烏帽子岳・野口五郎岳縦走(秋をみつけに)

山頂
烏帽子岳&野口五郎岳
分類
無雪期ハイキング
日程
2009年9月19日〜22日
概要
七倉〜船窪新道〜船窪岳〜烏帽子岳〜野口五郎岳〜湯俣温泉〜高瀬ダム
コースタイム
9/19(土):京都22:00発−恵那峡SA(車中泊)
9/20(日):SA−豊科IC−七倉8:15_8:30〜鼻突き八丁11:00〜天狗ノ庭11:50〜船窪小屋12:30
      〜テント場13:00(テント泊)
9/21(月):テント場5:30〜船窪第2ピーク6:55〜不動岳8:56〜南沢岳10:25〜烏帽子分岐11:26〜
      烏帽子岳11:55〜烏帽子小屋13:00(テント泊)
9/22(火):テント場5:15〜野口五郎小屋7:35〜真砂岳分岐点8:22〜南真砂岳9:15〜湯俣岳10:30
      〜湯俣温泉12:00〜高瀬ダム14:45

 秋をみつけに

誰が名付けたかシルバーウィークに烏帽子岳・野口五郎岳の縦走を思いついた。標高が低く見栄えのしない山が連なっているマイナーな山域である。少し足をのばして野口五郎岳のピークを踏み、湯俣温泉に降りて、露天風呂で汗を流すというプランである。
 メンバーを募ったところ、K下さん、Y浅さん、S築さんが参加してくれることになった。K下さん、S築さんは夏合宿のメンバーである。
 メンバーの仕事の都合で、土曜日夜発となり、七倉へ向かった。

 どこがマイナーか

七倉の駐車場に着くと、車車車の列であった。駐車スペースが見あたらず、やむなくトンネルの出口付近に止めた。
 七倉荘前には、立派なトイレと登山指導所があり、タクシーが待っていた。帰りには、高瀬ダムからここ七倉までお世話になる予定だ。高瀬ダム〜七倉間は2100円となっていた。船窪新道へは、林道を進みトンネルの手前で右に入る。道標があるので、間違うことはないだろう。
 北アルプス3大急登のブナ立尾根に匹敵すると言われる船窪新道、胸突八丁ではなく、鼻突八丁と呼ばれる坂もあるらしい。さてどんな道であろうか。

 つづら折り、そしてハシゴ

樹林帯の中を、つづら折りに登っていく。振り返ると七倉ダム湖も見え隠れする。登山道はよく整備されていて歩きやすい。鼻突八丁と呼ばれるところは、ハシゴが連続してどんどん高度を上げていく。
 そこを過ぎると灌木帯に入り、見通しが良くなった。ナナカマドなどの葉が色づいていて、秋山を感じる。やがて森林限界を超えると、天狗の庭という展望のいい場所に出た。中高年のパーティがおおぜい休憩している横をすり抜けて先を急いだ。高瀬ダムも遠望できた。天気がいいのはうれしいが、如何せん夏山のように暑い。
 紅葉真っ盛りとは言えないが、黄や赤に色づき始めた低木の中を登っていくと、突然船窪小屋があらわれた。
 親切にも小屋の方がお茶を振る舞ってくれた。ビールを買ったが、そのビールは冷やされていて感激!
 テント場までは、ほんの15分で着いた。狭いが落ち着いた場所である。水場は崩壊地の中にあるようで、水汲みのお勤めはビールを飲んだ私とS築さんは免除。念のため、K下さんとY浅さんのおふたりで水汲みに行ってもらった。多量の水を運びあげてくれたK下さんに感謝である。ウィスキーとつまみを食べながら、まったりとした午後を過ごし、本日の夕食ドライカレーに舌鼓を打った。
 17時47分頃きれいな夕焼けに感激。
 すぐ就寝。

 コースの核心へ

さて、縦走2日目。アップダウンのはげしい縦走路を烏帽子岳まで歩く。5時25分出発。船窪乗越までは、150mも高度を下げる。ああ、もったいない。左側の不動沢側は崩壊がはげしい。なるべく右側を歩くようにする。途中には、岩場をクライムダウンする箇所などがあり、気を抜けない。
 船窪乗越には先行者がいたが、お先に失礼してさらに2459mの船窪第2ピークへ向かった。出発して1時間半で到着。
 不動岳が前方に凛とそびえている。小さなピークを2つ越し、不動岳の頂上へ。振り返ると立山や剱がりっぱにそびえていた。
 さらに南沢岳に向かって200mほど下降し、再び220mほど登り返す。斜面の紅葉がきれいだった。頂上には10時25分に到着。気持ちのよい稜線を烏帽子岳を目指して歩いた。
 烏帽子岳のふもとには四十八池と呼ばれる池塘がちらばっている。それらと紅葉の取り合わせがすばらしく美しく、いつまでも眺めていたい気分だった。
 山頂への分岐から見る烏帽子岳は、まるで宝剣岳の岩壁のように凛としてかっこよかった。分岐に荷物をデポして、山頂へ向かった。上部の岩場は、鎖が付いているが高度感満点。ふもとの紅葉がちりばめられた景色を満喫した。
 烏帽子小屋までは、ほんの30分程度。エリアマップには水場の記載があったが、小屋の人によると水場はないとのこと。1リットル200円で一人3リットル買った。ビールは水に化けた。
 この日は、ビーフシチューに舌鼓を打ち、赤ワインを楽しんだ。
 我々が夕食を終えて、就寝準備をしている頃にも続々と登山者が到着して、テント場はいつまでもにぎやかだった。

  天候が悪化

翌朝、空を見上げるとどんよりした曇り空だった。
  予定通り、野口五郎岳を越えて湯俣温泉に降りるつもりである。歩き出してしばらくすると東の空に太陽が顔をのぞかせたが、真っ赤な朝焼けであり、天候の悪化が予想された。気温も昨日までとはまったく違って手がかじかむくらいに寒かった。
 野口五郎小屋には、7時35分に到着した。この頃から霧雨が強くなってきたので雨具を着て、今後のために、行動食をとったりした。
 野口五郎岳の頂上は通らずに、西側を巻いて、真砂岳分岐に向かった。ガスが深く、現在地も把握しづらかった。
 真砂岳分岐から湯俣温泉に向かう道は、はじめは、這い松の枝などがかぶり、あまり歩かれていない印象だったが、整備はよくされていた。
 湯俣岳から先は、作業道でもあるのか、よく踏まれた歩きやすい道だった。S築さんは、登山を始めて間もないのに快調なペースで下って行かれた。
 足が相当疲れた頃にやっと湯俣温泉に着いた。あたりには硫黄のにおいが立ちこめていた。
 天気がよければ、川辺の露天風呂にでも浸かってゆっくりしようかと思っていたが、あいにくの天気では、その気にもならず、そのまま高瀬ダムに向かった。2時間45分歩いてやっと高瀬ダムに到着。
 ちょうどタクシーが待機していたので、それに乗って七倉までもどった。


よも山亭ホームへ
   

鼻突八丁

高瀬ダムの向こうに槍ヶ岳

紅葉の道


船窪小屋


1日目の夕焼け


気を抜けない道


不動岳


振り返ると針木岳がりっぱ


南沢岳への道


烏帽子岳への稜線


四十八池


烏帽子岳の紅葉


分岐から見る烏帽子岳


烏帽子岳頂上にて


ガスの中のカール


湯俣岳


硫黄尾根の奥に北鎌尾根を見る


やれやれ、やっと到着