雲ノ平周遊縦走(夏合宿)

山頂
雲ノ平
分類
無雪期ハイキング
日程
2009年8月11日〜16日
概要
折立〜太郎兵衛平〜黒部五郎岳〜三俣蓮華岳〜鷲羽岳〜雲ノ平〜折立
コースタイム
8/11(火):京都21:00発−有峰林道亀谷口25:30(車中泊)
8/12(水):折立7:20〜五光岩ベンチ9:50〜太郎平小屋10:35〜太郎兵衛平キャンプ場11:00(泊)
8/13(木):雨のため停滞
8/14(金):キャンプ場4:35〜北ノ俣岳6:35〜赤木岳7:20〜黒部五郎岳9:40〜黒部五郎キャンプ場11:50(泊)
8/15(土):キャンプ場4:30〜三俣蓮華岳6:20〜三俣山荘7:05〜鷲羽岳8:30〜祖父岳10:15_10:50
      〜スイス庭園11:35〜雲の平キャンプ場11:50
8/16(日):キャンプ場3:00〜薬師沢小屋6:00〜太郎平小屋8:15〜折立11:20−京都21:00

 夏合宿は縦走班

「夏は沢」と決まったものだが、今年は先の例会山行で左足首捻挫という失態を犯してしまった結果、リハビリのため縦走班に入った。行き先は、いろいろ検討した結果「雲ノ平周遊縦走」に決まった。メンバーは4人である。中には縦走は初めてというメンバーもいる。

 1日違いで深夜割引のみ

京都駅21時出発。名神から北陸道へ。立山ICを降りて有峰林道亀谷口をめざす。翌日からはお盆割引で高速1000円だが、1日前で深夜割引のみの3450円なり。有峰林道は午前6時からしか通行できないため、亀谷のゲート前駐車場で車中泊となった。蚊に数カ所(足の裏を含む)刺されてかゆい思いをした。
 朝6時にはゲート前に車が並んだ。そう急ぐ必要もないので最後にゲートをくぐる。通行料1800円なり。帰りにも徴収されると思っていたら、帰りは無料だった。
 折立には駐車場からあふれた車が路肩にまで停まっていた。適当な空き地があったので、そこに駐車。それぞれ用意をして(私は重大?な忘れ物2つあったのだが・・・)7時20分に出発。登山口で登山届を提出した。

 やはり百名山効果か

登山口からしばらくは樹林帯の登りである。中高年の登山者が多い。さっそく渋滞である。おそいパーティは道を譲ればいいのだが、そういうこともご存じないらしい。しかし、他のパーティが休憩をとる中どんどん登り、渋滞を抜けることができた。
 1870mの三角点に着くと展望もよく薬師岳やその左に剱岳も望むことができた。五光岩ベンチを過ぎるあたりからは池塘があらわれ、高山植物も豊富に咲いていた。もう終わったと思っていたニッコウキスゲも見ることができた。
 木道をひたすら登り、太郎平小屋には10時35分に到着。売店では生ビールを1000円で売っていた。テント場まで少しあるので、がまんした。
 太郎兵衛平のキャンプ場は、水場も近くトイレもきれいで快適だった。
 天気もいいので、テント前でお茶をしたり食事をとったりとのんびり過ごした。

 2日目は雨で停滞

2日目は、雨模様の予報だった。午前3時ごろには強い雨が降っていたし、5時ごろには一旦雨はやんでいたものの空は暗く、他のパーティが出発するなか、即停滞と決めた。この日は時折はげしく雨が降ることも多く、出発しなくてよかったとメンバーで納得しあった。
 今回は、個人的に缶ビール4本、白ワイン500ml、ウィスキー350ml、つまみ数種を持ってきたので、それらを飲んで昼寝をしたり談笑したりでだらだら1日が過ぎた。

