2月の川柳

近詠


まず保険減らし家計簿軽くする


ガン保険止めたらきっと癌になる


耳打ちをされて私も同罪に


微笑みもすこし疲れてきた介護


見舞うたび義母は小さくなっていく


義母の手をしばらく撫でてから帰る


病院を出たらひとまず深呼吸


元旦の空気元旦だけのもの


正月だえいと奮発してしまう


今年こそ今年こそはと歳重ね


まだ喋るつもりだ袋持ち替える


洋画劇場終った頃に目が覚める


更年期ですとあっさり聴診器


題詠


ひそやかにナースが走る午前二時


一字一句宙で言えますラブレター


暗記した言葉が出ないプロポーズ


断り文句夫に聞いてからにする


もう会わぬ決心携帯を変える


決定権は妻に我が家の不文律


墨を磨るいつか無心になっている


一切を見通している妻の笑み


コーヒーの香りに負けた無言劇


たこ焼き食べて未来語った若かった


蛸足配線三畳の下宿です


物思い一駅過ぎてから気付く


走っても走ってもライバルが離れない

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