12月の川柳

近詠


食欲の秋というのに胃の謀反


それも良し見守る親になりきろう


利口にはなれずあちこち痣つくる


私も枯葉も風に付いて行く


だとしても愛する人は唯ひとり


夫婦とは見えぬカップルよく喋る


こんな時せめて姿勢はよくしよう


念押して呉れたらハイと言うたのに


人違いらしい笑顔へ会釈する


掛け捨ての保険みたいや母の愛


平凡に過ぎたひと日へありがとう


よく考えてみればと過去を蒸し返す


きっかけが欲しいだけです煮ころがし


無言電話ごくろうさんと言うておく


題詠


贋作と知っても家宝又しまう


大切にし過ぎて妻が家出した


スポンサーいる時だけは声掛かる


ええ格好するから舌がもつれだす


小さい嘘時どきついて身を守る


珍しい時間どおりにバスが来る


晴れやかに振られる前に振ってやる


徳利を振っても妻は無視してる


コスモスと揺れて広がる物思い


妻と母どちら立てても渦の中


携帯オフ花野へ私解き放つ


席詰めてくれてもヒップ入らない


義母の手を祈りを込めてさすってる


勲章はダイヤ似あわぬ私の手

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