 3日目は快晴

さて3日目は昨日の雨がうそのように、快晴だった。前日の予報では、昼頃から晴れてくるという事だったが朝から晴れていた。
 午前3時起床、4時35分にはテントを撤収して出発した。当初は、ガスがかかっていた。ガスがかかった風景も幻想的でいいものだ。このあたりは池塘も多く、高山植物も豊富で、癒される空間である。
 日が昇るにつれてガスも晴れてきた。北ノ俣岳、赤木岳をすぎ中俣乗越へ。黒部五郎岳への急坂もペースをゆっくり着実にとって登った。頂上には9時40分に到着した。マップに大展望と書いてあるとおり、南は、笠、乗鞍、さらには白山。南東には槍穂高連峰、北には薬師をはじめ後立山連峰とまさに大展望というにふさわしい頂上だった。カール道との分岐から、頂上まで荷物を背負って登ったので、そのまま稜線上をキャンプ場まで下ることにした。岩稜帯で左足首をかばいながらの下山に時間がかかった。
 岩稜帯をすぎるとなだらかな斜面にチングルマのお花畑が広がっていた。黒部五郎岳を背景にした別天地のようなお花畑だった。そこからテント場までは、30分程度だった。
 12時前にはキャンプ場に着いた。黒部五郎キャンプ場は近くに沢が流れていたので、そこで左足首をアイシング、ついでにビールを冷やした。(どっちがついでやねん!)やっぱりビールは冷えていなくっちゃ!!
 トイレは、小屋の裏側のを使うが大用は2つしかなかった。またまた、午後はのんびりまったり過ごした。

 4日目は雲ノ平へ

さて、4日目は三俣蓮華岳、さらに鷲羽岳を越えて岩苔乗越へ、祖父岳を経て、雲ノ平キャンプ場までだ。三俣蓮華岳、鷲羽岳への長い登りがある。ペース配分が大事だ。
 暗い中、ヘッドランプを点けて2661への急坂を登る。道はしっかりしていて登りやすい。途中、日の出と共に黒部五郎岳、薬師岳がモルゲンロートに輝いた。美しい。黒部乗越には5時45分に着いた。いいペースだ。トラバース道をとらずに、山頂に向かう。三俣蓮華岳の山頂には6時20分に着いた。まだこの時間では涼しい。さわやかな山頂の空気を思いっきり吸う。記念写真を撮り、三俣山荘へ。道は南側からぐるっと回り込むように付いている。三俣山荘からみる鷲羽岳の登りはなかなかのものだ。メンバーにどのくらいで登れるか予想時間を聞いてみた。縦走が初めてのS築さんは2時間、K下さんは40分、H田さんは1時間、私は45分とみた。
 実際登ってみると、1時間10分でH田さんがニアピン賞だった。かわいらしい山頂標識の前で、槍穂高を背景に記念写真。
 ワリモ岳は少し岩稜があった。岩苔乗越との分岐にはたくさんのザックがデポされていた。たぶん、水晶岳を往復しているのだろう。我々は、事前に相談の結果、今回はパスすることにした。
 岩苔乗越に下り、祖父岳へ登り返す。なだらかな地形に似合わず登山道には木製のハシゴなどもかかっている。祖父岳の山頂はなだらかで広く、火山岩がごろごろしていた。時間も10時15分と早かったので、お茶することにした。ゆっくりコーヒーを飲んでくつろいだ。
 広い山頂はルートがわかりにくく、ケルンが多数積まれていた。そのケルンと踏み跡に導かれ、雲ノ平キャンプ場へ向かう。やがて木道に突き当たった。右は雲ノ平、左は三俣と書いてあったので、雲ノ平方面に向かった。下方にはキャンプ場が見えていたので、ほんの20分もあれば下れそうに思ったのだが・・・。
 道はどんどん右の尾根に伸びていった。地図で確認すると、分岐で少し左に行くとキャンプ場へ下る道があったのだ。まあ、雲ノ平の散策のつもりでのんびり歩いた。スイス庭園は水晶岳を背景にきれいなところだった。やがて雲ノ平山荘とキャンプ場への道に合流し、念願のキャンプ場に到着。11時50分になっていた。
 キャンプ場は、下地が湿っているところも多かったが、なんとか適当なサイトを見つけテントを設営した。
 近くに沢が流れていたので、足首をアイシングするついでに、ビールを冷やした。(どっちがついでやねん!!)
 S築さんは、山荘まで往復1時間弱の道をビールを買いに行ってくれた。スリッパ履きでビールを2本両手に持って帰ってくる姿には笑えてしまった。小屋ではビールが品薄で2本買おうと思ったら、最初は断られ、2人分ですと言って初めて売ってくれたらしい。皆さん注意しましょう。
 H田さんも夕食後(といっても4時過ぎだが)散策に出かけたりしたが、私はテントでシュラフにくるまっていた。

