991.「レイモンド・カーヴァーの世界」アフタートーク

主なキャスト:手塚とおる・仲村トオル
作:レイモンド・カーヴァー 翻訳:村上春樹 演出:谷賢一 舞台監督:野口毅
公演記録:2019.5.25~26@兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール(兵庫)
去年もアフタートーク込みでのリーディング・シアターだったので今回も意気揚々とチケットを取ってみる。(え)まず最初に兵芸の女性スタッフさん??が出て来て「この後演出家の谷賢一さんとリーディングをされたお2人に出て来て頂きますので盛大な拍手をお願いします」っつーことで司会進行役はとっとと演出家の谷(賢一)さんにお譲りー。…ま、去年もそうだったしべっつに驚きはしないんだけども。(苦笑)谷さんは黒いジャケットの下に白のTシャツ??で黒パンツ。2人のとおるさん(!)(手塚とおるさんと仲村トオルさん)は白シャツに黒パンツで手塚(とおる)さんはくるぶし辺りまでのちょっと短めの丈で黒地に赤のチェック??のソックスと黒ブーツ、仲村(トオル)さんは黒の革靴ってないでたちで。まずもって手塚さんのぴっしーっ!!!と両手真っ直ぐに揃えて2つ折りになるお辞儀の仕方に最敬礼したいぐらいの。(え)椅子に腰掛けた途端にペットボトルの水を飲み出す谷さんに女性スタッフさんが「(司会進行をお任せして)えー…大丈夫でしょうか??(おぶおぶ)」つて退場し兼ねておったんだけれども(苦笑)「大丈夫ですvvv」つてやぁーっとこ喋り始める谷さんwww去年にも増して自由すぐる…っwww(どーんっ!)まずはざっくりした作品紹介もしつつの手塚さん朗読「ダンスしないか?」。これは「愛について語るときに我々の語ること」に収録されてる短編??っつか中編??の話でどういう事情があるのかわっかんないけれどもとにかくもまぁ家財道具一式をぜぇーんぶ外に引っ張り出して来てガレージセールをやっておる男の話とそこにやって来る若いかぷるの話。特に去年の公演の話を引っ張り出して来ることもなくいきなりの「いかがでしたか??」の問い掛けをして来る谷さんwww(えー)手塚さんも特にそこを気にすることもなく「いやー…僕もレイモンド・カーヴァーは好きなのでー…よく読んでたりするのでこうやって今回朗読をさせて貰うことが出来て嬉しいです」みたいなことを。そうして「僕は役者なのでー…(苦笑)普段こうやって朗読劇ってのをやったことがないしー…それに戯曲を読む…と言うか声に出して読む、しかもト書きの部分も全部読むってことがなかなかないのでー…(苦笑)どうやったらいいのか分からなかったんですけど「もうどういう風にやってもいいやwww」つて開き直ってからは結構こういう感じで読んでますね…。またもしかしたらやってるうちに変わるかもしれないけど…(苦笑)」っつーことで。ここに出て来る「男」ってのがまた家財道具を一式ただ出して並べてるだけじゃなくて家の中にあった配置通りに並べてしかも電気も使えるやうにして水道も水まで出るやうにしてそこまでするってことはちょっと変わってると言うかー…変質的な部分があると思うんですがー…??っつー谷さんに「変!…ですよね(苦笑)」と手塚さんも俄然同意wwwそこんところの変さ加減っつーのかちょっと他の人とは違ってる感じが出るやうに気を付けつつでも大げさになり過ぎないやうに注意してどうやったらそれがお客さんに伝わるのかを考えながらまぁ今ココwwwっつー話なんだけども。(苦笑)(手塚さん談)谷さんもどこかしらカーヴァーとは共通点があるっつかアルコール中毒になって入退院を繰り返して5度??の離婚歴があるそうなんだけれども谷さんもアル中に近いぐらいにいつも4リットルのお酒の入ったペットボトルを傍らに置いてるし(「…で??離婚は??」つて手塚さんがゲラゲラ笑いながら聞くと)「バツ2ですけどね、僕は!」とちょっとまだふっつーに近いところをアピールwwwでもけこんしてない手塚さんからしたらばバツ2でも充分すぐるぐらいに「ふっつーぢゃないwww」と思ってるかもしれないけども。(苦笑)とにかくまぁ作品の中でも若いおなのこから言われてるやうに「随分とやけっぱちなのねwww」ってなことでそこにはカーヴァー自身のこともしっかりと投影されてるんだとは思うんだけれどもこの作品を仕上げる前にもアル中で入院して離婚する、しないのすったもんだを経た後の結局離婚して奥さんが出て行ってしまって…な状況とひっじょぉーによく似てるっつか何っつーか。その辺りの話で手塚さんも「へぇー…」みたいな顔しておったっけか??

