハイペースで快調に歩くことができた。やや遅れてヒッキーさんが到着。小休止の後、水俣乗越に向かった。ところが、水俣乗越への分岐(大曲)に向かう途中でヒッキーさんが遅れ気味になり、乗越への急登で、ヒッキーさんがかなり遅れる。足に力が入らないという。乗越には12時頃到着。ここから北鎌沢出合までは2時間半くらいの行程なので時間的には十分余裕がある。ところがヒッキーさんの体調がおかしい。30分ほど横になって休んでもらったが、回復するかどうかは微妙である。ここ水俣乗越を下ると、そこはヴァリエーションの世界である。体調が今のような状態で、ただでさえ体力を消耗する北鎌尾根を翌日登れるかどうか不安だ。  3ヶ月ほど情報を集め検討し、トレーニングもしてきた北鎌尾根だが、今回は断念することを決断した。

殺生ヒュッテへ

一番近いテント場は、殺生ヒュッテなので、ヒッキーさんのザックを私のザックに載せ、空身で東鎌尾根を殺生ヒュッテまで歩いてもらうことにした。かなりつらそうだったが、なんとかテント場に着いたのが2時30分ごろだった。  この日は酒を飲む元気もなく、お互いビール1本だけを飲み、カレーを食べてそそくさとシュラフにもぐり込んだ。

かなしい晴天

北鎌尾根を断念したからには、「やっぱり断念してよかったね。」とお互いに納得できる状況になってほしい(雨が降れば納得できる)ものだが、あに図らんや翌日はピーカンであった。ヒッキーさんの体調もそこそこ回復したようである。しかたがない?ので、ヒッキーさんの体調をみながら槍から奥穂への縦走路を歩くことにした。体調が思わしくなければ、上高地側、新穂高側に豊富にエスケープルートがあるのが心強い。また、私が槍穂を縦走したときはいつもガスか小雨の状態で、見通しも利かなかったので、雄大な景色を楽しみたいという希望もあった。

成果

ヒロティの記録であるが、殺生ヒュッテ5時30分発。肩の小屋5時53分着。ヒッキーさんを待って、肩の小屋6時13分発。南岳7時40分着。ヒッキーさんを待って、南岳8時5分発。大キレットを経て北穂山荘10時5分着。ヒッキーさんは、ほぼエリアマップのコースタイムで歩かれた。  南岳から大キレットを経て北穂山荘までのコースタイムは3時間なので、そこをハイドレーションシステムを使って一度も休憩せずに2時間で歩けたのは、私なりの成果であった。  北穂高岳からは、横尾山荘の生ビールの誘惑に引かれ南稜を降りることにした。途中、登山道をはずれて、滝谷のアプローチ道を偵察した。滝谷は暗くて、岩が冷たかったのが印象に残った。うんざりするほど下って、涸沢に着き、またうんざりするほど歩いて、横尾に着いた。  期待した横尾山荘の生ビールは今年はやっていないということで、がっくり。缶ビールで喉を潤し、ワインその他も入って、結構元気に宴会を楽しんだ。  翌日もまたピーカンで、上高地への道を急いだ。

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