 5日目は9時間行動

いよいよ最終日。薬師沢小屋まで3時間、太郎平まで3時間、折立まで3時間を見積もって、合計、折立まで9時間の行動を予定した。
 暑くなってからの行動は辛いので、午前1時半起床、3時出発とした。
 気圧の谷が日本海を通過した影響で前日午後9時ごろに雨が降り、さらに起床した時にも小雨が降っていた。しかし、行動を開始してすぐに雨はやんで、空には細くなった上限の月と星が瞬いていた。
 雨に濡れた木道は滑りやすく、慎重に行動した。
 木道がなくなってからの急坂がきつかった。ゴーロ状の登山道なのだが、岩がぬめっていて飛び石づたいに降りるというわけにはいかなかった。ちゃんと手を使って3点支持で降りるという具合で、ヘッドランプを点けての行動ということもあり、神経を使った。途中で明るくなり、薬師沢小屋には、ほぼ予定通りの6時に到着した。
 小屋の表の黒板には最近の遭難状況が書かれていたが、木道で転倒して骨折というのもあった。さもありなん。
 小屋から太郎平までは3時間弱の登りである。H田さんのペースが速かったせいか、途中でS築さんがバテてしまった。S築さんの共同装備と水を手分けして持ち、ゆっくりしたペースで歩くことにした。
 それでも、出発してから2時間15分で太郎平小屋に着いた。後は下りのみである。
 初日に登った道を、ふたたび下る。私は左足首をかばいながらなので、ペースはそれほど上がらなかった。折立まで約3時間かかった。
 車にもどり、亀谷温泉の白樺ハイツで汗を流し、「おまかせランチ」700円を食べ、お盆最終日で渋滞の高速を京都まで帰った。渋滞にもかかわらず21時には京都駅に着くことができた。
 2つの重大な忘れ物は何かって?
 一つは、私がみんなに進言したテント生活用のサンダル。(登山靴に履き替えたときにそのまま車に放置してしまった。)
 もうひとつは、夕食のポトフ用に買って置いたシャウエッセン2袋(保冷袋に入れて、車に忘れてしまった。)でした。
 さいわいK下さんもシャウエッセンを持って来ていたので、それを3分の2拝借して夕食に使い、事なきを得ました。

 感想

今回はひさびさの縦走で夏山らしい夏山を楽しむことができました。
コース自体が余裕のある計画だったので、1日の停滞があったにもかかわらず、予定通りの行程を歩きとおすことができました。メンバーも歩き方やペース配分の仕方、テント生活のノウハウなど、いろいろと得るところが大きかったのではないでしょうか。それにしても3000m級の夏山でも午前8時を過ぎると暑いということを実感しました。
 やっぱり夏は沢だ!!
 下りでは左足首をどうしてもかばいながらなので、ペースが上がらず忸怩たる思いでした。足首にはやや痛みがあったものの、それほど問題はありませんでした。安心して歩けるよう、もう少しリハビリ山行を続けて、早く沢やアルパインに復帰したいと思います。 

  この山行で出会った花たち


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よも山亭ホームへ
   
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太郎平への登り

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木道が小屋まで続く

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太郎平小屋

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ガスの中の道

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池塘と薬師岳

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笠が岳と焼岳と乗鞍岳

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黒部五郎岳山頂

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お花畑と五郎岳

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黒部五郎キャンプ場

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モルゲンロートの黒部五郎岳

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モルゲンロートに輝く薬師岳

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三俣蓮華岳山頂

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鷲羽岳

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鷲羽岳への登り

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鷲羽岳山頂

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ワリモ岳水晶岳方面を望む

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祖父岳と黒部五郎岳

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祖父岳山頂

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スイス庭園にて

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雲ノ平キャンプ場

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薬師沢小屋

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やっと折立に到着