次に仲村さん朗読の「コンパートメント」。こちらは「大聖堂」に収録されてる短編っつか中編っつか短編??になる…のかな??(え)離婚して以来会ってない息子に会いに行くために電車に乗って遠路はるばる訪ねて行くわけだけれどもその道中いろんなトラブルに見舞われて…ってな話になるわけだけれども「いかがでしたか??」つて聞かれた仲村さんが「いっやぁー…財布とパスポートがあってよかったなー…と(しみじみ)」となーwwwとにかくほんっと!それなーwwwって感じなんだけども。(苦笑)「財布とパスポートがあればとりあえず何とかなりますもんねwww」とは手塚さんwww「そうですよねー…。まず読んでて最後財布があれば今日食べる夜ご飯には困らないだろうしパスポートがあればとりあえずはそれで次のところに行っても安心だし…ほんっと財布とパスポートは大事ですよねー…(しみじみ)」と仲村さんwwwいろいろあって最終的に自分が乗ってた号車が切り離されてどこか遠くの知らない場所に出発した後に取り残されてどこに辿り着くのかも分からないまま放り出されて…っつー話をいろいろあって「ハッピーエンドだ」とする仲村さんの考え方が凄く新しいと言うか「そっかー。そうなるのかー…(しみじみ)」と思ったっつー谷さん。これが「ハッピーエンド」だと考える仲村さんの解釈を聞いて「素敵だな」と思ったしその方向で??ピアノの演奏とかもそうなるやうに持ってって貰ったりして新しい展開が生まれたっつか。仲村さん自身も自分の朗読だけじゃこの世界観ってのは出せなくてもちろん谷さんの演出だとかピアノの演奏だとか他いろいろ裏で動いてくれてるスタッフさんだとかそんなのが積み重なって今ココwwwと。仲村さんもむかーしインドのバルーチ??に行った時に「もう何もかも失った時はここに来たいなー…(遠い目)」と思ったことがあるそうなんだけれどもその時も「銀行の残高はいくらあったかな??」ってなことをつい考えてしまった自分が残念と言うかガッカリと言うか…(黙)だったそうなんだけれどもとにかくも「財布とパスポートは身に付けとかないと…!」ってなことで。(大事なことだから何度でも言いまつwww←)この作品はそれまでのカーヴァー作品とはちょっと違っておるっつーのかそれまではどっちかっつーとスタティッシュで確立的な話の構築の仕方をしておったのが「ニンゲンっつーのはどんどんと変わって行く生き物である」とばかりに離婚をして自分に歯向かって来た息子を突き飛ばした時の「男」(ちゃんと名前があったんだけれども忘れたー。←)とそれを経て今息子に会いに出向いて行ってる「男」とは全く別物であるっつー捉え方なんだけれどももっと細かく言えば車内でたまったま乗り合わせた男と出会った時の「男」とトイレから戻って来てみたらば息子にプレゼントするために用意しておった時計がコートの内ポケットから無くなっておって思わずその乗り合わせた男に殴りかかろうと思った時の「男」もまた違うしそうかと思えば「息子にはホントは会うつもりじゃなかった。会いたくなんかなかった…!」と考えてしまう「男」もまた違うし降りるはずの駅で降りずにそのまま電車に乗り込んで行ってしまう「男」もまた違うし号車を間違ってしまって当て所なく取り残されてる「男」もまた違うし…とどんどんそのたびに考え方も感じ方も違う「男」がいくつも存在するわけで…。ちょうど谷さん自身も息子さんがいてこの「男」と同じくどういう風に接したらいいのか分からないっつか「男」もいろいろ考えた挙句に「母さんは元気か??」つて聞いて肩でもポンポンと叩いてやろうか??とか思っておったのを「やっぱり息子になんか会いたくなかった…!」つていきなり思い直したりして素直になれないっつか会いたいのは会いたいんだろうけれどもそれをストレートに「会いたかった…!」つてハグでも何でもしてやればいいモノをそれが出来ずに天邪鬼な考えに思い至ったりなんかして谷さんも同じやうにして「やぁー!」つてフレンドリーに息子に接してやったらいいんだろうけれどもそれが出来なくて何だかムスッ!とした態度しか取れなかったりして「それじゃ息子さんが可哀想…。もっとがつん!とぶつかって行ってあげて下さい…!」つて手塚さんに突っ込まれておったり。(苦笑)だからこの「男」のやうに素直になれない気持ちも分からないでもないっつか共感してしまうところもあったりする谷さんなわけだけれどもどことなーく優しい気持ちも感じられたりなんかしてそれがまたカーヴァー自身も息子が出来たりして環境が変わって車窓からの眺めを情景的に語っておったりしてその気持ちを素直に表したのがこの小説だったりなんかして今までと一味違うっつかそこんところがまた面白かったり。(谷さん談)

