プレ冬山行(八方尾根)

山頂
唐松岳(敗退)
分類
積雪期ハイキング
日程
2008年11月22日〜23日
概要
八方尾根スキー場〜八方尾根(2120m地点泊)〜八方尾根(2360m)〜スキー場
コースタイム
11/21(金):京都駅23:00 発 −白馬道の駅27:30着
11/22(土):白馬道の駅−八方尾根駐車場7:00−アルペングラッドリフト終点9:20〜八方池山荘 11:55〜八方池手前トイレ13:20〜 2120m地点テント場15:00(泊)
11/23(日):テント場発 07:50〜 2360m地点9:35〜テント場10:25(昼食)〜 12:35発〜八方池手前トイレ13:25〜八方池山荘14:00〜アルペングラッドリフト終点14:30〜駐車場15:00−帰京

 プレ冬山行で唐松岳へ

昨年はいろいろな事情から11月下旬のこの連休にプレ冬山行に行けなかった。今年こそはと思っていたら、八方尾根から唐松岳に行くことになった。八方尾根は夏に数回、今年の春にも行っている。正直、初心者向けの雪上講習会かくらいに気軽に考えていた。 

 大雪を軽く見過ぎた

数日前から、天気をチェック。11/19(水)くらいから真冬並みの寒波が到来。後立山の降雪も予想できた。ライブカメラで見ると道路にも雪が積もっていた。八方尾根スキー場の積雪状況を前日に見たら、兎平で80cmとなっていた。この時点でワカンなりスノーシューを持参すると決めればよかった。
 しかし、どこかに油断があったのだろう。「まあ、なんとかなるだろう。」結局、ワカンを持参しないという甘い判断をしてしまった。事前の高層天気図を含めての天候チェックはなんのためだったのか。

 道の駅も真っ白

白馬道の駅も真っ白だった。スキー場のゴンドラ駐車場までは4WDに切り替えて、運転した。駐車場は融雪のための水が流れており、とても共同装備を分けたりできないので、ゴンドラリフト乗り場で行った。 ゴンドラリフト、アルペングラッドリフトと乗り継いで登山口へ。春は運行していたグラートクワッドリフトは運休。八方池山荘までは徒歩で登らなければならない。

 油断のむくいが現実のものに

先行パーティが登り始めていた。20分ほどしてふと上方に目をやると、なんと50mも進んでいないではないか。我々が後に続いて、途中で追い越した。ショートスキーのパーティはどんどん登っていく。
  F澤さんのみがワカンを持参していたので、比較的楽に登っていく。その後に残り7人が続く。ツボ足ではラッセルが厳しい。私は、山野井泰史が単独で南アルプスを縦走したときに多用したと聞く、4つんばい法で登る。歩みはのろいが、あまり沈むことなくリズミカルに登っていける。K山さんにも勧めてみたが、しんどいようでしばらくして止めてしまった。U多さんは4つんばい法で付いてくる。前と後の差がどんどん開いてしまった。さんざん登ったあげく、ガスが晴れてリフト乗り場が見えたとき、まだ100mほどしか登っていないことがわかり、あまりのがっかりに大笑いした。
  結局、八方池山荘まで2時間半もかかってしまった。

 強風の中で

八方池山荘に着いた頃から、ガスが晴れ、青空も見え始めた。ただし、雪が舞い、風は強い。その分、雪が締まっているので、スキー場よりは歩きやすかった。ケルンも見えているので、ルートに関しての不安はなかった。
 八方池付近では、白馬本峰や不帰岳を望むことができた。
 しかし、それもひとときの事で、ふたたびガスが出て、時間も15時近くになってきたので、稜線上の疎林がある2120m地点を泊場と決め、風雪の中整地し、テントを張った。他の2パーティも前後して、このあたりにテントを張っていたようだ。

 さて、どうする?

夕食時に、これからの予定について話し合った。天気予報によると24日(月)午後から雨の可能性が高い。F澤さんは23日(日)夕方には仕事の関係で下山しないといけない。もし、23日(日)に唐松岳まで行けたとしても、23日夜に大量の降雪があった場合、ワカンなしで下山できるのか不安だった。それなら、23日に福澤さんと下山してしまおうかという話もでた。とりあえず、翌日の天気の様子をみて決めることにした。

 翌日もガスと風雪

翌朝、外はガス。雪もちらついている。唐松岳登頂は無理だが、2360m地点までは行ってみようと出発した。風雪が厳しい(F澤さんによると「そよ風みたいなもの」らしいが)。冬の後立山の厳しさをかいま見た気がした。それだけでも、今回来た甲斐があったというものだ。

 下山

風雪の2360m地点で記念写真。下りにかかった。帰りは速い。テント場には、10時30分ごろに着いた。この天気から、もう今日中に下山することに決まったので、夕食用のカレーを昼食用にして食べようということになった。テントに入り、K山さん特製の豪華なカレーの昼食。食べ終わって、テント撤収時には、またもや風雪となっていた。テントを飛ばされないように注意しながらの撤収になった。
  強風の中12時35分下山を開始した。雪とガスで視界は悪かったが、なんとか視認できたケルンを目指して歩いた。リフト乗り場終点に到着したときには、正直ホッとした。
  リフト、ゴンドラを乗り継いで、駐車場へ。みみずくの湯で汗を流し、出てきたときには雨が降っていた。下山後の天気が悪くて、あまり悔しい思いをせずに、帰京できた。

 感想と反省

八ヶ岳の冬は何回か体験していたが、「やはり、冬の後立山は厳しい。」ということを実感したプレ冬だった。強い風と雪。テントを張る間にもどんどん降り積もる。地面においた道具も、どこにあるかわからなくなる。リュックも雪まみれになる。ひとつひとつの動作、作業をきっちり確実にしないと凍傷の危険性も高くなる。
  頭ではわかっていても、実際に体験しないとわからないことも多い。そういう意味で貴重な体験だった。
  反省点としては、今回は気力が足りなかったことがある。冬山の厳しさにちゃんと向きあうには、それなりの覚悟が必要だと思った。


リフト終点からの登り


八方池山荘からの登り


八方池手前のトイレ(もちろん閉まっている)


不帰1峰、2峰を望む


一瞬、白馬本峰を望む


稜線の登り


2日目の朝


2360m地点にて