上ニゴリ沢・アイスクライミング

山頂
戸台川流域
分類
アイスクライミング
日程
2011年1月22日〜1月23日
概要
戸台〜上ニゴリ沢
コースタイム
1/22(土)9:00戸台駐車場〜10:30上ニゴリ沢出合〜12:40上ニゴリ沢F1取り付き〜アイスクライミング〜16:10下山開始〜16:30肩脱臼〜メンバーによる搬出〜 1/23(日)1:00救助隊到着〜5:00戸台〜5:40病院
1/10(月)6:50テント場発〜8:25丹渓山荘〜11:30戸台駐車場

 事故

 昨年8月下旬、蓼科山の下山途中、駐車場まで200mのところで転倒した折、持っていた一眼レフをかばい、左手の薬指を脱臼した。自分で車を運転しすぐに諏訪中央病院で整復してもらったが、ハイキングに復帰するまで2週間、沢登りには1ヶ月、クライミングには2ヶ月かかった。
 さて、今回は、アイスクライミングの下山途中に左肩を脱臼してしまった。はげしい痛みに動けなくなり、メンバーや救助隊の皆さんに大変ご迷惑をかけてしまった。そのトホホの記録である。  

 戸台へ

 当初は、八ヶ岳にアイスクライミングに行く予定だったが、戸台川流域に変更になった。初日は、取り付きやすい上ニゴリ沢でのクライミングだ。戸台は、先日仙丈ヶ岳に登るために来たばかりである。雪のない駐車場に車はなく、我々が一番乗りだった。1時間半で上ニゴリ沢出合。出合は土砂が押し出していてわかりにくいが、事前にGPSでチェックしていた。テントを張り、F1に向かった。  

 足場は悪い

 上ニゴリ沢をF1まで登る。藪を漕いだり、木をまたいだり、結構沢登り気分だ。雪はほとんどない。1時間半ほどでF1が見えてきた。沢は浮き石が多く、いやな感じだ。    

 アイスクライミング

F1の取り付きの下部10mくらいから氷が張っているので、傾斜の弱いところを探して、アイゼンをつけた。私はペツルM10をF氏からお借りしている。
S木さんは、右手のやや傾斜のゆるいところにロープを張ってくれた。O村さんは左手のバーチカルなところにロープをセットしてくれた。
  私は、トップロープでまず左手のバーチカルにトライ。八ヶ岳のナイアガラでは腕がパンプして苦労したが、今回は少しなれたのか、なんとか上まで登れた。
  2回目は、右手のラインを登り、3回目は右手の左側にスクリューをセットする練習をしながらトップロープで登らせてもらった。  

 下山中に事故

時間の経つのは早い。4時頃になり寒くなってきたので私とKさんが先に下山を開始した。登るときにも浮き石が多く、落石に気を遣った斜面を下る。アイゼンははずしている。雪はうっすら積もっているところがあるくらいであった。
 ふと左足を出したときにバランスをくずして、左手にもったアックスを後方についた。特に勢いがついていたわけではないと思うが、アックスをついた瞬間、強烈な痛みが左肩に走った。おもわず、その場に座り込んでしまった。これはなにか起こったと瞬間思った。しばらくして立ち上がろうとしたが、左肩に強烈な痛みが走り、すぐ座り込んでしまった。体全体から力が抜けてしまったように感じる。次々に下山してくるメンバーに症状を説明し、どうやって降りるかを相談した。フィックスロープを張り、背負い搬送による自力下山をはじめたが、途中でトラブルがあり、救助隊を要請することになった。
 救助隊が到着したのが日が変わって午前1時頃。四方を支えてもらいながら、なんとか歩いて、戸台の手前まで下山した。救助隊の車に乗って、救助隊本部まで行き、そこから救急車で伊奈中央病院まで運ばれた。頭のCTと左肩のレントゲン写真を撮った。頭部は特に異常はなかった。左肩は予想通り脱臼ということがわかった。救急担当のドクターでは整復できず、専門のドクターにレントゲンカメラを見ながら整復してもらった。腕には電気が走り、こんなに痛いものとは知らなかった。
 メンバーはじめ救助隊の皆さんにも大変ご迷惑をかけて、申し訳なかった。  この後はより安全に登山を行うためにトレーニングをしっかり行いたいと思った。   

 リハビリ

 脱臼により、3週間バンドで左肩を固定していたが、その後バンドをとり、三角巾だけになった。しかし、痛みがなかなか引かないので、MRIを撮り、診察してもらったところ、液状神経の麻痺のために肩周辺の筋肉が非常にやせてしまっていることが判明。2ヶ月たった今もリハビリに励んでいる。
 軽いリュックが背負えるようになったら、また、日帰りハイキングから登山再開である。      

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戸台からのアプローチ

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上ニゴリ沢F1

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はるか下方に出合を望む

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バーチカル部分