で最後が「もうひとつだけ」。これまた「愛について語るときに我々の語ること」に収録されておる短編??なわけだけども。奥さん、娘と大喧嘩して「出てくよ!」っつって啖呵を切った後に「もうひとつだけ言っておきたいことがある…!」とか言いながら何も出て来ない…っつーよくある話。(苦笑)「これを仲村さんのいい声の後にやっていいのかな??と…」と手塚さん。そうして「いい声~♪」つて褒められて「いやいやいやいや…」つて恐縮しまくりの仲村さん。(苦笑)でも否定はしない、と。(だから)手塚さんが「これ読んだ時に思ったのが「チェーホフに似てるなー…」と思ったんですけど…」つて言い出したらば「それはカーヴァーも意識してると思いますよ??」と谷さん。…っつーのはカーヴァー自身チェーホフのことを絶賛しておって憧れてるっつかもういっちばん死ぬ間際の最後の作品がチェーホフの妻とその使用人がチェーホフについて語っておる話で(「あれが最後なんですか??」と手塚さん)それぐらいチェーホフのことが好きで憧れておって尊敬しておったぐらいだから似ておって当然っつか。チェーホフも日々起こるあれやこれやに対して「悲劇=喜劇」っつー捉え方をしておってそれはカーヴァーの作品にも見られる傾向でこの作品もそれに近い、と。仲村さんも去年手塚さんがやっておった「もうひとつだけ」の映像を観て「朗読って言っても立って喋っていいんだ!」と思って気分がノッて来たところで立ち上がって喋っておったらば後で演出の谷さんから「手塚さんは特別です!」って言われてしまったと…。(苦笑)仲村さんも朗読劇ってのは初めてでそれまでまぁ子供に対する読み聞かせ??みたいなのはやったことがあってそれは絵本とかだったのでこやっておっとなーwwwのお客さん向けに??喋るのとかって初めてでどうしたらいいのかよく分からなかったんだけれども(苦笑)だから舞台に立つこと自体が恐怖っつーのか何が起こるか分からない…!っつー恐怖みたいなのがあったんだけれどもその点子供の場合は「ママー??これ、いつになったら終わるのー??」とか言われたりしてその恐怖があったんだけれども(苦笑)「今日のお客さんはその点素晴らしくいいお客さんですね!」と手塚さんwww「…ですね。ちゃんと静かに聞いてくれてるし…」と仲村さんも絶賛wwwここら辺りでさりげなーく谷さんがまとめに入ってフェードアウトしようとしておったのをすかさず手塚さんが「これで終わっていいんですかっ?!(わなわな)」と突っ込みwww「20分ぐらい経ったらスタッフさんが出て来て「そろそろ終わりを…」つて言ってくれるんですけどー…」と谷さん。…が!「告知はいいんですかっ?!」つて手塚さんに言われて「明日も矢崎広さんと平田満さんの全く違う素敵なお2人が今日とは違う作品を朗読されますのでー…。明日やるのはカーヴァーの前期の短編、中編になりますのでまた違った面白さがあっていいかな、と」と谷さん。その後も「東京でもまたカップリングを変えてやるんですよね?!」と手塚さん。(え)この劇場とは違ってもっとせまーい空間での公演(六本木トリコロールシアター)になるのでもっと役者の生声が感じられると言うかー…こんなに声が通るんだ!とまた違った発見が出来ると思いますのでぜひぜひvvv(谷さん談)ってなことで「東京にお知り合いのおられる方はぜひお声がけいただいて…」と手塚さん。何て万能選手なんだwww(え)その後スタッフさんが出て来て今後仲村さんはこの劇場で(仮チラシもお手元に入ってますがー…)「終わりのない」が11月にありますのでー…と紹介されるも「兵庫でもあるんですか?!」と仲村さん。(苦笑)「イキウメ全劇団員出演でー…」つて仲村さんが言ったら「それはいいですねーvvv」と羨ましそうな手塚さん。手塚さんは今後もテレビに舞台にといろいろ出演作が目白押しだそうなので「皆さん、よろしくvvv」とスタッフさんからの押しが。捌ける時もシャキーン!と音がしそうなきっちりしたお辞儀の手塚さんとお手振りしつつ笑顔で捌ける仲村さんの構図が何とも…vvvまっぢでイキウメ劇団先行とかどうかひとつ…!(切実)