H22・8月の川柳

   

近詠


雑草が主役になって梅雨あける


大切な皿は私が洗います


律儀に走る乗客のいないバス


ああ言えばこう言う相手いて活気


留守電に入れるセリフをリハーサル


揺れていい風が止んだら立ち直る


心地よい言葉しばらく酔ってみる


またたかぬ蛍わたしの化身かも


賞味切れ夫婦に蛍飛んでくる


立ち読みの本に汗落ち買う羽目に


気の重い電話手紙に切りかえる


悩んでも今日取り敢えず過ぎてゆく


宵宵山今年も雨に祟られる


課題吟


体重計息吐いてから乗ってみる


のんびりもせっかちもいる金魚鉢


臨終の床で告白まだ続く


貸衣装紋など誰も見ていない


お土産の銘菓藩祖の紋生きる


金の事なら相談に乗れません


愛想ないけれど気楽な販売機


半分は夫に聞かす電話口


漢方薬の様です君のご忠告


じわじわと結婚指輪きつくなり


呑ましたらあかんよ虎になるさかい


トラトラトラの知らせに沸いた日本軍


特別と言われ魔法にかかってる


怠けてはおれぬじわじわ老い進む


目を見張るついていけない電子音


にこにこと話の裏を読んでいる


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