大峰山脈縦走(桜咲く吉野から弥山まで)

山頂
弥山
分類
無雪期ハイキング
日程
2007年4月14日〜15日
概要
吉野〜山上ヶ岳〜大普賢岳〜行者還岳〜弥山〜天川川合
コースタイム
4/14(土)吉野上千本口7:50−水分神社8:15−奥千本口8:30−四寸岩山10:00−百丁茶屋跡10:45−五番関11:50−洞辻茶屋13:10−山上ヶ岳13:55−小笹宿14:30=14:45−阿弥陀が森15:10−大普賢岳16:05=16:10−七曜岳17:20−行者還小屋18:15(泊)
4/15(日)行者還小屋5:30−避難小屋6:25−弁天の森7:15−弥山8:20=8:25−狼平9:10=9:15−栃尾辻10:50−天川川合12:35

吉野の桜は散り始め

自宅を5時20分に出発して、始発の電車に乗り、吉野には7時20分着。歩いて登ろうと思っていたら、駅前からバスが中千本口まであるではないか。観光地の中を歩いていくのも気が引けるのでバスに乗ることにした。350円なり。中千本口のバス停から階段を上ると奥千本口に行くバスがあるが、これに乗ると桜をすべてパスすることになるので(観光コースはバスで奥千本口まで上り、そこから下りの道で桜を楽しむことになっている。ごもっとも。)歩く。舗装道を降りてくる車をよけながら登っていく。途中の展望台では、なぜか舞台にハープが設置されていて横にABC放送の車が停まっていた。おそらくテレビの中継でもするのだろう。桜はもう盛りを過ぎていた。それでも観光客はけっこう多い。水分神社を過ぎ、金峰神社へ向かう。金峰神社の右の舗装道路を少し行ったところに分岐があり、そこから山道に入る。やっと土の登山道だ。

四寸岩山には岩があるのかと思っていたが、なにもない頂上だった。尾根道に出ると西風が冷たい。足摺宿跡、百丁茶屋跡には立派な小屋が建っていた。百丁茶屋跡から大天井ヶ岳を登って、五番関にでるつもりが、いつの間にかトラバース道に入っていた。このあたりの道は近畿自然道の指定を受けていてよく整備されている。しかし、トラバース道の途中は崩壊地があり、若干注意が必要である。いいかげんトラバースに飽きてきた頃に五番関に着いた。ここに女人結界があり、山上ヶ岳の登りにはいる。

五番関を過ぎたあたりから自然林も混じってきて、いい雰囲気だ。1時間20分登って、洞辻茶屋に着いた。ここで洞川からの登山道が合流してくる。その道は何度か登ったことがある。洞辻茶屋は、まだ時期的に営業していなかった。ザックをおろして5分ほど休憩した。しばらく登ると、右と左に道が分かれる。右は通常下りに使う道だそうだ。以前登ったときはこちらを登った。今回は、左の行場道を登った。木の階段が続き、岩場もあらわれる。10分ほど登ると有名な鐘掛岩が現れた。展望台のようなものもあり、鎖も見えていたので登れるようだったが、また戻ってくるのが面倒なので、横の巻き道を登った。しかし、岩を回り込んでみると、鐘掛岩からの道があったので登ればよかった。次回は登ろうと思う。

山上ヶ岳の参道は補修のための工事をしていた。お堂の横をまっすぐ突っ切り、柏木道を小笹宿へ向かった。小笹宿は思い出深いところで、大学院の時に友人2人と初めて宿泊山行で泊まったところだ。そのときは、阿古滝道というはっきりしない道を踏み跡をたよりに、へとへとになって急坂を登り、薄暗くなるころにやっと小笹宿のテント場に着いた。じゃがいもやニンジン、肉で本格的なカレーを作って食べたのを覚えている。すぐ水場もあり非常に快適なところである。今は、小さいが小屋も建っている。 到着が午後2時30分。早い。さてどうしよう。

がんばって行者還まで

天気は快晴。体調もいい。明日は、天気が下り坂。天川河合のバスの最終時刻は17時9分。天気と時間に追われるのはいやだなあ。行者還小屋までは、コースタイムで4時間40分。途中の大普賢岳から行者還岳までは、はしごや岩場がある難路である。何度か歩いているので、大丈夫だとは思うが、疲れがたまってきた後半にちゃんと歩けるかどうか。いろいろ考えた末、行者還小屋まで歩くことにした。6時過ぎには着けるだろう。

