モジキ谷遡行

山頂
稲村ヶ岳
分類
沢登り
日程
2008年9月7日
概要
観音峰登山口〜御手洗渓谷〜モジキ谷出合〜遡行〜稲村ヶ岳〜洞川=観音峰登山口
コースタイム
9/7(日):観音峰登山口6:25〜御手洗渓谷終点6:50〜モジキ谷出合7:30-7:50〜遡行〜二俣9:30〜18m大滝10:30〜稜線12:50〜稲村ヶ岳12:55〜洞川15:20

 懸案のモジキ谷へ

モジキ谷は大学の時に遡行して、最後は木登りの連続で岩壁の下にでて、稜線まで4mほどのところで行き詰まった。ちょうど稜線を通りかかった人に助けを求め、持っていたシュリンゲを投げ、脱出したという苦い思い出のある沢である。
 その後、いろいろな記録を見ても、木登りの末岩壁の下にでたというものはなく、ルートを間違った可能性が高く一度ちゃんと遡行してみたいと思っていた。隙間の日曜日が空いたので、会のK藤さんと遡行することになった。

 天気予報は二転三転

 最近は天候が不安定で、局地的な豪雨が東北、甲信越、近いところでは三重県を襲い、岩登りのゲレンデとして通った藤内小屋が土石流のため崩壊するなど痛ましい事件が続いていた。
  奈良県南部については、国道309号線が行者還トンネルから北山方面で土砂崩れのため通行止めになるなど被害を出していた。   
 さて、日曜日に計画していたモジキ谷であるが、金曜日時点での予報は降水確率60%だったので、中止にしようと思っていた。しかし、土曜日朝の時点での予報は曇り時々晴れ、降水確率20%になっていた。遡行中止を中止して、実行することにした。  

 観音峰登山口は重宝

自宅の最寄り駅に21時に待ち合わせ、車で観音峰登山口へ。登山口には23時着。車内泊とする。駐車場には2、3台の車が停まっており、東屋には二人の方がシュラフにくるまっていた。翌朝あいさつしたら、釣人だった。登山口にはトイレや東屋があるので重宝する。   

 天気は上々

夜には星も出ていたが、翌朝は曇り。御手洗渓谷の遊歩道で白倉谷出合まで、さらに国道309号をモジキ谷出合まで歩いた。出合まで約1時間の道のりだ。ウォーミングアップとしては適当だ。出合で、一応ハーネスを着け沢に入った。
 すぐに取水口が現れ、右手の道から越す。すぐに1.5mの滝が現れ、右手から巻いた。谷が右手に曲がると小ゴルジュが現れた。水深はだいぶありそうだ。奥には2mの滝がかかっていて、登れそうもない。左手から巻こうと少し斜面を登ると、絶妙なバンドが落ち口まで続いていた。バンドをたどり、落ち口を越すとさらに、9mの斜瀑。この後、ナメが至る所に現れる。岩間滝を越しながら二俣には9時30分に到着した。以前来たときにもあった、ペンキ表示がまだ残っていた。
  ここまで、さしたる悪場もなく、気楽に遡行した。   

 大滝18m

 二俣を過ぎ、1時間ほど歩くと左手から水しぶきを上げて滝が落ちていた。正面にも滝が続いているので、水量によっては、正面が本谷と間違えるかもしれない。
 これが、モジキ谷で一番落差のある大滝18mであった。左手の岩壁も登れそうな気がしたが、大事をとって正面の小滝を越え、右手から巻くことにした。ここには、トラロープも張られていたが、それに従って登り過ぎるのは後で苦労しそうだ。私たちは正面1つ目の滝を越えたところで谷にもどり、次の滝を登り、左手のガレ場を左上、大滝を小さく巻き、次の7mの滝は水流沿いを登った。Webの記録を読むと、大滝の左の岩壁を登っているパーティもあったので、さもありなんと思った。

 最後はヤブ漕ぎもなく稜線へ

その後も3段12mの滝などあらわれ、水量は少ないものの楽しく遡行した。
 最後は、草付きを登り、シャクナゲのヤブ漕ぎもなく、稲村ヶ岳とバリゴヤの頭をつなぐ踏み跡にでた。私が、大学の時に間違えたのはどこか結局わからなかった。
  稲村ヶ岳で着替え、快調に洞川まで下山した。バスを待つ間に豪雨が降り出した。   バスの運転手さんが観音峰登山口のバス停ではなく、私たちの車のある駐車場で降ろしてくれたのは、ありがたかった。

 感想

地上では集中豪雨などがあり、不安定な天候の中、まずまずの天候に恵まれて懸案のモジキ谷を遡行することができた。大学時代に遡行したときは、最後は岩壁に阻まれ、左に細いバンドをトラバースするか、上方の砂で滑りそうな斜面を登るか、進退窮まったことを、昨日の事のように思い出す。
 今回遡行してみて、どこかで間違えたことは確実となった。個人的には一応ケリをつけることができて満足だ。
  モジキ谷は特にザイルなども必要なく、初心者でも楽しく遡行できる谷で推奨できる。特にナメがきれいだ。
 遡行の仕方は、岩を少しはじめた今はたぶん1年前の私とは違ったものになっていただろう。途中、ボルダムーブなどもあり、沢自体は易しかったが楽しめた。こんな私に付き合ってくれたK藤さんには感謝したい。

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モジキ谷出合で準備

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小ゴルジュ

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大きな釜を持つ滑滝

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7m滝

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18m大滝

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3段12mの滝途中

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最後のつめ

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稲村ヶ岳頂上にて