H25年 8・9月の川柳
近詠
試し運転クーラーの突然死
水遣りを忘れ見事な花が咲く
燃えぬゴミ溜息を吐く収集車
好きな事言うてくれます皆他人
頑張っているのに普通だと見られ
焼肉屋たまにカロリー忘れる日
蹴躓く夫笑っていられない
堰を切る話に受話器重くなる
わたくしもめっきり鮮度落ちました
嬉しいな叱ってくれる人がいる
控えめに正しい事を言うておく
進歩する家電に指図されている
じっとしてると私病気になるのです
待つ事に慣れてしまった医者通い
猛暑なり嫌な事から片づける
雑草のはびこる庭を持て余す
七割引き行く気になっている財布
正直な人の無口を信じよう
歳重ね高くなります修繕費
悟られぬよう早口になっている
無理するなするなと言うが茶も入れず
辞書読んで言葉の海を泳いでる
ぽっくりと逝きたい欲と医者通い
歳重ね今日行くとこがある元気
写真写りがええと褒められムッとする
ひらがなでせんせいと呼びからかわれ
エコエコと道具が増えていく矛盾
課題吟
祇園祭きゅうり食べたらあきまへん
誉めちぎる裏に思惑透けて見え
ありったけ喋れば揺れる仏の灯
病気と孫の話題厳禁クラス会
三つ指ついて退職金と出ていった
倍返し泣き寝入りなど考えぬ
二人目は王子計画通りです
好きなだけ寝てたい時もあるのです
核の無い世界を望む鎮魂歌
怪しげな人だけ吠えてくれる犬
弁護士に医者や教授もいる家系
何デシベルか測って苦情言いに行く
暑いのにクマゼミ声を張り上げる
酔うてても起きたらちゃんと家にいる
お見合いになると顔出す家の格
とびきりの贅沢バラの湯に沈む
言えば言う程泥沼に落ちてゆく
先行きを考え眠り浅くなる
他人事やからあれこれ軽く言えるのよ
嫌いやと思う大好きとも思う
ラムネ瓶シュワシュワ昔呼び戻す
肩書が取れたお人の低い腰
躓いた汗も涙も武器にする
孫に愚痴嫁に必ず言うてくれ
口喧嘩窓閉めたけどもう遅い