雪富士登山

山頂
富士山
分類
積雪期ハイキング
日程
2007年12月7日〜9日
概要
富士スバルライン5合目〜7合目小屋(幕営)〜富士山頂(往復)
コースタイム
12月8日(土)スバルライン5合目11:25−7合目小屋13:30(泊)
9日(日)幕営地5:00−富士山頂8:45_9:25−幕営地11:05_11:55−スバルライン5合目13:00

スバルライン終点は一大観光地

東名高速の美合Pで仮眠の後、御殿場ICで降りて、国道138号を北上、富士スバルラインを目指した。前日のHPで全線営業確認済み。
5合目の駐車場にはきらびやかなおみやげ物店や、レストハウスなどがあり、びっくりした。
 一応、ヘルメットをかぶり、ピッケルを持ち佐藤小屋を目指して出発した。途中では、雪道を歩いたが、佐藤小屋付近には雪がなく、火山灰の地面が広がるばかりなので、7合目まで登ることにした。
 火山性の砂礫の広い夏道を行く。6合目を過ぎたあたりから道に雪が現れた。風を避けられ、雪の得やすい場所を探しながら登って行った。

ガスと寒さで雪上訓練はキャンセル

7合目の小屋前にL字になった空き地があり、ちょうどテントのペグ代わりになる大きな石もあったので、そこで幕営することにした。(標高2800m)
 今回は、ダンロップの2〜3人用のテント+外張りである。テントを立て、炊事用の雪を集め、まずは水作り。そうこうするうちに、ガスがでてきた。
 当初の計画では1日目は雪上訓練をする予定で、ザイルや登攀具を持ってきていた。水を作り終えたのは2時30分頃で、その頃にはガスが出てきた。一旦テントに入ってしまうと出るのがオックウになってしまって、私はもうやめよう派。フッチーは当然出かける派。しかし、私の懐柔策によってフッチーも軟弱派に転落した。
 3時半頃から夕食を作り始めた。それができるまでは、私のとっておき焼きウルメとカワハギロールを網で焼き、それをつまみにホットウイスキーをちびちびやる。こういう時間が一番好きだ。
 さて、夕食はフッチー特製のマーボ春雨丼である。市販のマーボ春雨とペミカンを使った丼で、非常に美味であった。夕食後は何もすることがないから、5時半にシュラフに入った。しかし、夜は寒く、強風によるテントのはためく音でなかなか熟睡できなかった。

スープバスタはまずかった

午前2時45分起床。紅茶を飲み、朝食のコンソメスープ味のパスタ(ペミカン入り)を作ったが、水温が十分に上がらなかったためか、ゆですぎたのかスパゲッティ麺が、フニャフニャ・粉コナであまりうまくなかった。それでも大量の麺を二人で平らげた。

天気は上々

用意をして外に出ると、満天の星と 河口湖方面の夜景がきれいだった。寒さ対策を万全にし、ヘッドランプをつけ、午前5時出発。
 歩き始めは雪が少なく、火山岩の道をアイゼンでガリガリさせながら登った。やがて東の空が赤くなり出した。山肌との境目が赤紫に輝きだし、しばし見とれた。
 8合目の小屋を見上げると、ヘッドランプの明かりが2個見え、その明かりが降りてきた。我々より上に人がいたとは思っていなかったので、ちょっとびっくり。降りて来たのは、男女の2人パーティで、様子を聞くと強風のため、登頂をあきらめ降りてきたとのことだった。どれほどの強風なのか、少し不安になったが、行けるところまで行くしかない。
 8合目を過ぎたあたりから登山道に雪がびっしり付き出した。氷結しているほどではなく、アイゼンが小気味よく効く。ザクッというアイゼンの音とギュッというピッケルと雪の摩擦の音を聞きながら、ひたすら登る。

強風にタジタジ

本8合を過ぎると一面の雪面となる。夏道のロープも一部は雪に埋もれていた。そこでまた2人組のパーティが降りてきた。重装備からすると山頂で泊まられたのかもしれなかった。トレースに沿って登るが、時折強風のため耐風姿勢でしばし止まることもあった。一番強い風に出会ったときは、耐風姿勢をとっている間、ヤッケを通し寒気が忍び込んでくるし、目出帽をしていてもホオが凍傷になりそうな位で、このままこの強風が続くようならとても頂上まではいけないと思ったほどだ。
 幸いにもそれ以降はそのような風には会わず、ひたすらハァハァゼェゼェ苦しい登りを続け、やっと富士宮の鳥居をくぐり抜け、8時45分頂上に着いた。
  白山岳方面に空身で足をのばしたが、強風と寒さに剣が峰を眺め、写真を撮っただけで神社袖までもどった。小休止の後9時25分下山を始めた。

下山は楽々

下山は登りと違って、快調そのもの。この頃には強風も収まっていた。数パーティが、コンテやタイトロープの練習を兼ねて登ってきていた。
 幕営地に着き、テントを撤収。重い荷物を背負って再びスバルラインの5合目に着いたら、「頂上まで登ってきたの?」「素人でも登れるの?」と聞かれたり、写真を撮られたりでちょっと照れくさかった。
 帰りは、紅富士の湯で入浴。紅富士の湯は大きな施設で、大浴場や露天風呂もあり、湯船の正面に富士山がデ〜ンと見える。疲れをいやしながら、さっき登ってきた富士山を眺めるのは、なかなかいい気分だった。食事もして帰宅の途に着いた。
 今回は、加藤文太郎の「単独行」を読んで以来ずっと頭の片隅にあった雪富士を登れたこと、また富士山特有の寒気と強風を体験できたことに満足できた山行だった。