小笹宿から道は、原生林の中をくねくね続く道で雰囲気がいい。阿弥陀が森の女人結界を過ぎ、脇宿跡に15時15分に着いた。昔、宿があったところなので快適なテント場である。ただし、水はない。脇宿跡から大普賢岳までは、小笹の中の気持ちのいい尾根歩きである。展望もよく大台ヶ原のドライブウェイもよく見えた。大普賢岳では、ザックをおろし周囲360度の展望を楽しんだ。さて、これからが難路である。はじめは大普賢岳からの急坂の下りである。その後いくつものピークを過ぎるが、なかなか七曜岳に着かない。エリアマップでは1時間15分ということになっているので、1時間で歩けるとふんんでいたら、きっちり1時間15分かかって標準コースタイムは、1時間30分であろう。 七曜岳手前に稚児泊まりという絶好のテント場(1張り分、水無し)があった。なにかの時には利用できそうだ。七曜岳には17時20分に到着。岩の頂上である。まだまだ行者還小屋まで1時間はある。

いくつかピークを越すと、見覚えのあるピークが見えてきた行者還岳だ。小屋へは左手のトラバース道を下っていく。梯子を降り、行者還小屋には18時15分に着いた。夕焼けがきれいだった。写真を数枚撮り、小屋に入って夕食の準備をする。メニューは、スパゲッティとわかめスープだが、その前に、焼酎お湯割りとつまみ2種を食べた。これも、貴重な栄養源だ。小屋は私ひとり。板張りの床にテントマットを敷いて、さらにエアマットを敷いたが、寝心地は悪かった。部屋の隅には毛布も数枚置いたあったが、ダニがいそうで手が出なかった。4時間ぐっすり寝た後は、1時間くらいおきに目が覚めた。

 

2日目は疲れ気味

4/15(日)4時起床。朝食はいつもの棒ラーメン。さらに昨日の朝食の残りのあんパンがあった。用意をして出発したのが、5時30分。昨日に比べると気が楽だ。天気は曇りで西風が冷たい。行者還まで足を伸ばしていて良かったと思った。予定では7時半には弥山に到着するはず。ところが、ところがである。

避難小屋には6時25分着。掘っ立て小屋で、雨よけくらいの小屋である。トンネル西口への道を右に見て、弁天の森に、7時15分着。???時間かかりすぎじゃない?改めて、エリアマップを見直したら、なんと一区間のコースタイム50分を入れ忘れていた。もし、予定通り小笹宿泊まりだと、あせるところだ。今日は余裕があるので、なんともないが冷や汗ものだった。弥山への登山道には、雪がかなり残っていた。弥山には8時20分着。行者還の小屋から3時間かかった。

小屋の横にあった案内図によると八経ヶ岳の先の明星ヶ岳から川合に下る道に合流する登山道ができているようだ。 ちなみにコースタイムは、弥山(30分)八経ヶ岳(20分)明星ヶ岳(1時間10分)高崎横手。高崎横手というのは、狼平から30分ほど川合方面に下ったところである。5分ほど写真などを撮って休憩ののち、狼平に下る。以前歩いたときはすぐだったような気がしたが、今回は長く感じた。やはり疲れているのか。コースタイム通り45分かかって狼平に到着。うわさに聞く立派な小屋が建っていた。家へのおみやげに沢の水を2リットル汲み、ザックに詰めた。

今回の下山道で確認することがあった。それは、弥山川沿いの登山道から登った場合に、取り付きの金引き橋へもどる登山道を確認することだ。頂仙岳のトラバース道を過ぎ、ピークを3つ越えた鞍部に黄色と赤テープに加えて「金引橋、熊渡」と書かれた白いプレートがあり、右下方に赤テープを巻かれた灌木が続いていた。狼平から1時間10分ほどのところである。

長い下り道をこれでもかというくらい下って、栃尾辻を経て天川川合に12時35分に到着した。ほぼエリアマップのコースタイムである。自分としては、コースタイムの8割で歩くことを目標としているだけに、ちょっと不満であったが、無理をして膝を壊したり、怪我をしてもつまらないので慎重に歩いた。天川川合でちょうど12時39分発のバスに乗ることができ、家に早く帰り着くことができた。筋肉をほぐすために、フィットネスクラブで水中ウォーキングとストレッチをした。その夜は、8時間以上ぐっすり眠った。翌日は、すこし筋肉痛が残っていた。久しぶりにしっかり歩いた山行だった。

今回のヒヤリハット

1、出発前に家でハイドレーションを2リットル用意し、ザックに詰め玄関に出たら、玄関が水浸しになった。ハイドレーションの吸い口を締め忘れたため、そこから1リットルほど水が漏れたためだった。幸いにも、吸い口をザックの外に出しておいたので、中身に被害はなかったが、もしテントの中だったりしたら、大変だった。要注意。

2、文中にも書いたが、コースタイムを一区間計算に入れるのを忘れていた。ギリギリの計画だったら最終バスに間に合わなかったりした可能性もある。

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