平成13年7月末

今日も、小説が進んだ。まだ、10ページほどしか書いていないが、それでも10ページ進めば大したものだと思う。それに、何よりもちゃんと小説になっているんだ。そこが、一番嬉しい。やはり自分には文才があるんだな。この歳になって小説を書くのは若い頃よりも簡単だ。何と言っても経験と知識があるからだ。だから、俺は小説を書く。

そうして新人賞を取るのだ。自分の本が店頭に並ぶことが夢だったのだが、それが自分が書き出したことによって現実になってきた。凄い。俺は、本当に作家になるのだ。

 それに、仕事の方も張り合いが出てきてなんだかんだと忙しが充実した日々を送っている。自分が、ないがしろにされようが、そんな事よりも小説を書く方が大事だ、と分かってきたから。そうなると、会社の事なんて、ちっぽけな事にしか、思えなくなってきた。全く、何でこんな小さいことに振り回されて来たんだろう?弱い人間だったからだろう。何かをする前に、諦めていたらかだろう。そうして自分の可能性を自分で閉じこめていたのだ。しかし、今は違う。自分の本来の能力を解き放つ事、これが出来るようになったからだ。

自分を解放することによって、自分が最も好きな事が小説を書くことであったとは。