仙丈ケ岳・冬山登山

山頂
仙丈ケ岳
分類
雪山登山
日程
2011年1月8日〜1月10日
概要
戸台〜北沢峠〜仙丈ケ岳(往復)
コースタイム
1/8(土)10:00戸台駐車場〜12:55丹渓山荘〜15:30北沢駒仙小屋前テント場
1/9(日)6:00テント場発 〜7:50大滝の頭〜9:15小仙丈ケ岳〜10:40_11:00仙丈ケ岳〜12:20大滝の頭〜13:15テント場
1/10(月)6:50テント場発〜8:25丹渓山荘〜11:30戸台駐車場

 冬山合宿

 京都雪稜クラブに入会してから、日程の関係で冬山合宿に参加したことがなかったので、今年こそはと手を挙げた。山行日は、冬山登山としては短い成人式の3連休に設定した。場所も技術的には易しい仙丈ケ岳に決定した。しかし、天候によっては困難な山行になるので、天気には注目していた。天気予報では、8日は登山日和だが、9日から下り坂で、太平洋に低気圧が発生し、9日後半からは風雪が強くなる。また10日も風雪ということだった。
 しかし、予報はあくまで予報。現地判断でアタックの可否を決定しようと考えた。結果的には、天気の崩れは少なく、冬山としては非常に天候にめぐまれた山行になった。  

 戸台までに雪なし

 山科駅に22時20分集合・出発。戸台をめざす。途中、恵那峡SAで荷物を車横のスペースに出し、ブルーシートをかけて置き、車中泊。午前6時に出発。駒ケ岳SAで朝食をとる。戸台には9時30分に到着した。戸台への林道の途中で、仙丈ケ岳の塩沢を登るというKさんに会って挨拶。パートナーは有名なK氏だった。戸台駐車場には10数台の車が止まっており、登山者の様子を見ているとアイスとピークハントが半々という印象だった。  

 北沢峠までは遠かった

 冬の戸台は3年前に鋸岳の縦走で来ていたが、今回は北沢峠までと行程が長い。トレースはずっとついておりルートを迷うということはなかったが、途中の渡渉では少し悩まされた。
 中高年の10人ほどの大パーティと相前後して登ることになった。どこに行くのかと聞かれ、「北沢峠」と答えると、「どこに登るの?」「はい、仙丈ケ岳です。」「じゃあ、一緒だね。明日の朝はがんばってトレースつけておいてね。」とだいたいどのパーティも言うことは同じだった。軽装だったので、山小屋に泊まると思っていたが、北沢駒仙小屋は営業していなかったので、長衛山荘に泊まられたことは北沢峠まで登ってみてわかった。
  八丁坂を越え、大平山荘から北沢峠までの登りは、アプローチとしては結構な距離だった。
  テント場は駒仙小屋の前だった。ネットで水場があったという記載を見ていたので、てっきり水は確保できると思っていたら、小屋が閉まっていたので水場はなく、雪から作るのも面倒だったので、横を流れる川の水を使った。(上流に仙水小屋があるので、よいこの皆さんは真似をしないでね。)
   夕食はトン汁とご飯。ベースからのアタックなので、重さを気にせず豪勢に食材を持ってきた。    20時には就寝した。となりのテントでは遅くまで宴会をしていたようだった。    

 星空

下り坂という天気予報だったので、できるだけ早く出発しようと思っていたが、4時起床、6時出発という常識的な線に落ち着いた。空は星空で風もなく、ほっとした。
 ヘッドランプを点けて出発。テント場から林道に出たところにかかっている橋から仙丈ケ岳2合目に登るルートをとる。トレースは明確で、トラバース道で急坂もなく、40分ほどで北沢峠からの道とであった。こちらのルートも明確なトレースがついていた。さすがに稜線の上のほうは風が強そうだったので、あまり風が強くならないうちにとアイゼンを着けた。
 大滝の頭あたりでは、幹の太い樹林がゆれるほどの強風が吹いていた。そこからしばらく登ると上から2人パーティが降りてきた。話を聞くと風があまりに強いため登頂をあきらめて下りてきたということだった。我々も森林限界を越えたあたりの風をみて判断しようと考えていた。
  森林限界を越えてすぐのところで、単独行者が下りてきたので、登ってきたのかと聞くと、仙丈ケ岳頂上まで行ったということだ。その人の話では、小仙丈ケ岳までは一番風が強いが、それ以降はすこし弱まるということだった。たしかに小仙丈ケ岳の登りでは、体が風に持っていかれるほどの強風だったので、耐風姿勢をとりながら地道に登った。
 

 頂上へ

それでも、小仙丈ヶ岳には9寺15分に到着した。風が強く、休憩には不向きだったので、少し進んだコルで休憩した。北岳方面はガスが沸いていた。また頂上付近もガスで時折覆われ、下り坂の天気予報を実証するようだった。しかし、もうしばらくは天気はもちそうだし、風もやや弱くなったように感じる。リミットを11時と設定して、気合いで頂上をめざすことにする。頂上へは、一旦降りて再度登り返す。途中のちょっとしたヤセ尾根を通過するときには、風がなく助かった。
 やっとの思いで、頂上には10時40分に到着した。強風に苦労させられた後の登頂だけに感慨深いものがあった。記念撮影をして、すぐに少し下まで降りて休憩した。西方からは雲が迫って来ていたので、早々に下山にかかる。いくつかのパーティは頂上をめざして登ってきていた。   

 下山は快適

 小仙丈ヶ岳からの下りも朝ほどの強風はなかったので、快適に歩けた。樹林帯に入って一息いれ、後はテント場まで元の道を引き返した。早くテント場にもどったので、その日のうちに下山することも可能だったが、テントを撤収する手間を考えると、テントで酒でも飲みながらまったり過ごしたい気分が勝った。ウィスキーと日本酒で祝杯をあげて、馬鹿話に盛り上がって夜は更けた。

 おだやかな夜を過ごして

 夜の間に雪が降り、10cmほど積もっていたが、天気の崩れもそれほどではなかったようだ。昨日と同様に4時に起床して外に出てみると星空だった。テントを撤収して出発は6時50分になった。我々が下山の最初のパーティとなる。昨夜の雪がトレースを覆っていた。そのおかげで雪の下の氷が見分けられず、何度かすべって尻餅をつくことになった。八丁坂なども気を抜けない下りだった。最後の林道に我々が着く頃には続々とパーティがつづいて降りてきていた。
 天気予報が悪かったにもかかわらず、予想外に天気にもめぐまれ、冬の仙丈ヶ岳に登れたことは望外の喜びだった。パーティのメンバーとおてんと様に感謝したい。     

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戸台からのアプローチ

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旧丹渓山荘

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北沢駒仙小屋前のテント場

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森林限界を越えて

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強風の中の登攀

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小仙丈ヶ岳にて

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仙丈ヶ岳への登り

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仙丈ヶ岳登頂!