前鬼川孔雀又谷・右俣遡行

山頂
釈迦ヶ岳
分類
沢登り
日程
2008年9月27日〜28日
概要
前鬼林道ゲート前駐車場〜深仙股谷出合〜アメシ谷出合〜奥駆道〜釈迦ヶ岳
太古の辻〜前鬼宿坊〜駐車場
コースタイム
9/26(金):高の原駅前23:00発〜道の駅(仮眠)
9/27(土):道の駅〜前鬼林道ゲート前駐車場8:35〜深仙股谷出合11:20〜逆くの字滝12:25〜孔雀又谷・左俣出合13:50〜アメシ谷出合14:06〜12m滝手前Co1070mテント場15:05
9/28(日):テント場7:25〜 40m滝7:45〜多段40m滝9:45〜奥駆道10:35〜釈迦ヶ岳12:17〜前鬼宿坊14:35〜駐車場15:00

 癒し系の沢へ

今回は癒し系の沢ということで、行けそうでなかなか機会がなく、行きそびれていた前鬼川に行くことにした。幸いにも、K藤さん、T村さんという沢慣れたメンバーが手を挙げてくれ、3人での出発となった。
  高の原駅23時出発。上北山道の駅までは、とても目がもたず、吉野路大淀iセンターで仮眠。朝方、となりの大型トラックがアイドリングを始め、その音に眠りを覚まされてしまった。
  眠い目をこすりながら、5時40分頃出発。国道169号を上北山村に向かって南下した。白川橋を渡り、次に前鬼橋を渡ったところで右折。前鬼林道に入った。林道はところどころ落石があり、要注意。途中、不動七重滝の展望台では、滝の雄大な姿を望むことができた。

 天気は上々

ゲート前駐車場を8時35分に出発。黒谷の吊り橋を渡り、その際から谷に降り、黒谷を下った。8時50分前鬼川出合に到着。うわさどおり水は澄んでアクアブルーだ。その水流の中を遡上していった。
  やがて、右に大きく曲がると、2段10mの滝があらわれた。F1である。右側を登り、滝の落ち口を右岸に渡渉する。ほんの3mほどだが、ガイドブックにもあるように、念のためスリングで確保して渡った。水量が少ないのだろうか、まったく問題もなく渡ることができた。   
 その上流には川一杯のナメが広がっていて、思わず歓声を上げた。   

 山はもう秋

箱状の廊下も予想よりずっと明るく、澄んだブルーの水をたたえていた。その先が滝谷との出合だったが、そこには、黄色や赤に紅葉した落ち葉の上を清廉な水が流れるみごとな滝が落ちていた。右側を簡単に越え、滝谷を渡り、巨岩が累積する本流にもどった。10時30分。

 どこまでも美しい流れ

その後も、アクアブルーの渕や滝を越しながら沢を辿った。7mの斜瀑F6には10時57分到着。左から巻き気味に登った。 ところどころに釣り人が使ったのか、トラロープが残置されていた。 
  深仙股谷の出合には11時20分到着。巨岩が谷を埋めているので、思わずそのまま左に行きそうになるが、右の沢が本谷である。
  出合を過ぎると、F7逆くノ字形6mが現れた。右岸を簡単に巻けるのだが、T村さんが果敢に挑戦した。その結果は・・・。
  ゴーロを越えていくのに、少し消耗ぎみ、なかなかクジャク股左俣の出合に着かない。なんどか左からはいる谷がクジャク股左俣ではないかと地図や高度計を見るが、それより南側の谷であった。
  そのうち、きれいな釜に耐えきれなくなったのか、T村さんが釜を泳ぎだした。「気持ちいい!」を連発しながら立ち泳いで滝に取り付いて登ってきた。

 やっと二俣に

延々とゴーロを越えて行くと、やがて上流に岩峰が見えてきた。あれが五百羅漢と呼ばれるものかと納得した。それからすぐにクジャク股左俣との出合に到着。13時48分。さらにそれからしばらく歩くと、アメシ谷出合だった。大きな岩があって見過ごしそうな出合だった。
  今日のテント場は、アメシ谷を過ぎてCo1070mの12m滝の手前と決めていた。りっぱな12m滝手前の右岸に適当な場所があったので、ザックを降ろした。到着は15時5分だった。
  右岸の涸れ谷には、たき火の材料となる廃木がたくさんあった。寒くなりそうな予報だったので、それを燃やしきれないくらい集めた。
  たき火の回りに集まり、ウィスキーとつまみでちびちびやりながら、夕食の準備。夕食はK藤さん特製野菜スープ。重いのに生のじゃがいもやタマネギを持ってきてくださった。ベーコンやコンソメの出汁がよくきいて、おいしくできあがった。21時ごろまでおしゃべりした後、ツェルトに横になった。寒くなりそうだったので、3人ともシュラフを持ってきていた。夜は思ったほど寒くならず、ぐっすり眠れた。

 核心の滝がふたつとも本に載っていない!

翌朝は、7時25分に出発した。天気は曇りである。
  この12mの滝は、ガイドブックに載っていなかった。さらにそこから進んだCo1090m付近にある40mの滝もガイド本に載っていなかった。この二つの滝の巻きが核心だと思う。
  12mの滝は、昨日からどのようにして巻こうかと考えていたが、左のブッシュ帯を直上するルートをとった。また、40mの滝は、左のルンゼを少し登り、そこからトラバースしてブッシュ帯に入り、そこを直上した。どちらも、それほど大きく高巻くことなく越すことができた。
  なぜ、この二つの大きな滝がガイドブックから抜け落ちているのか不思議だった。

 すごい崩壊地を行く

その先、階段状の40m程度の涸れ滝を登ると、Co1250m地点では、左から大きな涸れ谷が入ってきた。それを過ぎると左右におおきな崩壊地が現れ、岩が谷を埋めていた。
  しばらく登ると、ほぼ涸れている多段40mの滝が現れた。それを快適に登り、さらにルンゼ状の滝を登るとやがて水も切れ、トウヒの森に入っていった。スギゴケとシダが茂る森を稜線の奥駆道をめざして登った。森の中には、縦横に獣道が走っていた。

 奥駆道から前鬼

快適な原生林をしばらく登ると奥駆道に飛び出した。10時35分だった。沢道具を仕舞って、縦走の用意をし、出発したのは11時になっていた。
  12時15分に釈迦ヶ岳に到着。おふたりの先客がいらっしゃった。証拠写真を撮っていただいて、さっそく下山。太古の辻を経て、前鬼へ向かった。途中、二つ岩という奇岩を過ぎ、前鬼宿坊には14時35分到着。駐車場へは、15時着という快調なペースで歩けた。
  帰りは上北山温泉に入り、汗を流した。 

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F1

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川一杯のナメ

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この水の色を見てください

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落葉の上を流れる滝谷出合の滝

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逆くノ字の滝にトライ!

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五百羅漢を望む

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テント場前の12m滝

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40m滝

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崩壊地を行く

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トウヒの原生林を登る

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釈迦ヶ岳頂上にて