3月の五竜岳

山頂
五竜岳
分類
積雪期ハイキング
日程
2010年3月19日〜20日
概要
五竜遠見スキー場〜小遠見山〜大遠見山〜西遠見山手前のコル(ベース)(往復)
コースタイム
3/19(木):山科駅21:30発〜恵那峡SA24:00着(仮眠)
3/20(金):SA〜五竜遠見スキー場7:40-9:10〜一ノ背髪10:20〜小遠見山11:10〜大遠見山12:40
      〜西遠見山手前のコル(テント泊)13:50
3/21(土):起床5:00-6:35〜リフト降り場8:50〜ゴンドラ乗り場9:00

 天気予報はコロコロ

3月下旬の連休は、メンバーがそろえば鹿島槍の天狗尾根か唐松五竜の縦走、長野北部の天気が悪くて南部が良い場合は、塩見岳などと考えていた。しかし、1週間前の天気予報では、連休中の天気はどこも悪くて、もう中止にしようかとさえ思っていたくらいだった。ところが、日が近づくにつれ、天気予報が良くなった。メンバーのK下さんも3/19(金)に有給休暇がとれたということで、天気がよさそうな3/19(金)と20日(土)の2日間(21日は大荒れの天気と予報されていた)で五竜岳のピークハントをめざすことにした。

 雨から青空

山科駅で待ち合わせて、いつものように京都東ICから入り、恵那峡SAで車中泊。雨が少し降っていた。朝になってもまだ雨が残っていたが、高速を走るうちに止んできた。豊科ICで降りて、五竜遠見スキー場をめざす。平日なので通勤の車が主だ。
 スキー場の駐車場も空いていて、ゆったりと準備をした。ゴンドラとリフトを乗り継いで地蔵の頭のふもとに着いた。昨年の夏に登ったときもガスが出ていたが、今回もリフト乗車中は霧の中だった。しかし、降り場に到着したころからガスが晴れ始め、青空が広がってきた。ラッキー!9時15分出発。  

 快適な登り

地蔵の頭は巻いて、南側にあるもう一つのリフトの降り口から西に向かい、尾根に取り付いた。ラッセルを覚悟していたが、ツボ足でもくるぶしくらいだったので、快調に登ることができた。1800m地点には10時着。青空のもとアルプス平のリフトも見えた。11時10分、小遠見山はトラバースして尾根にもどった。唐松岳、五竜岳の姿が立派だ。ふもとは雲海の下である。大遠見山には、12時40分に着いた。鹿島槍、五竜岳、白岳、唐松など360度の大展望だ。下界もガスが晴れてきた。このあたりから雪が膝下くらいになったので、ワカンを着けることにした。風が冷たい。西遠見山手前のコルでテントを張ることにする。地図で池塘記号のあたりである。1時50分。鹿島槍北壁、五竜岳の絶景を目の前にしたすばらしいテントサイトだ。 

 アタックを楽しみに

テント設営が終わったのが、15時5分。春のような陽気の中、汗をかきながら、スノーソーで雪面を切り、スコップでブロックを切り出した。3段ほど雪面を掘り下げ、ブロックを立てたが、それでも夜は強い風でテントがはためいてなかなか寝付けなかった。
 テント設営後、明日のために午後4時までと決めてトレースを付けに行くことにした。西遠見山を越えて、白岳から南東に延びる尾根の2280m地点までトレースを付けた。稜線は光と影の芸術作品になっていた。この雪の状態だと白岳まで1時間30分、そこから五竜岳までは2時間もあれば登れると判断した。明日のアタックが楽しみだ。   

 夜の出来事

テントにもどるとさっそく水作り。春の雪なので、ゴミが入ることを覚悟していたが、大変きれいな水ができた。夕食は、豚肉ショウガ焼きと野菜炒め(ちょっとした手違いで丼にできなかった)とわかめスープ、赤飯と山菜おこわだ。ショウガ焼きはなかなかご飯が進む君である。K下さんはしきりに目の回りを押さえたりしていて調子が悪そうだ。それでも、なんとか夕食を終え、シュラフに潜り込んだ。
 風が強く、テントをばたつかせてなかなか眠れない。それでも目を閉じて横になっていた。
 後でK下さんから聞いた話だが、7時半頃にシュラフに入ったものの、頭がズキズキとし息苦しく、9時半頃には急に吐き気を催して、テントの外にでる暇もなく、そのまま吐いてしまったそうだ。呆然とする中、新聞紙などで汚物をかたづけトイレの場所に埋めて落ち着いたのが、10時半ごろ。その話を11時半頃に聞いた。典型的な高山病の症状だ。その時点で、明日のアタックは中止して、下山することに決めた。

 下山

アタックする場合は、3時起き、5時発の予定だったが、ゆっくり睡眠をとることにして、翌朝は5時に起床した。K下さんは朝食のラーメンを食べられる状態ではなく、紅茶を飲んで水分補給をしただけだった。私は紅茶と昨日の行動食に持ってきたクリームパンを朝食とした。
 テントを撤収し、下山を開始したのが6時35分。薄雲が東の空を覆っていたので、それほど鮮やかなモルゲンロートではなかったが、鹿島槍北壁、五竜岳はあいかわらずの雄姿を誇っていた。雲が西から東へ速く流れていた。さて、今日はどのくらいまで天気がもつのか。五竜岳の頂を踏めなかった悔しさに何度も振り返った。この悔しさはK下さんも同じだろう。
 昨日のトレースも風のために一部吹き消されていたが、ほぼ忠実にトレースどおりゆっくり下った。中遠見山では登り返しがある。地蔵の頭が近づいてくると、ぞくぞくと登山者のパーティがのぼってくるのが見えた。ざっと7,8パーティはいるだろう。私たちは、1日早かったため静かな雪山が楽しめてよかった。
 ゴンドラ乗り場には9時到着。順調に登っていれば五竜岳の山頂にいる時間だった。天気は、快晴。
 大町温泉郷の薬師の湯で汗を流し、大町駅前の昭和軒でカツ丼となめこ汁をいただき、豊科ICへ向かった。


さあ登るぞ


快適な登り


一ノ背髪からのながめ


五竜岳が見えた


鹿島槍も見えた


鹿島槍・北壁


テントサイトからの五竜岳


絶好のテントサイト


白岳の登りで見た光と影の芸術作品


トレースを付けてテントへもどる


朝の五竜岳